フランスの貴婦人が荒野の冒険者に
2024年現在の「DS」は、シトロエンやジープ、プジョー、オペルなどといったブランドが属する巨大自動車グループ「ステランティス」が展開している高級ブランドのひとつです。
【画像】超希少! 55年前の巨大宇宙船 シトロエン「DS」を写真でチェック(33枚)
日本国内にも導入されており、「DSオートモビル」として正規ディーラーを展開、4つのモデルを販売しています。
DSはもともと、シトロエンのモデルでした。それが現在は独立したブランドに成長している構図です。
今回オークションに登場したのは、ブランドの始祖ともいえる初代DSです。
初代は1955年の「パリサロン」(現在のパリモーターショー)で発表されました。
未来的なボディデザインが注目を集め、ショーの目玉的な存在に。その見た目から「空飛ぶ円盤」とも例えられました。
ロングホイールベースで、ボディ後方に向かうとともにボディも細くなっていく独特のデザインを採用。それに伴い左右のホイールの幅も後輪のほうが細くなり、カバーで覆っています。
このような得意なスタイルでも違和感なく目に映る理由は、空気の流れに沿ったデザインを採用しているからといえるでしょう。機能的なエアロデザインともいえます。
ユニークなのはボディだけにあらず、内部の機構も未来を先取りしたものでした。
代表的な機構のひとつは「ハイドロニューマチック・サスペンション」です。
一般的な金属のバネは使わず、その代わりに窒素ガスとオイル(油圧)を使用しているのが特徴。このおかげで乗り心地に大変優れていたようです。車高調整も可能で、加えてパワーステアリングも備えており快適性の高いモデルでした。
もう一つの代表的な機構はトランスミッションです。この時代に珍しいセミ・オートマチック式の4速ギアを装備していました。
モデルの息も長く続き、1957年に初代が発売され、1972年のモデル「DSuper5」が最終型となりました。
途中、ワゴンボディが追加されたり、ヘッドライトを片側2眼1組横長へと意匠変更があったり、マニュアル・トランスミッション仕様の用意があったりと、様々なバリエーションが用意されていきました。
オーストラリアで発見された1968年式“DSワゴン”の気になる落札価格は?
今回、オークションで落札されたのは「ID21 DS サファリ」というモデルです。
ルーフが後方まで地面に対して平行に続き、Dピラーからスパッと、まるで急斜面のように切られています。
通常モデルのルーフは、ボディの曲線に合わせるように曲線的に造形されています。こちらはルーフのみが直線状でルーフレールも備えている姿は逆にアイコニックです。
ボディをツートンカラーに仕上げているのも特徴的です。地中海を彷彿とさせるブルーを下半分、上半分のピラーとルーフ、そしてリアハッチはホワイトに塗られています。 ちなみに再塗装済みとのこと。
搭載されているエンジンは2175ccの直列4気筒で、コラムシフト式の4速マニュアル・トランスミッションを採用。駆動方式は前輪駆動(FF)です。
最高距離は、メーター表示で2万5015マイル(約4万258km)となっています。ただ、保証はできないようです。
再塗装以外にも車体の各部は2023年8月に整備済みといいます。
ホイールは磨かれミシュランの15インチタイヤを装着。ウォーターポンプ・燃料系統・フロント&リアサスペンションブーツ・リアブレーキシュー・燃料フィルター・油圧フィルター・ファンベルト・Vベルト・クーラントを交換済みです。
外装同様、内装もきれいに整備されています。1本ポークのアイコニックなハンドルはもちろん、シートの革や内装パネルも汚れや劣化が見られず、綺麗なブラックが保たれています。
さらにBluetooth接続が可能なパイオニアのオーディオも搭載しています。年式を考えれば後付けで間違いありませんが、自身のスマートフォンに入れたお気に入りの曲を随時流せるのは嬉しいポイントです。
※ ※ ※
この個体は、一見アメ車にも見えます。特に映画「ゴーストバスターズ」に出ていたワゴンを彷彿とさせます。
貴婦人でエレガントなDSが、ルーフを変えるだけで男の冒険仕様に変身しました。
この個体の落札額は3万1250オーストラリアドル。日本円換算は約340万円で、年式を考えればそこそこのプライスがつけられたといえるでしょう。
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みんなのコメント
この辺フランス至上主義で関心したよ
船みたいな佇まいでいい