誰もが「なんだこれは」と発してしまうような一台だった
「うわ~、なんだこのクルマ、ドアも縦に開くし、V型12気筒エンジンというのが後ろに搭載されていて、最高速は300km/hも出るらしいぜ」。1970年代半ば、いわゆるスーパーカーブームの渦中で、少年たちはそのなかでも一番人気ともいえる「ランボルギーニ・カウンタック」の前で、興奮気味にこう叫んでいるのが常だった。
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カウンタックとは、じつは冒頭の少年が発した言葉のなかにこそ、その意味がある。1971年のジュネーブ・ショーにコンセプトカーを出品すべく、最後の仕上げに入っていたボディー担当のベルトーネは、慢性的な経営不振から自社工場での製作ができない状況にまで追い詰められ、近隣の工場へとカウンタックとともに夜逃げをするまでに至っていた。
その工場から毎日のように聞こえる作業の音、それをそっと盗み見した人物が発した言葉こそが、現地の発音に沿うのならば「クンタッシュ」、日本語に訳せば「なんだこれは」にほかならなかったのだ。
ここではスーパーカーブームのとき以来、親しんできたカウンタックという表記を用いさせていただくが、つまりはここに至る段階まで、カウンタックには名前がなかったのだ。あったのはLP112の開発コードのみ。チーフ・エンジニアは、ミウラでもその手腕を発揮し、先日他界したパオロ・スタンツァーニである。
スタンツァーニがP112の開発をスタートさせたのは、1960年代末ごろとされるが、彼らが最初に行わなければならなかったのは、前モデルとなるミウラの欠点を徹底的に改善することにほかならなかった。その最も象徴的なものはV型12気筒エンジンの搭載方法で、ミウラでは4リッターの長大なV型12気筒エンジンを横置きミッドシップ、しかもミッションとデファレンシャルの上に積み上げる設計だったため、コーナリングではそれによる重心の高さがスポーツカーとて大きな問題になっていた。
ならばV型12気筒エンジンを縦置きミッドシップするほかはないのだが、当時のランボルギーニに新エンジンを開発する余裕はなく、スタンツァーニは5リッターに排気量拡大したとされるV型12気筒エンジンを、リヤから順に、エンジン、ミッション、そして最前方で再度トルクを折り返してリヤのデファレンシャルに送るというメカニズムを考案した。あるいは彼の胸中には最前方のミッションからトルクを前輪に送り、この新型車を4WDとする構想さえもあったのかもしれない。
LP500のエンジンやボディデザインから変更せざるを得なかった
1971年のジュネーブ・ショーで大観衆の視線を集めたカウンタックLP500は、すぐにプロダクション化のための作業に入る。ちなみにミウラにはなかった車名の最初につくLの文字は、イタリア語でエンジンの縦置きを、Pはリヤエンジン、500は排気量を各々意味している。
しかしカウンタックLP500は、そのまま市場へと投じられることはなかった。とくにセミモノコックのボディー構造などは、一度はそれで政府の認可を取得しつつも、結局は剛性が期待するほどのものでなかったことから、無許可で伝統のスペースフレームへと変更。このようなことが、まだこの時代のイタリアでは可能だったのである。
エンジンは熱対策の関係から、ミウラと同様に4リッターへと戻された。3929ccの排気量を持つV型12気筒エンジンの最高出力は375馬力。ボディーサイドには大きなエアインテークが設けられ、オリジナルのLP500での流れるような美しさは、やや損なわれてしまったともいえる。
カウンタックはその後、搭載エンジンの排気量を4754cc(LP500S)、5167cc(5000QV、アニバーサリー)と拡大し、年々厳しさを増していった排出ガス規制に対応していく。この全シリーズのなかでもっとも大きな販売台数を記録したのは最終モデルとなったアニバーサリーで、これは、ランボルギーニの創立25周年を記念して生産されたシリーズ・モデルだった。
そして後継車のディアブロが1990年に発表されるまで、カウンタックはランボルギーニの象徴として、そしてまた伝統的なスーパーカーの一台として生産が続けられるのだ。
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みんなのコメント
自分はF355まで到達することができた。
カウンタックがくれた情熱のおかげです。