手入れを怠らなければ耐久性の高いV8
ポルシェ928のオールアルミ製V型8気筒エンジンは、比較的堅牢。定期的な手入れを施していれば、リビルドまでにシリンダーヘッド側で約19万km、ブロック側で約24万kmは走れる耐久性を備えている。
【画像】ポルシェ928 最終型の928 GTSと現行の911 GTSも 全53枚
始動時や回転数を高めた時に、排気ガスへエンジンオイルが燃えた白煙が見られないか確かめる。酷い場合は、最低でもヘッド周りのオーバーホールが必要と考えたい。クランクシャフトから振動が出ている場合、近々のリビルドは必死だろう。
1987年に登場した928 S4では、ヘッドスタッドの代わりにヘッドボルドが与えられている。エンジンヘッドの取り外しは容易なものの、ヘッドにヒビが入る場合がある。1989年には鋳造の厚みが増え、ボルトも長くなり、強度が高められた。
さらにこの1987年式では、LHジェトロニック2.3のECUとイグニッションECU、マスエアフロー・センサーの不具合が珍しくない。専門店に予め相談しておくと良いだろう。
メーターパネルには、主要な故障が発生すると光る警告灯が2つある。1つは軽微な内容で灯るもので、手動でキャンセルさせることも可能だ。
年を追う毎に改良されたシャシー
ポルシェ928のトランスミッションまわりは、モデルライフを通じ何度かアップデートを受けている。クラッチやトルクチューブ、ギアボックスなど、変更か所は多い。
クラッチは当初ツインプレートだったが、S4ではシングルプレートに変更されている。5速マニュアルは全生産台数の20%程度しかなく、現在の取引価格は、3速か4速のオートマティックより1割から2割ほど高い。
ブレーキとサスペンションも、年を追う毎に改良を受けている。パッシブ後輪ステアリング機能は、ヴァイザッハ・アクスル構造によって得られている。アンダーステアを最小限に抑えることが可能だ。
アルミホイールのデザインやサイズも、複数種類が存在する。ホイール・オフセットは928専用だから、流用は難しいだろう。
ボディは亜鉛メッキされ、当初は6年間の腐食保証が付帯された。1986年以降からは10年間に延長されている。まったく錆びないことはないものの、悪化することは珍しい。
トップグレードの928を探す場合は、VINとエンジン、オプション内容のコード番号を確かめる。北米仕様の928はパワーが劣るから、エンジンが載せ替えられている場合は特に注意したい。
購入時に気をつけたいポイント
電気系統
燃料インジェクションのLHジェトロニック用ECUと、マスエアフロー・センサー、点火系ECUは、一般的な電気系統と同様に不調になることがある。ヒューズとリレー、ECUのコンパートメントは、助手席側の足元にある。
ボディ
亜鉛メッキされているが、ボディは錆びなくない。サイドシルの内側やサブフレーム、リア・サスペンションアームなどが弱点。燃料やブレーキのパイプ類も観察したい。
エンジン
タイミングベルトとテンショナー、ウォーターポンプは、4年毎か9万6000km毎での交換が指定されている。過去の交換履歴の確認はお忘れなく。回転が不安定な場合、ディストリビューター間の補機ベルトが原因のことも。
「スパイダー」と呼ばれたエアインテークは、シングルカムのV8エンジンの調子を左右する。メンテナンスを怠らなければ、リビルドなしに24万kmほどは走れる。オイルの消費量には気をつけたい。
バキュームホースまわりの漏れを確認する。アイドリングが落ち着いているか、オイル漏れや排気ガスの白煙はないか、エンジンオイルとクーラントが混ざっていないか、エンジンマウントがヘタっていないかもチェックポイント。
冷却系
ラジエータークーラントの漏れがないか、ヒーターが機能するかを確かめる。エアコンのコンデンサーが前面に付いている。
新品のラジエーターは、英国では1000ポンド(約16万円)以上することも。クーラントは定期的に交換したい。
ステアリングとサスペンション
ステアリングラックやパイプまわりからのフルード漏れがないか点検する。
サスペンションは、フロント・ロワボールジョイントが摩耗しやすい。ダンパーの劣化にも気をつけたい。ベアリングとブッシュがヘタると、操縦性が冴えなくなる。
インテリア
初期の928には、ハーフレザーか合皮にパシャ・チェッカー柄のベロア生地が用いられていた。クラシックとしては渋くて悪くないインテリアだが、後期型からフルレザー内装が追加され、こちらの方が支持率は高かった。
ポルシェ928のまとめ
高めの維持費や、伸び悩んだ中古車価格、安価に手に入れたオーナーによる不充分なメンテナンスなどが原因で、ポルシェ928の多くが失われてきた。素晴らしい状態の例もなくはないが、発見は難しい。
それでも、トップグレードの928は以前から需要が低くない。メンテナンスもしっかり受けてきた例が殆どで、そのぶん価格も高い。
ポルシェ928は、普段使いできるクラシック・スーパーカーだといえる。現代でも充分速く、近年は価値も上昇中だ。
良いトコロ
運転するだけで充足感を得られる、リラックスした雰囲気のグランドツアラー。手入れが行き届いていれば信頼性は高く、トラブルも少ない。
ポルシェの専門店なら、弱点に対する解決策も熟知していることが多い。整備費用も、想像ほど高くないといえる。
良くないトコロ
過去に放置されてきた928の状態を立て直すには、かなりの費用が必要になる。クルマの価値を超えてしまう場合も珍しくない。
ポルシェ928(1977~1995年/英国仕様)のスペック
英国価格:2万1827~2万5250ポンド(1981年時)
生産台数:6万1056台
全長:4445-4519mm
全幅:1836-1849mm
全高:1282-1316mm
最高速度:225-273km/h
0-97km/h加速:5.4~7.0秒
燃費:5.0-8.5km/L
CO2排出量:−
車両重量:1471-1600kg
パワートレイン:V型8気筒4474/4664/4957/5397cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:240ps/5500rpm-350ps/5700rpm
最大トルク:35.4kg-m/3600rpm-49.9kg-m/4250rpm
ギアボックス:5速マニュアル/3速・4速オートマティック
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