現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > WECで2台目のポルシェ投入を目指すプロトン。一方GTWCは活動休止、IMSAも縮小の可能性

ここから本文です

WECで2台目のポルシェ投入を目指すプロトン。一方GTWCは活動休止、IMSAも縮小の可能性

掲載
WECで2台目のポルシェ投入を目指すプロトン。一方GTWCは活動休止、IMSAも縮小の可能性

 プロトン・コンペティションは、来季2025年のWEC世界耐久選手権に向けて2台目のポルシェ963を投入する道を固めつつある。同チームの代表を務めるクリスチャン・リードは、ハイパーカーの取り組みを拡大させる可能性が50パーセント以上あると述べた。

 現在、WECとIMSAのウェザーテック・スポーツカー選手権で1台ずつカスタマー963を走らせているドイツのチームは、今年両シリーズのフルシーズンに参戦した後、トップクラスのプロトタイプの焦点の大半を世界選手権に移す可能性がある。

タイトル獲得に王手のポルシェ963、2025年の『ジョーカー』投入目指し実走テストを開始

 リードは、予算とスケジュール次第でウェザーテック選手権のプログラムを、北米シリーズ内の耐久レース5戦からなる“ミシュラン・エンデュランス・カップ”のみに縮小する可能性があることを明らかにした。

「もちろん、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズのカレンダーを確認して、どれだけの重複があるのかを見なければならない」とリードはSportscar365に語った。「ミシュラン・エンデュランス・カップは確実に。そして願わくばフルシーズンをやりたい」

 WECで2台目の顧客用963を走らせる可能性について尋ねられると、同氏は「それに取り組んでいる」と答えた。

「問題はなさそうだし、その道筋はだんだんとはっきりしてきた。現時点では60:40か65:35で(実現させることが)できると思う」

「最終的には競争力のあるラインアップにしたいと考えているが、それには予算が問題になるのは間違いない。ランニングコストが非常に高額だからね」

 ポルシェ・モータースポーツのトップであるトーマス・ローデンバッハは以前、他のチームとの交渉は進んでいないと述べ、来年のWECでプロトンが唯一のLMDhカスタマーチームになる可能性が高いと認めていた。

 今季のWECではプロトンのほかにハーツ・チーム・JOTAがポルシェのカスタマーとしてグリッドにおり、この英国チームは2台の963を運営しているが、来季はキャデラックのLMDhカーを走らせることが決まっている。

 プロトンが2台目のプロトタイプカーを投入するとすれば、理論的にはハイパーカーのグリッドにひとつのスペースが残り、他のプライベーターやサテライトのハイパーカーを投入できることになる。これは予想される2台体制のファクトリーチーム9チームと3台目のフェラーリ499Pを考慮に入れたもので、これにプロトンのポルシェ2台を加えるとWECの最高峰は21台のカテゴリーとなる。

 ただし、これはイソッタ・フラスキーニまたはヴァンウォールが復帰しない場合に限って可能となる。両チームは来季のレギュレーションに従い他の自動車メーカーと同じように2台のマシンを出す必要がある。グリッド上のハイパーカーエントリーの最大数は22だ。

■マスタングGT3プログラムを一部中止へ

 プロトン・コンペティションは来シーズンのWEC LMGT3クラスで引き続き2台のフォード・マスタングGT3を走らせる予定だが、リードは2025年のファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパには参加しないことを明らかにした。

 このチームは、シーズン開始直前にダイナミック・モータースポーツがデトロイトのメーカーと決裂したことを受け、これに代わってプロクラスにシングルエントリーすることとなった。

「今年はGTワールドチャレンジのプログラムを手に入れたが、それが土壇場で決まったことが明らかに我々の助けにならなかった」とリードは語った。「4つの選手権でプログラムを運営するのは困難を極める」

「(今週末は)インディアナポリス、モンツァ、スポーツカップでレースをするが、同じ週末に3つのイベントを走るのは非常に大変だ」

 一方でリードは、現在ウェザーテック選手権で行っているGTDクラスのプログラムを継続することをフォードと「話し合っている」と語った。

「IMSAと話をし、確かに我々は(GTDカー)と963をトラックに持って行きたいと伝えた」と同氏。「どんな顧客がいるのか、そしてどんなクルマが走るのかを見なければならない」

■リードが三度代打の可能性

 プロトンのチームボスである彼は、11月のWEC最終戦バーレーン8時間レースに向けて、ふたたび88号車フォード・マスタングGT3のステアリングを握る可能性があることを認めた。以前このクルマのブロンズドライバーに指名されていたジョルジオ・ローダはル・マン24時間を最後にシーズン後半ラウンドを欠場し続けている。

 先月のサンパウロ6時間レースでは土壇場でローダの代役を務め、先週末の富士スピードウェイでは第6戦オースティンでベン・キーティングがシートを埋めた後、ふたたびローダの穴を埋めたリード。

 彼は、「いくつかのことが重なった。主に時間と家族のビジネスの問題だった」とローダがLMGT3プログラムから降りることなった理由を説明した。「彼はもっとビジネスに関与する必要があった。今、彼は(ELMSの)LMP2に集中したいと考えている」

 マスタングGT3のドライバーとしてふたつのレースを戦ったリードは、「このクルマを運転する機会を得られたことは幸運だった」と語った。「それほど悪くはなかったよ」

「今はずっと良くなっている。サンパウロで初めてフロントエンジン車をドライブした。明らかに運転の仕方が違ったね。クルマを速く走らせるためどうしなければならないかを理解する必要があった」

