コロナ禍の販売ランキング、安定首位はN-BOXだが、猛追するトヨタ勢が驚くべき状況に

対前年の販売を超えてきたカローラやハリアー

日本自動車販売協会連合会（自販連）より、通称名別の登録車販売ランキング（2020年7月）が発表されています。withコロナということで新車販売には逆風ですが、トップ5の数字を見ると、かなり勢いを戻してきた印象を受けるものとなっています。

2020年7月 登録車通称名別販売ランキング
1位　トヨタ　ヤリス　1万4004台
2位　トヨタ　ライズ　1万2283台
3位　トヨタ　カローラ　1万0994台
4位　トヨタ　ハリアー　9388台
5位　ホンダ　フィット　9213台

ヤリスやライズは新型車なので前年比の数字はありませんが、カローラ以降の前年同月比を見ると、カローラが124.2％、ハリアーが273.3％、フィットが106.3％とコロナ以前の数字を超えてきています。ちなみに6位のアルファードは8,448台で前年比135.6％。withコロナ時代はソーシャルディスタンスを守れるモビリティとして自家用車ニーズが高まるという声もありますが、たしかにクルマを求めるマインドは強まっている印象を受けます。

軽自動車を含めた総合でも首位に迫るヤリス、ライズ＆ロッキー

軽自動車のトップは定位置といえるホンダN-BOXで、7月の販売台数は1万6222台で前年比67.5％と相変わらず好調。一方、軽自動車のトップ3が登録車と軽自動車を合わせた総合ランキングでもトップ3という状況だったのが、今回は登録車のヤリスが2位に入りました（軽自動車の2位は1万3338台のスズキ スペーシア）。N-BOXとの差はまだ大きいものがありますが、ヤリスの勢いは総合トップを狙うに十分なものといえます。

さらに、そのヤリスを差し置いて“隠れ総合2位”といえるのがライズ。姉妹車であるダイハツ ロッキーが2595台なので、合計すると1万4878台でヤリスを抜いているのでした。

秋以降ヤリスの総合1位はほぼ確実。トヨタが一人勝ち状態

もっとも、ヤリスについてはこの秋にヤリスクロスという同じ通称名のSUVが登場します。カローラもそうですが、自販連の通称名別ランキングでは、そういう場合は合算されますので、このままの勢いであれば、ヤリスが総合トップに就くのは間違いないといえそうです。

それにしても、こうしてみると登録車はトヨタの一人勝ち状態で、ホンダがなんとかついていっているという状況。日産は人気モデルのノートが前年比60.9％、セレナが同87.4％と厳しい数字となっています。トヨタの中でもプリウス（前年比35.4％）やシエンタ（同49.8％）とコロナ禍の影響をもろに受けているモデルもありますが、全般的に落ち込んでいる他社に比べると、その勢いには驚かされます。

とくにハリアーはデビューが完全にコロナ禍にぶつかったにも関わらず好スタートを切りました。商品に個性や魅力があればwithコロナの時代であっても十分に売れるという事実は、自動車業界全体にとっても一筋の光明になるのではないでしょうか。

文：山本晋也（自動車コミュニケータ・コラムニスト）

Comments

高額車も売れるトヨタに対し、フィットと軽自動車しか売れないホンダ…。

ホンダは何故自社の車は小型車しか売れないのか良く考えたほうがいい