将来を物語るクルマたち
text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
【画像】まもなく登場する新モデル【メガーヌEテックやEQEを写真で見る】 全70枚
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
9月にドイツ・ミュンヘンで初めて開催される「IAA MOBILITY」は、これまでの国際モーターショーに代わる本格的な自動車イベントであり、重要な新モデルがいくつも初公開されることになっている。
中でもメルセデス・ベンツが5つの注目モデルを発表し、ショーを席巻することが予想されるが、その他の欧州メーカーも多数参加する。ここでは、最も重要なモデルを紹介する。
アウディ・グランド・スフィア・コンセプト
グランド・スフィアは、現在の高級セダンA8の後継となる、完全電動かつ高度な自動運転機能を備えたコンセプトモデルだ。
アウディのプロジェクト・アルテミス部門が開発したこのモデルは、今後発表される3つの「スフィア」シリーズの1台目であり、レベル4の自動運転機能を備えたフラッグシップモデルを予告するものである。
ダチアの7人乗りモデル
ルノー・グループ傘下のダチアは、2025年に登場する大型SUVビッグスターとは別で、「多目的に使える7人乗りのファミリーカー」をミュンヘンで発表する予定だ。
このモデルは、ミニバンのロッジーの後継モデルになると考えられており、親会社であるルノーのCMF-Bプラットフォームを採用する可能性が高い。このプラットフォームにより、ハイブリッドモデルを導入できるようになる。
メルセデス・ベンツEQE
EQEは、2022年の発売を予定している。EQSのようなシルエットとEクラスの実用性、そしてテスラ・モデルSのライバルとして相応の価格を実現している。
ラグジュアリー志向のフラッグシップであるEQSと同じEVAプラットフォームをベースに、フラットフロアとショートオーバーハングにより、従来のEクラスよりも広い室内空間を確保する。
また、ダッシュボードの幅いっぱいに広がる新しいハイパースクリーン・インフォテインメント・ディスプレイも採用される予定だ。
2022年には現在のGLEと同様の位置づけで、EQEの名を冠したSUVが登場する。
メルセデスAMG EQG
メルセデスのEQシリーズは、同社で最も長い歴史を持つモデルにまで拡大される。2024年、Gクラスに完全EVモデルが導入される予定だ。
この「EQG」は、ミュンヘンではコンセプトカーとして発表される見込みだが、現在販売されている内燃機関モデルと見た目が大きく変わることはないと思われる。
オフロード性能の向上、燃料費の大幅な削減、オンロードでの快適性の向上などにより、電動化に懐疑的なファンを振り向かせようとするだろう。
メルセデスAMG EQS
AMGは、EQSをベースに、V12エンジンを搭載したS 65の精神的後継モデルとして、標準の523ps、87kg-mから大幅に出力を向上させた初のEVを開発する。
専用グリル、ホイールアーチ、大径ホイールに加え、ローダウン・サスペンションや強化ブレーキなど、スポーツ性を持たせている。
はじめに導入されるのは、最上位の63モデルではなく、現行の53モデルと同等のパフォーマンスを持つことが期待されている。ポルシェ・タイカンに対抗するのに十分なパフォーマンスを実現するはずだ。
メルセデス・マイバッハEQS SUV
EQS SUVは、マイバッハの最上位モデルとして、おそらくミュンヘンでコンセプトモデルが初公開されることになるだろう。マイバッハとメルセデス・ベンツがどのように差別化されていくかを示すヒントとなるはずだ。
EQSセダンと同様のスタイリングを内外装に採用し、マイバッハ独自のプレミアム志向の素材やスタイリング要素を重視したものになることが予想される。
ルノー・メガーヌEテック
2022年の発売を予定しているルノー初の電動SUV、メガーヌEテックは218psの出力を持ち、450km(WLTPサイクル)という航続距離を誇る。
プラットフォームには、日産アリアと同じCMF-EVを採用している。つまり、前輪駆動モデルだけでなく、パワーとバッテリーを増強した4輪駆動のパフォーマンスモデルが投入される可能性があるということだ。
スマート初のSUV
都市型EVメーカーのスマートは、LEVC、ロータス、ボルボ、ポールスターなどを傘下に置く中国の大手自動車メーカー、ジーリーとメルセデスとの共同出資により、モーターショーに初登場する。
「HX11」というコードネームで呼ばれるこのコンセプトカーは、2022年に発売予定のスマート初のSUVモデルを予告するモデルである。
プレビュー画像では、プレミアム志向の5人乗りクロスオーバーとしてまったく新しいデザインを採用することが示唆されている。
また、中国からリークされた技術データによると、272psの電気モーター(リアに搭載)と70kWhのバッテリーを搭載し、NEDCでの航続距離は500kmになるとのことだ。
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