現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【あの限定車は凄かった(10)】三菱コルト ラリーアート バージョンR スペシャル(限定台数:300台[1回目]/2008年4月発表・5月発売/販売価格232万500円<当時>)

ここから本文です

【あの限定車は凄かった(10)】三菱コルト ラリーアート バージョンR スペシャル(限定台数:300台[1回目]/2008年4月発表・5月発売/販売価格232万500円<当時>)

掲載 更新
【あの限定車は凄かった(10)】三菱コルト ラリーアート バージョンR スペシャル(限定台数:300台[1回目]/2008年4月発表・5月発売/販売価格232万500円<当時>)

2000年代も半ばに入ると、少量限定生産の過激なクルマは徐々に姿を消していく。その代わりメーカーのサブ・ブランド的な役割を与えられたコンプリートカーが量産ラインを流れるカタログモデルとなることが増えてきた。絶対的な動力性能よりも環境性能が声高に叫ばれる時代となったことも、影響しているだろう。だが、そんな時代にあっても、量産車の限界に挑んだクルマがあった…。

ベースモデルのバージョンRでも他社のコンプリートカーに匹敵するレベル
このコルトのベースになったバージョンRは限定車ではない。とは言え、WRC規定の変更が取りざたされていた折に、ランエボに代わる次期WRC参戦マシンとして開発が進んでいたクルマをベースに誕生した、知る人ぞ知るマニアックなクルマではある。まずはこのベース車であるバージョンRについて振り返ってみよう。

現存する2台のうちの1台、あのマクラーレンF1がオークションに! 落札価格は?

バージョンRのデビューは、2006年5月のこと(発売は同年9月)。従来型のラリーアートバージョンの発展型として、よりスポーツドライビングに特化した仕様として誕生した。

どこがマニアックかと言えば、まずはそのエンジンだ。当時、すでに珍しくなっていた1.5Lのターボエンジンを搭載していた。もちろん、いま流行のダウンサイジングターボではなく、バリバリの武闘派。最高出力154psは当時のクラス最強、しかも組み合わされたのはゲトラグ製5速MTとザックス製クラッチだった(CVT車の設定もあった)。

エクステリアも、大きく口を開けたグリルが印象的なフロントバンパーと冷却効率を高める開口部を設けたボンネットフードなど、ランエボもかくやと思われる迫力。リアバンパー下部もディフューザー形状を採用し、機能とローフォルムを両立した。仕上げは、マットブラックの前後オーバーフェンダー。そこに収まるのは245/45R16のアドバンネオバだった。

インテリアに目を移せば、240km/hフルスケールのホワイトメーター。ペダル類もランエボと同じアルミ製だ。さらにオプションとして、レカロ製フルバケットシートまで用意されている。ちなみに、リアシートのホールド向上のため、乗車定員は4名に減らされていた。

その白眉は、随所に施されたボディのスポット増しだ。ラリーアートの約1.5倍ものスポット溶接ポイントの増し打ちに加え、Dピラーには補強用のガゼットも加えられた。その結果、ボディの捻り剛性はバージョン~比で約30%も向上している。欧州仕様のターボ車を参考にチューニングされた足回りの動きを存分に生かす。

現在の三菱のイメージとは異なるかも知れないが、当時はこれだけマニアックなクルマを量産ラインで生産していたことに、いまさらながら驚かされる。

量産ラインで御法度の連続シーム溶接を採用したバージョンR“スペシャル”
ベースモデルの段階で、すでにコンプリートカー感が濃厚だが、これに輪をかけたこだわりの限定車が「バージョンR“スペシャル”」である。発売されたのは2008年5月(発表は4月)と10年2月(同1月)。打限定台数は前車が300台、後車が200台だ。

では、どこが〝スペシャル〟なのか。最大の特徴は、さらなるボディ剛性の向上にある。「連続シーム溶接」と呼ばれる加工が施されているのだ。従来のスポット溶接に加え、4つのドア開口部にあるボディパネル貼り合わせ部分の全周を熟練工が回転電極を用いて手作業で間断なく溶接していく。溶接面積が格段に増えてボディの曲げ剛性が約10%も向上した。さすがにここまでやると量産は効かず、台数限定車となった。

さらに好評だったメーカーオプションのレカロシートや、ラリーアート製のスポーツマフラーも標準装備していた。すでに07年11月のマイナーチェンジで、最高出力は154psから一気に164psに向上しており、クラス最強の座をほしいままにしていたコルト ラリーアート バージョンRとその限定車。今となっては、ややクラシカルなところもあるが、見つけたらぜひ試して欲しい一台だ。

あの限定車は凄かったのバックナンバー

コルト ラリーアート バージョンR “スペシャル”主要諸元
●ボディサイズ:全長3925×全幅1695×全高1535mm
●車両重量:1110kg 
●乗車定員:4名 
●エンジン型式・形式:4G15 MIVEC TURBO・直4DOHCターボ 
●エンジン総排気量:1468cc
●エンジン最高出力:163ps/6000rpm 
●エンジン最大トルク:21.4kgm/3500rpm 
●駆動方式:FF
●サスペンション形式:前ストラット・後トーションビーム 
●ブレーキ形式:前Vディスク・後ディスク 
●タイヤサイズ: 205/45R16

