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「ポルシェでは、もうその選択肢はなかった」ロッテラー、ジェネシス加入の理由を語る。今後の移籍は考えず

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「ポルシェでは、もうその選択肢はなかった」ロッテラー、ジェネシス加入の理由を語る。今後の移籍は考えず

 ピポ・デラーニとアンドレ・ロッテラーは、2026年にWEC世界耐久選手権にデビューする予定のジェネシスLMDhプロジェクトにサインした動機として、長期プロジェクトを引き受ける見通しを挙げた。

 ふたりのドライバーは12月初旬、オレカシャーシをベースとするGMR-001プロトタイプの開発ドライバーとして、韓国メーカーのヒョンデが展開する高級ブランドに加入したことが発表された。デラーニはそれまでキャデラック、ロッテラーはポルシェに所属し、スポーツカーのトップクラスを戦っていたが、新規参戦メーカーに移籍を果たした形となる。

LMDh開発中のヒョンデ/ジェネシスを「導き、支援する」LMP2チーム。南仏の本拠には“地の利”も

■「変化を求めて」IMSAを去るデラーニ

 デラーニとロッテラーはどちらも、ジェネシスとの最初のコンタクトは2024年の夏に始まったと述べている。デラーニは6月にアクション・エクスプレス・レーシングからの離脱を発表していた。

 デラーニは、2度のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権タイトルと2度のセブリング12時間レース優勝を含む非常に成功した5年間の在籍期間にもかかわらず、WECにフルタイムで参加したいという願望が移籍決断の大きな要因になったと説明した。

 デラーニはキャリアの初期にLMP2で2シーズンを戦ったが、近年はレベリオンやグリッケンハウスなどのチームで散発的にWECに出場してきただけだ。

「アメリカで何年も過ごし、多くのことを達成した後、自分自身に問いかけ始める。『さて、次は何をしようか?』とね」とデラーニ。

「デイトナで優勝し、セブリングで優勝し、チャンピオンシップを2回制覇した。そう、ここに留まって優勝し、3度目のチャンピオンシップを争うこともできる。セブリングでさらに優勝するために戦うこともできる」

「だけど、僕のキャリアのこの時点では、あと3年間ここに留まるよりも、ゼロからもう一度開発できるプログラムに参加することの方が価値がある」

「また、自己満足し始めるという事実もある。物事は簡単になる。何をすべきか分かってきて、サーキットに入り、やるべきことをして、そして立ち去る。そして、限界を超えようと自分をプッシュしていると感じた立場にはなかった。そんな快適な領域に入り始めると、危険になることもあるんだ」

「それが僕が変化を望んだ理由のひとつでもあり、その変化を求めていたことが、実際に僕がアクション・エクスプレスを去った動機だった。だから、これは大きな部分を占めている」

 デラーニは、ゲイリー・ネルソン率いるアクション・エクスプレスを離れるという決断を「困難ではあったが、やらなければならなかった」と表現すると同時に、ジェネシスで長期的な挑戦に挑む見通しに興奮していると付け加えた。

「もちろん、1年か2年のプロジェクトだったら参加しなかっただろう」と彼は語った。

「そうなると、2027年末までにようやく良い結果が出始めるプログラムに参加して、勝利やチャンピオンシップを制する可能性を手放すことになる。それでは意味がない」

「このプログラムが短期的なものではないことを考慮した上での決断であることは、間違いないよ」

■「不可欠な資産」になることを目指すロッテラー

 一方、2024年WEC王者のロッテラーは、夏の間にポルシェが2025年シーズンに向けてLMDhファクトリードライバーのロスターを刷新しようとしていることが明らかになり、次のステージを探し始めたと説明した。ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツが2025年のWECで2ドライバー体制を採用することにしたため、最終的にこのドイツ人ドライバーは落選した。

「普通だったら、ポルシェで終止符を打とうと思っていた」とロッテラーは語った。

「それが常に僕のビジョンだったけど、まだだったね。僕はまだもっと多くのことをしたいし、もっと多くのレースに出てもっと大きな挑戦をしたい。ポルシェでは、もうその選択肢はなかった」

「だから、もっと多くのことを理解する前に、自分で率先して行動し、時間を無駄にせず、自分に何ができるかを考えたんだ」

「すぐにシリル(・アビテブール。ジェネシス・マグマ・レーシングのチーム代表)と連絡を取り、プロジェクトについて説明してもらった。それですぐに決心したんだ」

「『よし、このキャリアの段階で、旅の始まりからそこにいて、自分の意見をすべて持ち込み、素晴らしいグループのサポートを得て、何か新しいものを形作る上で重要な役割を果たすことができるのは、個人的に素晴らしい話だ』と思ったよ」

「これまでのキャリアを振り返ってみると、これは実際にとても刺激的でやりがいのあることでもあるからね。そしてとくに、僕が持っているすべての経験を考えると、このような道に挑戦するのは楽しい」

「だから、2025年はレースに出ないとしても、2026年はレースに出る。僕にとって、このようなチャレンジに挑戦するのは当然のことだったし、素晴らしい機会だと思っている」

 ロッテラーは、ジェネシスへの長期的なコミットメントに臨むにあたって、アビテブール率いるチームにとって自らが「不可欠な資産」になることを目指していると付け加えた。

「そうなることを願っている。なぜなら、僕は所属ブランドを二度と変えるつもりはないキャリアの段階に立っているからだ」と彼は語った。

「だから、これは僕の使命でもあり、このチーム、つまり皆のサポートを得て理想の世界で最高のチームを作ることに大きく貢献できれば、とても満足だ」

「多くの人が意見を言うだろうが、僕は最大限の意見を出し、今後何年にもわたって素晴らしい基盤を築きたいと思っている」

「ドライバー、将来のドライバー、そして僕のレースを超えて、大きなサポートと大きな資産、チームにとって欠かせない資産として、基本的に関わり続けたいと思っている」

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