東京オリンピック(2021年7月23~8月8日)、パラリンピック(同8月24~9月5日)が終了し、まもなく3ヵ月をむかえるが、ボディに派手なステッカーが貼られた、競技会場や選手村、国際メディアセンターなどの拠点間移動に使用された、オリ・パラ使用車両たちはどうなったのだろうか?
結局、オリ・パラに使用されたトヨタ車はオリンピックで約2700台、パラリンピックでは1700台。そのうち約9割がハイブリッド、PHV、FCVなどの電動車となっている。
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その内訳は、初代MIRAI約500台、プリウスPHV約500台、ノア/ヴォクシー約300台、ノア/ヴォクシー(ウェルキャブ)約150台のほか、RAV4やハイラックス、バッハ会長をはじめVIPの送迎などに使われたアルファードやレクサスESなども使用されている。
このオリ・パラ車両はトヨタ認定中古車を扱う、トヨタ系中古車販売店で販売されている。はたして、ノーマル車と比べて高いのか、ベストカーweb内の中古車検索サイトを使って、安いのか調査してみた。
文/萩原文博、写真/ベストカーweb、TOYOTA
[gallink]
■オリ・パラステッカーを貼った低走行の中古車は安いのか、高いのか?
競技会場・選手村・国際メディアセンターなどの拠点間移動に使用された市販車を中心とした関係者輸送のために用意されたトヨタ車約2700台が中古車市場に出ているという
中古車検索サイトを見ていると、高年式で走行距離が少ない中古車を見掛けることがある。いわゆる「おろしたて中古車」や「未使用中古車」と呼ばれるクルマで、決算期やフルモデルチェンジ後などに登場する。
その他にも新車の販売開始か半年や1年経過したタイミングで展示車や試乗車アップという走行距離が少ない高年式車が中古車として出回ることがある。
こういった中古車のメリットは様々な装備が充実しているにも関わらず、価格が割安なことや新車ではないので、すぐに納車して乗れるというメリットがある。
一方、デメリットとしては、自分の好みのグレードやボディカラーが選べないことや車検期間が短くなるということが挙げられる。
こうした「おろしたて中古車」や展示車、試乗車アップのクルマは自分の好む条件が揃ったクルマが見つかれば買い! ということは言える。
筆者もかつて、日産V35スカイラインクーペの展示車アップを購入したことがある。グレードは上級グレードの350GTプレミアム、ボディカラーもクリスタルブルーと自分の希望どおり。
しかも登録から1年弱が経過したクルマだったが、乗り出し価格は新車より約150万円も安かった。まさに新車では手が届かないクルマを中古車で割安に手に入れるという醍醐味を味わった。
東京オリンピック・パラリンピックが終わり、まもなく3カ月が経過する。スタッフや選手、メディアの移動に使われた大会運営車両がその役目を終え中古車として市場に出回っている。
現在、中古車として流通しているのは、旧型のMIRAIをはじめ、プリウスPHV、ノア、ヴォクシー、アルファードののほか、RAV4やハイラックス、黒塗りのレクサスESは5台以下となっている。
ボディにラッピングが施されているが、こうしたオリ・パラ使用車両は普通の中古車と比べて、高いのかそれとも安いのか、流通している普通の中古車と比較してみた。
■旧型MIRAIは一般の中古車と価格は変わらない
ベストカーwebサイト内の中古車検索を使ってMIRAIを更新順に検索すると中古車が大量に出てくる
オリ・パラ使用車両のMIRAIの中古車情報はこちら!
