2006年6月にプントの事実上の後継車として登場したグランデプント(イタリアなどではプントも併売されたので、大きなプントと呼ばれた)。そして10月には、5ドア+2ペダルMTのデュアロジックが追加されている。グランデプントの真打ちと言われたこのモデルはどんな走りを見せたのか。試乗の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2007年1月号より)
シンプルかつスポーティ、見事なまとまりを見せる5ドア
2006年6月に日本上陸を果たしたグランデプントは、当初、3ドアの1.4 16Vスポーツのみだった。95psのDOHC 16Vエンジン+6速MT+17インチタイヤの「スポーツ」はその名の通り元気が良かったが、「真打ち」は今秋追加される5ドアの1.4デュアロジックだった。その待望のデュアロジックが4グレードを以て販売が開始された。
【くるま問答】最近のクルマにテンパータイヤはない。パンク修理キットをどう使う? 最高速は?
装備の違いでラインアップは標準モデル/メガ/ギガ/テラからなり、注目の価格は179/192/209/224万円となっている。1.4LのSOHC 8Vエンジンは77psで、これにパンダでおなじみのロボタイズドトランスミッションのデュアロジックが組み合わされる。
試乗に駆り出したのは最上級の「テラ」。メガ以上に標準のデュアルゾーン式フルオートエアコン、ギガ以上に標準のエレガントレザーシートやレザー仕上げのステアリング&シフトノブなどに加え、電動サンルーフのスカイドーム、フロントフォグランプ、レインセンサー、パーキングセンサー、15インチアロイホイールを備えた豪華バージョンだ。ここまでのフル装備となると224万円という価格にも納得させられる。
ジウジアーロとフィアット・チェントロスティーレの手になる5ドアボディは見事なまでのまとまりの良さを見せている。シンプルでありながらもスポーティさを忘れていないノーズ周り、Aピラー付け根まで切れ込んだウインドウグラフィックでウェッジを強調したサイドビュー、そしてハイテールランプとすることでプントたることを印象付けるテール周りと、Bセグメントにここまでデザインを取り込んでいるのは見事としか言いようがない。イタリア車ならではのカッコ良さがグランデプントには満ちている。
「スポーツ」に比べるとリラックスできるシートに収まる。正面のブラック基調のメーター、センターコンソールのデュアル式空調スイッチ、そして2ペダルのデュアロジックのシフトが「スポーツ」との大きな違いだ。シフトパターンはパンダ同様、左に倒せばギアが入り、さらに左へ倒せばMTとATの切り替が可能というもの。シフトは手前がダウン、奥がアップの5速シーケンシャルタイプだ。ATモード時にダッシュボード上のECOスイッチを押せば、早めのシフトアップによって経済走行が可能なのもパンダと同じである。電動パワステにシティモードが組み込まれているのは先代譲り。スイッチONでステアリング操作が軽くなり、パーキング時のステアリングの切り返しが楽になる。
走り出すとシフトスケジュールがスムーズなことに驚かされる。これはMTでもATでも同様で、パンダのようにつながる瞬間にアクセルを戻す必要がほとんどないのだ。パンダの228Fから328Fへと進化したデュアロジックのシステムに加え、エンジンキャパシティのアップに伴うトルク増や低めにセッされたギア比が功を奏しているに違いない。パンダとの大きな違いはATモード時のシフトアップが遅いこと。ギアをホールドする時間が長くパンダよりスポーティな設定になっている。早めのシフトを望む際はECOスイッチをONにすればいい。そう、その差が明確になったのである。
エンジンそのものは2000rpm辺りから十分なトルクを引き出す実用型で、高回転まで引っ張らずとも十分事足りるもの。高圧縮としているため実用域でのレスポンスはとってもいい。乗り心地は15インチのエコ系タイヤを履くため、スポーツのような硬さはなく、しっとりと落ち着いている。このしっとり感はコーナリングでも持続していて、足が突っ張ることなく粘るように安心してクリアできる。そう、すべてが実用に徹しているのだ。
グランデプントのデュアロジックの選択は悩ましい。標準モデルには素の良さがあるし、「メガ」でも装備的には十分な気がする。「ギガ」のレザー仕立ても魅力的だし、その上をいく「テラ」の豪華装備も捨てがたい。「真打ち」は待っていた甲斐ありだった。(文:河原良雄/Motor Magazine 2007年1月号より)
フィアット グランデプント 1.4デュアロジック テラ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4050×1685×1495mm
●ホイールベース:2510mm
●車両重量:1170kg
●エンジン:直4SOHC
●排気量:1368cc
●最高出力:77ps/6000rpm
●最大トルク:115Nm/3000rpm
●トランスミッション:5速AMT
●駆動方式:FF
●車両価格:224万円(2006年)
[ アルバム : フィアット グランデプント 1.4デュアロジック テラ はオリジナルサイトでご覧ください ]
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
メリットなかった!? トヨタもホンダも「アイドリングストップ機能」廃止へ! 「使いにくい」の声も! どんな反響があった?
「え…あたしのクルマが勝手に改造されてる…」!? 母のクルマの「変わりすぎた姿」に反響多数! 衝撃の「変貌」に集まった声とは
全長2.2m級で3人乗れる! 59万円からの「小型マシン」に反響あり! 普通免許&ノーヘルでも乗れる新型「トライク」どんなモデル?
「ヘッドライトが眩しいクルマ」なぜ増えた? 信号待ちで「ライト消さない人」が多数派になった理由とは? ヘッドライトの“新常識”ってどんなもの?
日産が「新型セレナ」をまもなく発売! 超スゴい「高性能4WD」&地上高アップの「イーフォース」追加! 待望の「性能向上モデル」に販売店でも反響あり
「ヘッドライトが眩しいクルマ」なぜ増えた? 信号待ちで「ライト消さない人」が多数派になった理由とは? ヘッドライトの“新常識”ってどんなもの?
「左足ブレーキ」の是非を問う!…AT車普及率98%の日本なら、なおさら「踏み間違い」による事故を減らすことができます【Key’s note】
電気自動車に積む「リチウムイオン電池」には2種類がある! レアメタル不足問題を解決する「LFP」ってどんなバッテリー?
メリットなかった!? トヨタもホンダも「アイドリングストップ機能」廃止へ! 「使いにくい」の声も! どんな反響があった?
ターボ=正義ではないのよ! ロードスターにターボがない[納得]のワケ
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
その前はグランデプントでした。
超マイナーで全く話題に上らない車なので
記事になってることが純粋に嬉しいです。
私は2008年から約10年グランデプントを所有していました。
まさしく写真の赤色でグレードはテラでしたね。
坂道では気合を入れないと満足に登らなかったり、
めったに他の方のグランデプントに遭遇することがなかったり、(それが狙い)
この記事のカテゴリー「ヒットの法則」にかなりの違和感が・・・
しかし、あのデザインは私にとって最高でしたね。
しかも、想像していたほど壊れませんでした。
今は海外赴任中ということもあり車を所有していませんが
日本に帰国したら今世間ではマイナーなセダンにしようと興味深々です。