「それについてもどんどん良くなっている。また、このような機会を得られて嬉しく思っている。だが、私はもう引退しているんだ」

「バーレーンのドライバーがいれば任せたいと思う。実際に何人かと話をしている。ドライバーが見つかればうれしいね。もし見つからなかったら、あと1回だけ乗ることになるだろう。でも、それで終わりだ」

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

2025年シーズン中の“ジョーカー”投入は禁止の方向か。ザウバーの風洞改修も事態を複雑に
2025年シーズン中の“ジョーカー”投入は禁止の方向か。ザウバーの風洞改修も事態を複雑に
AUTOSPORT web
新王者ジェイク・ヒルは名門WSR残留でタイトル防衛へ。2025年BTCC競技規則の改訂詳細も発表
新王者ジェイク・ヒルは名門WSR残留でタイトル防衛へ。2025年BTCC競技規則の改訂詳細も発表
AUTOSPORT web
エクセラー8が新体制発表。イングラム、チルトンの“トム”ペア残留で新生『チーム・ヴェルツ』へ/BTCC
エクセラー8が新体制発表。イングラム、チルトンの“トム”ペア残留で新生『チーム・ヴェルツ』へ/BTCC
AUTOSPORT web
デビューから2シーズンで幾多の好結果。フェラーリ296 GT3、Evoモデルは“激戦”の2026年登場へ
デビューから2シーズンで幾多の好結果。フェラーリ296 GT3、Evoモデルは“激戦”の2026年登場へ
AUTOSPORT web
F1の2024年第3四半期の収益はわずかに減少も、好調な業績を維持。総収益は前年を上回る見込み
F1の2024年第3四半期の収益はわずかに減少も、好調な業績を維持。総収益は前年を上回る見込み
AUTOSPORT web
2022年に導入したばかりの共通ハイブリッド機構を破棄、来季より100%持続可能燃料を採用へ/BTCC
2022年に導入したばかりの共通ハイブリッド機構を破棄、来季より100%持続可能燃料を採用へ/BTCC
AUTOSPORT web
2025年にF1デビューするボルトレート「2026年にアウディで走ることがまず確定。デビュー時期はその後、調整された」
2025年にF1デビューするボルトレート「2026年にアウディで走ることがまず確定。デビュー時期はその後、調整された」
AUTOSPORT web
TGM Grand Prixが自律走行スーパーフォーミュラ『A2RL』に参戦へ。「若者とともに海外で挑戦したい」
TGM Grand Prixが自律走行スーパーフォーミュラ『A2RL』に参戦へ。「若者とともに海外で挑戦したい」
AUTOSPORT web
バルテリ・ボッタス、2024年限りでキック・ザウバーを離れる「素晴らしい旅だった」
バルテリ・ボッタス、2024年限りでキック・ザウバーを離れる「素晴らしい旅だった」
AUTOSPORT web
キック・ザウバー、ガブリエル・ボルトレートの起用を発表。2025年はラインアップ一新、ベテラン&ルーキーのコンビに
キック・ザウバー、ガブリエル・ボルトレートの起用を発表。2025年はラインアップ一新、ベテラン&ルーキーのコンビに
AUTOSPORT web
「ハイパーカーでレースをするのが夢。フェラーリで優勝したい」と最速ルーキーのアーサー・ルクレール
「ハイパーカーでレースをするのが夢。フェラーリで優勝したい」と最速ルーキーのアーサー・ルクレール
AUTOSPORT web
王者ブレイニー勝利で最終決戦へ。ベルvsバイロンはまさかの“壁走り”で懲罰決着に/NASCAR第35戦
王者ブレイニー勝利で最終決戦へ。ベルvsバイロンはまさかの“壁走り”で懲罰決着に/NASCAR第35戦
AUTOSPORT web
若手のマッソンとデ・ジェラスがGR010ハイブリッドで初走行。トヨタ、WECルーキーテストに参加
若手のマッソンとデ・ジェラスがGR010ハイブリッドで初走行。トヨタ、WECルーキーテストに参加
AUTOSPORT web
ボッタスの離脱により、フィンランド人のF1参戦が途切れることに。次なる候補はフェラーリ育成の18歳か
ボッタスの離脱により、フィンランド人のF1参戦が途切れることに。次なる候補はフェラーリ育成の18歳か
AUTOSPORT web
『トヨタMR-S(GT300/2004~2005年)』度重なる大規模モディファイで再び頂点へ【忘れがたき銘車たち】
『トヨタMR-S(GT300/2004~2005年)』度重なる大規模モディファイで再び頂点へ【忘れがたき銘車たち】
AUTOSPORT web
「フェルスタッペンの後継者を見つけた」レッドブルのマルコ、13歳のコロネルJr.に大きな期待
「フェルスタッペンの後継者を見つけた」レッドブルのマルコ、13歳のコロネルJr.に大きな期待
AUTOSPORT web
マルティン追うバニャイアの転倒と優勝。ヤマハ好調は新エンジンだけではない?/MotoGPの御意見番に聞くマレーシアGP
マルティン追うバニャイアの転倒と優勝。ヤマハ好調は新エンジンだけではない?/MotoGPの御意見番に聞くマレーシアGP
AUTOSPORT web
ラッセルのタイヤ戦略は誤りだったとメルセデスが認める。一方でノリスと同時のピットインは「理にかなったこと」と主張
ラッセルのタイヤ戦略は誤りだったとメルセデスが認める。一方でノリスと同時のピットインは「理にかなったこと」と主張
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村