在庫車例。2020年式ベースグレード、275万円、走行距離45km、車検5年8月
まず、燃料電池車(FCHV)のMIRAIはフルモデルチェンジ前の旧型が流通している。旧型MIRAIはベースグレードのモノグレードなので、流通している中古車はすべてベースグレードとなる。
プリクラッシュセーフティやレーダークルーズコントロール(ブレーキ制御付)など5つの運転支援機能がパッケージ化されたToyota Safety Senseをはじめ、インテリジェントクリアランスソナー、ブラインドスポットモニターなど充実した安全装備が特長。
左右独立温度調整式フルオートエアコンには空気清浄効果のあるナノイーを装備。合成皮革を表皮に採用したシートは全席にヒーター機能を採用するなど快適装備は充実している。
また、家庭用電気機器を最大1500Wまで使えるアクセサリーコンセントは2個装備するなどアウトドアや万が一の際には電源としても役立つのが魅力だ。
ベストカーの中古車検索サイトでMIRAIのオリ・パラ使用車両を調べてみると約14台流通している。年式は2020年~2021年式で、走行距離は551km~5000km。車両本体価格は275万~330万円となっている。
走行距離による価格差はほとんど見られず、多少差はあるものの、330万円か298万円のどちらかで表示するように指示されているように感じる。
一方、オリ・パラ使用車両ではないMIRAIの中古車はモデル末期ということもあり、2020年式が3台しかなく、走行距離は400km~4000kmで価格帯は290万~330万円だった。
平均値で比較すると、オリ・パラ使用車両の中古MIRAIの平均走行距離は約3180km、平均価格は約312万円。一般のMIRAIの平均走行距離は約1800km、平均価格は317万円とそれほど変わらない。MIRAIの中古車に関してはオリ・パラ使用車両と一般車では相場は変わらないようだ。
■流通台数が約52台と最も多いプリウスPHV
オリ・パラ使用車両のなかで中古車流通台数が52台と最も多かったプリウスPHV。ベストカーweb内の中古車検索で車種を選択して更新順で検索すると出てくる
オリ・パラ使用車両のプリウスPHVの中古車情報はこちら!
在庫車両例。2021年式、299万円、走行距離5000km、車検6年4月
続いては、オリ・パラ使用車両の中古車が52台と最も多いプリウスPHV。ベースとなったグレードは1.8Aで、新車の車両本体価格は375万8000円。
ボディカラーは3万3000円のオプションカラーであるプラチナホワイトパールマイカ。シート表皮は本革ではないものの、運転席・助手席には快適温熱シートを装備。運転席は8ウェイのパワーシートを標準装備している。
運転支援システムは、プリクラッシュセーフティをはじめ、5つの機能がパッケージ化されたToyota Safety Senseを標準装備。Aグレードからは、アダプティブハイビームシステム(AHS)が標準装備される。
さらに、運転中に視線を移動することなく、情報が得られるカラーヘッドアップディスプレイや駐車を簡単に行ってくれるシンプルインテリジェントパーキングアシスト(巻き込み警報機能付)が標準装備されるなど快適性能も充実したグレードだ。
オリ・パラ使用車両のプリウスPHVの年式は2020年~2021年式で、走行距離は約55km~1万2000kmと幅広く、かなり乗られたクルマが多いようだ。価格帯は278万~338.8万円となっている。
一方、一般の2020年~2021年式プリウスPHVの中古車は約16台流通していて、走行距離は約10km~約1万km。価格は278万~355万円だ。
それぞれの中古車の走行距離と価格の平均値を見てみると、オリ・パラ使用車両の平均走行距離は約3770km、平均価格は約302万円。一般車両の平均走行距離は約2890kmで平均価格は311万円となった。
走行距離900km多いオリ・パラ使用車両のプリウスPHVのほうが9万円安くなっているが、これはほぼ差がないといって良いほどの差だ。MIRAIに続き、プリウスPHVもオリ・パラ使用車両が安いということはなかった。
■ヴォクシーハイブリッドのオリ・パラ使用車両は約46台流通
ミニバンなのかもしれないがオリ・パラのステッカー類が目立つ。ベストカーweb内の中古車検索サイトで2020年~2021年式と指定し、更新順にするとヴォクシーハイブリッドの中古車が出てくる
在庫車例。2020年式ヴォクシーハイブリッドZS、290万円、走行距離5000km、車検5年3月
スライドドアを採用したミニバンは、オリ・パラ使用車両としては大活躍したのは容易に想像が付く。売れ筋のヴォクシー/ノア合わせて約87台の中古車が流通しているからだ。
