現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 「FIAは規制強化すると思っていた」フェラーリ、今季話題フレキシブルウイングに”乗り遅れた”ワケ

ここから本文です

「FIAは規制強化すると思っていた」フェラーリ、今季話題フレキシブルウイングに”乗り遅れた”ワケ

掲載 1
「FIAは規制強化すると思っていた」フェラーリ、今季話題フレキシブルウイングに”乗り遅れた”ワケ

 フェラーリのフレデリック・バスール代表は、フレキシブルウイングへの規制が強まると考えていたため開発を進めておらす、そのせいで出遅れてしまったことを認めた。

 現行世代のF1マシンのパフォーマンスを高めるためには、フロントウイングの空力的な弾性を利用……つまりフレキシブルウイングを活用することで、低速時のアンダーステアと高速時のオーバーステアを避ける上で、強力なツールとなる。

■角田裕毅、苦しんだF1参戦初年度は「ガスリーのレベルでは戦えなかった」と吐露。支えになった元僚友は“ご近所さん”に

 2024年のシーズン中に急成長を見せたマクラーレンやメルセデスも、このフレキシブルウイングを上手く活用していると見られており、度々議論の的となった。

 フェラーリはシンガポールGP以降、この分野の改善を目指して新しいフレキシブルフロントウイングを採用し、メキシコやアメリカで勝利するなど良好なパフォーマンスを見せた。バスール代表は、FIAによる規制が強まると確信していたために、この分野を追求するのが遅くなってしまったと説明する。

 FIAはフレキシブルウイングに注目が集まったことで、ウイングの変形を監視するカメラを各車に設置した。フェラーリはこれにより規制が強化されると考えていたものの、FIAはフロントウイングのフレキシブル性について、各チームが行なっていることは合法だと判断した。

「フラストレーションは感じるね。というのも、(ベルギーGP以降に)カメラ設置を決めた時に、FIAの決定を待っていたからだ」

 バスール代表はフレキシブルウイングの状況について、motorsport.comにそう語った。

「我々は(フレキシブルウイングを使い続けることは)『駄目だろう』と確信していたんだ。そして実際には(使い続けて)『ヨシ!』となってしまった! だから我々はおそらく、1~2ヵ月をロスしてしまったんだ」

 加えてバスール代表は、フレキシブルウイングをより活用する設計を保留にした決断は、今のF1には予算上限が設定されているため、使われないという可能性がある状態では、プランを進める余裕がないという点にも影響されたと説明した。

「予算上限が存在するため、選択をしなければいけないんだ。だから難しい」

「つまり許可されないだろうと自信を持っているモノの開発をスタートさせた場合、風洞での時間も無駄にすることになる。それが我々の判断だった」

 カメラを搭載してまでチェックを行なったFIAだが、シングルシーター部門の責任者であるニコラス・トンバジスは最近、チームのアプローチは多様であるため、短期的にフレキシブルウイングに対する規則を変更することは、不公平だという結論に達したと語っている。

「フロントウイングは様々な形で負荷がかかってくるため、我々もレギュレーションでは簡単に予測することはできない」

「2つとしてまったく同じ荷重パターンをもつことはないため、適切なテストを行なうこともかなり難しい」

「そしてこうしたルールは2022年からあるため、我々が2025年に向けてそれを変更する、もしくは2024年中に変更すると突然言い出すのは、少し反射的なのではと感じていた」

