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【試乗記】フツーに走ってもわかる新型ジープ・コンパスの本気度

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【試乗記】フツーに走ってもわかる新型ジープ・コンパスの本気度

名門JEEPのコンパクトSUV 、コンパスがフルモデルチェンジを果たし、このほど日本に上陸した。内外装ともにガラリと刷新され、クオリティが大幅に向上。スペック面だけ見てもライバルに対する競争力はかなり高く、なかなかお買い得感のある内容となっている。千葉県の成田空港周辺で行われた試乗会からレポートをお送りする。REPORT&PHOTO◎小泉建治(KOIZUMI Kenji)

新型コンパスはスポーツ(323万円)、ロンジチュード(351万円)、そしてリミテッド(419万円)の3グレード構成で、エンジンはすべて直列4気筒2359ccマルチエアとなり、スペックも最高出力175ps、最大トルク229Nmと共通だ。ただし前者2グレードはFFで、トランスミッションはアイシン製の6速AT、後者はAWDでZF製の9速ATと組み合わされる。全車レギュラーガソリン仕様となっているのは大きなセールスポイントだ。

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今回試乗したのはFFのロンジチュードと、最上級グレードであるリミテッドである。まず最初に感じたのは、ずいぶんと立派な見た目になったなぁということ。今回は、まず成田空港近くのホテルで発表会が行われ、終了後にそのまま試乗に繰り出すという形式だった。そのホテル内の会場に3台のコンパスが展示されていたのだが、なんとなく漠然と「チェロキーやグランドチェロキーといった兄貴分が並べられて、そのなかの一台がコンパスなのだろう」と認識しつつ席に着き、よ~く会場を見渡して初めて3台ともコンパスだったことに気づいたのだった。自分がボケッとしていただけかもしれないが、それだけコンパスが上級モデルに匹敵するイイモノ感を発散していた、と言えなくもないだろう。

試乗コースは成田空港にほど近いホテルと、高速道路を含めて20分ほど走った先にあるキャンプ場を往復するというもので、限界域でのダイナミクス性能や悪路走破性能などを試すようなものではない。いわゆる典型的な「日本の郊外」を淡々と走るだけで、このくらいの道であればもうコンパスは快適そのものだ。低回転域から十分なトルクを発生するエンジンはドライバビリティに不満はないし、9速ATにしろ6速ATにしろ変速マナーはすばらしくというほかない。ちなみに日本の法定速度内で走る限り、9速ATは8速までしか入らなかった。いずれにせよ、SUVというよりサルーンとしても十分に使える実力である。

まぁ、今回は試乗よりも「お披露目」することに重きが置かれ、同時にコンパスの感触も確かめてね、屋外で写真も撮ってね、という主旨だろうから、ムキになって攻めたり、アラを探したりする必要もなかろう。ただ、中継地であるキャンプ場で写真を撮っているとき、見つけてしまったのである。奥の方に竹林が広がっているのを……。酷道険道フリークとしては、覗いてみないわけにはいかない。で、推奨コースを外れて足を踏み入れてみたのである。

果たして竹林の道はとっても狭かった。すれ違いはほぼ不可能。でも一方通行ではないから対向車が来る。どうするか? どっちかが後退して広いところまで戻るしかない。コンパクトSUVとはいえ全幅1810mmと、日本の田舎道を走るにはそこそこ大柄と言わざるをえないコンパスだが、感心したのは車両感覚の掴みやすさだ。率先して後退する役をかってでて、スイスイと路肩に身を寄せて対向車からお礼のホーン、というパターンに躊躇なく持ち込める。

竹林を過ぎると知らぬ間に水田の間の細い道になってしまったが、そこでも同様だ。ガードレールなどもちろんなく、足を踏み外せば田んぼの中という状況ながら、四本のタイヤがどこにあるかが手に取るようにわかるから不安がない。

思い出した。これがジープなのだ。

かつてジープ・チェロキーでアフリカ4ヵ国を走破したときに感じた安堵の源はこれだった。ジープの真髄に触れるのに、なにも本格的な悪路は必要ない。もちろんそういったサバイバルな状況でこそ本領を発揮するのは間違いないが、そのベースとなっているのは、運転を阻害する要素がことごとく排除されている点にある。それはなんの変哲もない竹林でも、アナタの自宅の前の入り組んだ路地でも体感できるのだ。



ジープ・コンパス リミテッド
全長×全幅×全高:4400×1810×1640mm ホイールベース:2635mm 車両重量:1600kg エンジン形式:直列4気筒DOHC 総排気量:2359cc 最高出力:129kW(175ps)/6400rpm 最大トルク:229Nm/3900rpm トランスミッション:9速AT 駆動方式:F・AWD(フロントエンジ・オールホイールドライブ) タイヤサイズ:225/55R18 車両価格:419万円

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