ブリヂストンは2019年12月18日、タイヤの内面に貼り付けた「ひずみセンサー」により、走行中にタイヤが路面と接触したときに発生するひずみを計測することで、タイヤの荷重と摩耗状態を推定する技術を開発したことを発表した。
技術概要
今回開発したセンサーSmart Strain Sensor(スマート・ストレインセンサー)は、最新のIoT技術から生まれたもので、世界中の多くの車両に搭載されている一般的なTPMS(タイヤ空気圧モニター)センサーの機能であるタイヤの空気圧や温度を把握するだけでなく、タイヤが路面に接触している部分のタイヤのひずみを測定する。
そのひずみデータを独自のアルゴリズムによって荷重、摩耗の情報へ変換し、収集することができるというシステムとなっている。
従来のタイヤセンシング技術「CAIS」は加速度を計測する手法であったが、今回の「スマート・ストレインセンサー」は、速度に依存しないタイヤのひずみを計測するため、極低速度域でも信頼性の高いデータを収集することができ、独自のアルゴリズムによってセンサー内蔵の電力寿命の大幅な改善を実現している。
スマート・ストレインセンサーの仕組み
タイヤが路面と接する区間では、上図の右側の波形(縦軸にひずみ、横軸に時間)が得られる。この波形データは、タイヤにかかる荷重や摩耗の状態によって異なるため、従来より培われたタイヤ技術の知見とAIを活用した独自の解析手法により、タイヤの摩耗状況やタイヤにかかっている荷重を推定することができる。
これにより、タイヤの溝が浅くなっている、などのタイヤに関する様々な情報をリアルタイムで認知・把握することが可能となる。
また今回開発したセンサーを装着することにより、タイヤの空気圧などの情報とともに、摩耗や荷重の状態をドライバーが認知することができ、また車両管理者が遠隔でリアルタイムにモニタリングすることも可能となる。その結果、適切なタイミングでのタイヤ交換が可能となり、タイヤメンテナンスの軽減や、タイヤトラブルの未然防止が可能となるなど、安全性の向上につながる。さらに将来の自動運転社会における安全な走行制御への活用が期待できる。
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