バッテリーは84kWhへ増量 インテリアは一新
2022年の欧州カー・オブ・ザ・イヤー受賞車、キアEV6がフェイスリフトを受けた。フェイスリフトといっても、見た目や技術をリフレッシュする程度のライトなものと、パワートレインまで手が加えられるヘビーなものへ分けられるが、今回はその前者だ。
【画像】欧州COTY受賞車がアップデート! キアEV6 近似サイズの電動SUVと写真で比較 全171枚
ヘッドライトを中心にフロントマスクが一新され、ホイールのデザインも更新。リアも僅かに変更を受けている。フェイスリフト前のEV6と区別するのに、充分な変化が与えられた。
技術的には、駆動用バッテリーの容量が77.4kWhから84kWhへ増量。これにより、航続距離は最大580kmまで伸びている。このクラスでは、最も競争力の高い1台といえる性能を得た。
急速充電能力も239kWから258kWへ上昇。理論上は最短18分で、残量10%から80%へ回復できるという。
どれもうれしい内容だが、多くのユーザーが特に喜ぶのは、使い勝手と質感が向上したインテリアだろう。センターコンソールの樹脂製パネルは、グロスブラックからマットブラックへ変更。アップル・カープレイとアンドロイド・オートには、無線で対応する。
雰囲気を乱すケーブルが、ダッシュボード前にぶら下がることはなくなった。ステアリングホイールの角度調整は電動になり、ドライバー好みの運転姿勢とエアコン設定は、指紋認証で登録もできる。
四輪駆動のツインモーターは324ps
ステアリングホイールには、オーディオ用とクルーズコントロール用のスイッチが備わり便利。タッチモニターへ表示されるエアコン・メニューのアイコンが大きくなり、触覚フィードバックが実装されれば、一層扱いやすいと感じるはず。
シフトセレクターは、従来どおり大きなロータリーダイヤル。通常のスティックタイプの方が、選びやすいだろう。
標識認識機能などの運転支援システムは、近年の法改正に伴い、英国仕様ではデフォルトでオン。過剰気味な警告を回避するには、出発前に毎回オフにする必要がある。試乗車には、ドライバー監視カメラも装備されていた。
駆動用モーターに変更はなし。後輪駆動のシングルモーターでは228psを発揮し、四輪駆動のツインモーターでは合計324psを発揮する。585psを発揮するEV6 GTも、2025年にはアップデートを受けて登場予定にある。
そのGTを除き、現在のEV6で頂点に君臨するのが、今回試乗したツインモーターのAWD GT-ラインS。英国価格は5万7175ポンド(約1098万円)に達するが、不満なくパワフルで、ヒートポンプ式エアコン以外のすべてのオプションが盛り込まれる。
余裕のパワーに安定した操縦性 運転が楽しい
アクセルペダルを傾ければ、EV6 AWD GT-ラインSは静止状態から鋭く加速していく。ただし、力自慢のバッテリーEVとは異なり、気分が悪くなるほど猛烈なわけではない。
右足を踏み込んだぶんだけ、力強さが上昇。余裕あるパワーが、滑らかに展開される。その制御は丁寧で、望んだ通りの勢いで地平線の彼方を目指せる。リラックスした気分のまま、安楽で高速な長距離移動を叶えられる。
アスファルトへしっかり足を着けたような、安定感は変わらず。ステアリングホイールへ伝わる感覚は薄く、軽すぎるようにも思うが、ボディの大きいクロスオーバーを積極的に操りたいと思うのに充分なほどクイックでダイレクト。正確性も高い。
このクラスでは高い動的能力を備え、着座位置は低め。慣れてくれば、ボディがひと回り小さく感じられてくる。運転は楽しいといっていい。
乗り心地も良好。電動SUVという枠を超えて、快適だと表現できる。車重はフェイスリフトで75kg増え、試乗車は20インチの大径アルミホイールを履いていたが、荒れたアスファルトを巧みに処理。スピードバンプも、滑らかに通過してくれた。
高速道路では、僅かにゴツゴツという振動が車内へ侵入してくる。それでも、基本的に落ち着きを失わない。伸びた航続距離を、いかんなく発揮させることができるはず。
従来以上の優位性を獲得 オススメできる1台
効果的なフェイスリフトを受けたEV6。必要なアップデートを施しつつ、定石通り、問題ない部分へキアは手を加えなかった。つまり、優秀なバッテリーEVであることに変わりはない。
ライバルとの競争力を強化しただけでなく、従来以上の優位性も獲得したと表現していいだろう。電動ファミリー・クロスオーバーの魅力的な選択肢として、広くオススメできる1台だ。
◯:バランスに優れたシャシー 一体感のある操縦性 感心するほどの航続距離と急速充電能力
△:タッチモニター中心の車載機能の操作 コミュニケーション力不足のステアリング
キアEV6 AWD GT-ラインS(英国仕様)のスペック
英国価格:5万7175ポンド(約1098万円)
全長:4680mm
全幅:1880mm
全高:1550mm
最高速度:186km/h
0-100km/h加速:5.3秒
航続距離:521km
電費:6.2km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2165kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:84kWh
急速充電能力:258kW
最高出力:324ps
最大トルク:61.5kg-m
ギアボックス:1速リダクション(四輪駆動)
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「ビタ付けみたいな車間詰め」に「急な車線変更」と乗用車ドライバーが嫌がるトラックの動き! マナー違反にみえる走りはトラックドライバーにとって苦肉の策だった
9000人リストラにまさかの下方修正 そもそもこれまでの歴史を軽んじすぎでは? 純利益約93%減って……頼む、復活してくれよ日産!!
ヘッドライトのLED化で雪が溶けない! モータージャーナリストが自動車メーカーへ切に願う「着雪対策」
「時速180km」なんて絶対出さないのに、自動車メーターはなぜこんな表示になっているのか?
中国メーカーEV大躍進! ……だけど タイの自動車事情が激ヤバってどういうことなのよ?【鈴木直也の視点】
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
欧州は韓国と中国の草刈場になったのか。