「とはいえ、2026年に向けてより効果的なものにするために、集められた情報を活用している」

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

F1メカ解説|8種類のリヤウイングと14種類のビームウイングを投入したマクラーレン……2025年ダブルタイトルを目指し「デザイン上のリスク」を冒す
F1メカ解説|8種類のリヤウイングと14種類のビームウイングを投入したマクラーレン……2025年ダブルタイトルを目指し「デザイン上のリスク」を冒す
motorsport.com 日本版
F1タイヤの34%が未使用で”ムダ”に。ピレリのデータから浮き彫りになる対策の必要性
F1タイヤの34%が未使用で”ムダ”に。ピレリのデータから浮き彫りになる対策の必要性
motorsport.com 日本版
アプリリアよ、シーズン中の新旧バイク変更はもう勘弁な! フェルナンデス心の叫び
アプリリアよ、シーズン中の新旧バイク変更はもう勘弁な! フェルナンデス心の叫び
motorsport.com 日本版
F1のドライバー冷却キットはどんなモノ? 単純そうに見えるけど「複雑な挑戦だった」
F1のドライバー冷却キットはどんなモノ? 単純そうに見えるけど「複雑な挑戦だった」
motorsport.com 日本版
アルピーヌ、パワーユニット開発中止だけでなく車両開発スタッフも200人リストラ……しかしその効果は絶大? オークス代表「スリム化は正しいと証明できた」
アルピーヌ、パワーユニット開発中止だけでなく車両開発スタッフも200人リストラ……しかしその効果は絶大? オークス代表「スリム化は正しいと証明できた」
motorsport.com 日本版
FIA F2、将来的なハイブリッドエンジン搭載は検討せず。来季からは100%持続可能燃料に切り替え予定
FIA F2、将来的なハイブリッドエンジン搭載は検討せず。来季からは100%持続可能燃料に切り替え予定
motorsport.com 日本版
RBメキーズ代表、リカルドの”復活失敗”は「チームの責任も大きい」開発への貢献を改めて賞賛
RBメキーズ代表、リカルドの”復活失敗”は「チームの責任も大きい」開発への貢献を改めて賞賛
motorsport.com 日本版
マクラーレンに翼授ける? レッドブルから獲得したマーシャルの働きにチーム感銘「欠けてたのはこういう人!」
マクラーレンに翼授ける? レッドブルから獲得したマーシャルの働きにチーム感銘「欠けてたのはこういう人!」
motorsport.com 日本版
アブダビでのタイヤテスト結果に満足のピレリ責任者。2025年型タイヤは「動作範囲が少し広くなっている」
アブダビでのタイヤテスト結果に満足のピレリ責任者。2025年型タイヤは「動作範囲が少し広くなっている」
AUTOSPORT web
シトロエンC3の低価格プラットフォーム、C4など上位車種にも導入 販売に弾み
シトロエンC3の低価格プラットフォーム、C4など上位車種にも導入 販売に弾み
AUTOCAR JAPAN
超高額なF1ドライバーへの罰金。最高設定額は1億円超……しかし実際には1000万円弱が相場? 近年の罰金事例を振り返る
超高額なF1ドライバーへの罰金。最高設定額は1億円超……しかし実際には1000万円弱が相場? 近年の罰金事例を振り返る
motorsport.com 日本版
【MotoGP】ミル「優遇措置は短期的な助けになっていなかった」ホンダ、2025年こそ制度活かして復活できる?
【MotoGP】ミル「優遇措置は短期的な助けになっていなかった」ホンダ、2025年こそ制度活かして復活できる?
motorsport.com 日本版
【MotoGP】アプリリア離脱のビニャーレス、実は2024年型バイクに不満だった「2023年と同じようなバイクにしてほしかった」
【MotoGP】アプリリア離脱のビニャーレス、実は2024年型バイクに不満だった「2023年と同じようなバイクにしてほしかった」
motorsport.com 日本版
蓋を開けたらポイントも計画も開発も無い……アウディF1新主任が見た“凍結”チーム。2026年全集中で灯台下暗し状態に
蓋を開けたらポイントも計画も開発も無い……アウディF1新主任が見た“凍結”チーム。2026年全集中で灯台下暗し状態に
motorsport.com 日本版
レッドブルの苦戦鮮明だった2024年、それでもフェルスタッペンは「一度もパニックにならなかった」とチーム称賛
レッドブルの苦戦鮮明だった2024年、それでもフェルスタッペンは「一度もパニックにならなかった」とチーム称賛
motorsport.com 日本版
4度のGT500王者はこれだけやってる! 長年の蜜月ミシュランが知るロニー・クインタレッリの超ストイックエピソード
4度のGT500王者はこれだけやってる! 長年の蜜月ミシュランが知るロニー・クインタレッリの超ストイックエピソード
motorsport.com 日本版
ポルシェ911 GT3 RSはどのようにして「1トン」のダウンフォースを生むのか 究極のマンタイキット
ポルシェ911 GT3 RSはどのようにして「1トン」のダウンフォースを生むのか 究極のマンタイキット
AUTOCAR JAPAN
ダカール挑戦のダチア、前哨戦モロッコでワンツーフィニッシュも「参戦してすぐに勝てるという前提はない」
ダカール挑戦のダチア、前哨戦モロッコでワンツーフィニッシュも「参戦してすぐに勝てるという前提はない」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

1件
  • wat********
    高速になるに従い 抵抗が増すウィングには、その力を逃がす事で 破損を防ぐ
    そのための 歪みや撓みはいいが、Y250とフラップの擦れは 規制出来るはずだ
    しかし既に 複数のチームが利用していたので、今のところ 不問
    少なくとも メルセデスとマクラーレンが、行っている時点で 即対応すべきだった
    イモラへの アプデで投入出来ていれば、今頃ノリスより マックスに近かっただろう
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村