[ アルバム : コルト ラリーアート バージョンR “スペシャル” はオリジナルサイトでご覧ください ]

関連タグ

こんな記事も読まれています

久々の優勝もマクラーレンはまだまだ慎重。ステラ代表「レッドブルと互角に戦うためには、もう1回アップデートが必要」
久々の優勝もマクラーレンはまだまだ慎重。ステラ代表「レッドブルと互角に戦うためには、もう1回アップデートが必要」
motorsport.com 日本版
[音のプロが推す“超納得”スタートプラン]まずはスピーカーを換え、可能なら最新ナビorアンプDSPを追加!
[音のプロが推す“超納得”スタートプラン]まずはスピーカーを換え、可能なら最新ナビorアンプDSPを追加!
レスポンス
初見殺しの難所「海老名JCT」どう攻略!? 東名・圏央道・小田原厚木道路の「謎分岐」に翻弄される人々 鬼門の「厚木IC」とは
初見殺しの難所「海老名JCT」どう攻略!? 東名・圏央道・小田原厚木道路の「謎分岐」に翻弄される人々 鬼門の「厚木IC」とは
くるまのニュース
目指せ100色! 電動モビリティブランドWOが「wonkey」のニューカラーとハイパワーモデルを発売
目指せ100色! 電動モビリティブランドWOが「wonkey」のニューカラーとハイパワーモデルを発売
バイクのニュース
マクラーレン アルトゥーラ/アルトゥーラ スパイダー【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
マクラーレン アルトゥーラ/アルトゥーラ スパイダー【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
【SCOOP!!】ヤマハWRが200ccの水冷DOHCで復活?! 本格オフのWR200Rとモタード版WR200Xを大胆予測!!
【SCOOP!!】ヤマハWRが200ccの水冷DOHCで復活?! 本格オフのWR200Rとモタード版WR200Xを大胆予測!!
WEBヤングマシン
トヨタ新型「エスティマ」!? 斬新「タマゴ型」×スポーティデザインが超カッコイイ! 「超静音モデル」化予想のCGが公開
トヨタ新型「エスティマ」!? 斬新「タマゴ型」×スポーティデザインが超カッコイイ! 「超静音モデル」化予想のCGが公開
くるまのニュース
カワサキ「Ninja 650」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
カワサキ「Ninja 650」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
メインスペースは大きなボックスシート! フルフラットへの切り替えも簡単なトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
メインスペースは大きなボックスシート! フルフラットへの切り替えも簡単なトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
国産車にない[大胆デザイン]で登場!! ヒョンデの実力がスゴイぞ! これからのクルマに必要な事って?
国産車にない[大胆デザイン]で登場!! ヒョンデの実力がスゴイぞ! これからのクルマに必要な事って?
ベストカーWeb
GRヤリスがついに240万円に!? [本当の]GRヤリス購入に注意したいコト
GRヤリスがついに240万円に!? [本当の]GRヤリス購入に注意したいコト
ベストカーWeb
プライベーターのポルシェが首位躍進。トヨタ2台はペナルティで相次ぎ後退【WEC第3戦スパ/前半レポート】
プライベーターのポルシェが首位躍進。トヨタ2台はペナルティで相次ぎ後退【WEC第3戦スパ/前半レポート】
AUTOSPORT web
【途中経過】2024年WEC第3戦スパ・フランコルシャン 決勝3時間後
【途中経過】2024年WEC第3戦スパ・フランコルシャン 決勝3時間後
AUTOSPORT web
[新常識]走行距離の短すぎはキケン!? マジでオススメの意外すぎる[良品車]って?
[新常識]走行距離の短すぎはキケン!? マジでオススメの意外すぎる[良品車]って?
ベストカーWeb
マルティンが独走でポール・トゥ・ウイン。バニャイアはスプリントで2連続リタイア/第5戦フランスGP
マルティンが独走でポール・トゥ・ウイン。バニャイアはスプリントで2連続リタイア/第5戦フランスGP
AUTOSPORT web
後席ドアを開けたら後ろから来た自転車とドカン! 「後席にもミラーがあれば」と思ったらAmazonで売ってた!
後席ドアを開けたら後ろから来た自転車とドカン! 「後席にもミラーがあれば」と思ったらAmazonで売ってた!
ベストカーWeb
ボルボEX30 詳細データテスト 高い動力とほどほどの操縦性 物足りない乗り心地 厄介な監視機能
ボルボEX30 詳細データテスト 高い動力とほどほどの操縦性 物足りない乗り心地 厄介な監視機能
AUTOCAR JAPAN
中古車を狙っている人必見!! 約10時間&450kmの東京-静岡往復でわかった初代アウトランダーPHEVの実力
中古車を狙っている人必見!! 約10時間&450kmの東京-静岡往復でわかった初代アウトランダーPHEVの実力
ベストカーWeb

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

99.8161.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

6.9338.0万円

中古車を検索
コルトの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

99.8161.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

6.9338.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村