■ターボモデルや4シーターモデルの計画もあった!?
「デロリアン」の名で知られている「DMC-12」。ステンレス製の、細かな傷のようにも見えるヘアラインがたくさん入ったシルバーのボディが印象的なモデルだ。
これトヨタ製!? 「MR2フェラーリ」爆誕! 二度見するほどの再現度を誇る1台だ!
もともとこのDMC-12は、かつてアメリカにあったデロリアン・モーター・カンパニー(DMC)が、1981年に販売を開始したクルマだ。ゼネラルモータースの副社長を務めていたジョン・デロリアン氏が、自身が理想とするクルマをつくるために1975年に設立したのがDMCで、DMC-12は会社設立から6年経ってはじめて販売されたクルマである。
その構造は、未来的な部分とコンベンショナルな部分が融合したものといっていい。フレームの上にボディを載せるというのは、1981年でもすでに古めと感じられた手法だが、ジウジアーロがデザインした直線を基調としたボディやガルウイングドアは、当時としては近未来的なものだった。
駆動方式はリアエンジン・リアドライブ(RR)で、リアオーバーハングに搭載されたエンジンは、PRV(プジョー・ルノー・ボルボ)製の2.9リッターV型6気筒SOHC12バルブだった。出力はアメリカ仕様で130psと、取り立てて高性能というわけではない。
車重もフレーム構造かつ比重の大きいステンレス製ボディということもあって1244kgもあり、全長4247mm×全幅1988mm×全高1140mmというボディサイズからすると重めである。当然、走りの愉しさという面では、他のGTカーと比べた場合には、見劣りする部分があった。
しかしそのセールスは、順調にスタートした。初年度の販売台数は6000台オーバーを記録。当時の新車価格は2万5000ドルであった。現在の貨幣価値でいうと日本円で700万円オーバーというプライスだったことを考えると、この販売台数は異例の数字といっていいだろう。
ところが、2年目以降は少し高めの車両価格に加え、凡庸といっていい走りの性能から売上は低迷してしまう。さらに、1982年10月には、ジョン・デロリアン氏がコカイン所持容疑で逮捕されてしまい、結果、DMCは資金繰りの悪化から倒産してしまう。DMC-12も1982年12月に生産されたクルマを最後に、トータルで8000台強のデリバリーとなってしまった。
ちなみにジョン・デロリアン氏だが、のちにコカイン所持容疑は濡れ衣であったことが判明し、無罪となっている。実はDMC-12には、ターボチャージャーの搭載や、4シーターモデルの追加といった計画があり、それが実現していたらさらなる規模拡大も予想されていた。
それをよしとしない何者かが、ジョン・デロリアン氏に冤罪を仕掛けたのではないか、ともいわれているが、現在も真相は明らかになっていない。いずれにしてもDMC-12は、DMC社がつくった最初で最後のモデルとなった。
■タイムマシン仕様のベースにするにはもったいないコンディション
DMC-12が脚光を浴びたのは、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー(BTTF)』でタイムマシンとして登場したことがきっかけとなっている。
それまでは販売台数も少なく、「あまり見ないステンレスボディのクルマ」というマニアックな興味を惹くモデルでしかなかったのだが、BTTFによって一気に知名度が高まった。その結果、中古車市場での価値も上昇することになる。
●1981 デロリアン「DMC-12」
さらに、BTTFのイメージもあって、エンジンを降ろしてバッテリーやモーターを積んだEV化のベース車となったり、オリジナルモデルを手に入れたのち、BTTFのタイムマシン仕様へとカスタムをする事例も多く、クルマ好きや映画好きなど、いまでもさまざまな人がDMC-12を探しているようだ。
今回紹介するRMサザビーズのオークションに登場したDMC-12は、1981年に製造されたシャシナンバー5581の1台だ。ミッションは5速MTも用意されていたが、このクルマは3速ATを搭載。走行距離は1万2396マイル(約1万9800km)と少なく、エアコンやパワーウインドウも装備されている。
インテリアはグレーのレザーで張り替えられているため、シックなイメージが強く、ヤレなどはまったく感じられない。付属品として、新車当時の保証書やオーナーズマニュアル、パーツマニュアルなども付属しているという点はポイントが高い。
かつてフロリダにあった、「ヴェルデ・クラシック・オートモーティブ・ミュージアム」のコレクションの1台だったという履歴もあるこのDMC-12、予想落札価格は3万-3万5000ドルだったのに対し、落札額は5万8800ドル(邦貨換算約610万円)であった。
ちなみに、BTTFでは時速88マイル(約140km/h)で走行しているとき、次元転移装置に高電流を流すとタイムトラベルが可能となるが、実際のDMC-12もその速度なら十分に出すことは可能だ。といっても、性能的にはスポーツカーのような、強烈な加速でというわけではなく、ごく普通のクルマと同レベルの加速力でしかない。
この点が残念ではあるが、逆にBTTFのなかでの強烈な加速の表現が、「そんなのありえないよ」という笑いどころのひとつともなっている。
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みんなのコメント
性能なんて普通の乗用車と変わらないし。
内装もチープ。
今見ると最低地上高も高いなあ。
値段上がんなかったのね