まず、ヴォクシーから紹介する。オリ・パラ使用車両に使用されたのは、ハイブリッドZS。現在、ヴォクシーの新車ではZSしか選べないが、エアロパーツを装着した3ナンバー車で人気の高いグレードで、車両本体価格は334万7300円。
ボディカラーはプラス3万3000円のホワイトパールクリスタルシャイン。パワースライドドアは助手席側のみ標準装備されている。
しかしオプション設定されているナビゲーションが装備されているので、かなりのバリューはある。安全装備は、プリクラッシュセーフティをはじめ、3つの機能がパッケージ化されたToyota Safety Senseを標準装備。
さらに先行車発進告知機能、インテリジェントクリアランスソナー(パーキングサポートブレーキ静止物)も標準装備している。そして、足元は16インチのBBS社製アルミホイールで引き締めている。
ヴォクシーのオリ・パラ使用車両の中古車は、約46台流通していて、年式は2020年~2021年式。走行距離は388km~1万1000kmで価格帯は273万~329万円となっている。
一方一般のハイブリッドZSの中古車で2020年~2021年式は約8台流通していて、走行距離は約2km~7000km。価格耐は274.9万~約314.6万円。ヴォクシーの中古車は特別仕様車の煌IIIが主流となっているので、標準車は少なくなっている。
それぞれの中古車の走行距離と価格の平均値を見てみると、オリ・パラ使用車両の平均走行距離は約4548kmで平均価格は約303万円。一般車両の平均走行距離は約3750kmで、平均価格は約302万円とほぼ互角となっている。一般車もナビゲーション装着車が多いので、割安感は高い。
■ノアだけオリ・パラ使用車両のほうが高かった
ベストカーwebの中古車検索を使ってノア、2020~2021年式、更新順で検索すると出てくる
在庫車例。2020年式ノアSI、288万円、走行距離2000km、車検5年3月
ノアのオリ・パラ使用車両の中古車情報はこちら!
ヴォクシーの兄弟車のノアのオリ・パラ使用車両の中古車は約41台流通している。グレードはすべて車両本体価格334万7300円のハイブリッドSi。ボディカラーはプラス3万3000円のホワイトパールクリスタルシャインで、仕様はヴォクシーのハイブリッドZSと同じだ。
ノアのオリ・パラ使用車両の中古車は2020年~2021年式で、走行距離は581km~2万3000km、車両本体価格は268万~329万円となっている。
一方、一般のノアハイブリッドSiの2020~2021年式の中古車は4台しか流通しておらず、走行距離は2000km~4000km。価格帯は275万~308万円だ。エアロパーツを装着した人気グレードにもかかわらず流通台数が少ないのは、特別仕様車のSi W×B(ダブルバイビー)が主力モデルとなっているからである。
それぞれの中古車の平均値を比べてみると、オリ・パラ使用車両の中古車の平均走行距離は約5240kmで、平均価格は約299万7000円。一般の中古車の平均走行距離は約3750kmで、平均価格は約292万円となった。ノアの場合は、オリ・パラ使用車両の中古車価格が高いという結果となった。
■アルファードのオリ・パラ車両はほぼ同価格帯か割安
上段がアルファードハイブリッドX、下段がハイブリッドG。価格差は100万円
在庫車例。2021年式アルファードハイブリッドX、389万円、走行距離2000km、車検6年5月
オリ・パラ車両のアルファードHVの中古車情報はこちら!
アルファードのオリ・パラ車両の中古車は9台。4台のハイブリッドXが389万円、5台のハイブリッドG Fパッケージが一律489万円となっている。
オリ・パラ使用車両のハイブリッドGの走行距離は980~2000kmで489万円だが、ノーマル車車両の2000kmのハイブリッドGが492万~493万円ということを考えると、3万~4万円安くなっており、ほぼ価格は変わらない。
一方、オリ・パラ使用車両のハイブリッドXに関しても走行距離2000~3000kmで389万円と、比較する車両がないのでなんともいえないが割安に感じる。
■カローラツーリングは500台限定の2000リミテッドもオリ・パラ車両に
500台限定の2Lのカローラツーリングリミテッドが在庫している
オリ・パラ使用車両のカローラツーリングの中古車情報はこちら!
在庫車例。2021年式カローラツーリング2000リミテッド、275万円、走行距離307km、車検6年4月
オリ・パラ使用車両のなかで最もおススメなのが、カローラツーリング2000リミテッド。というのは、2021年6月に販売され即完売した500台の限定車であること。そして、170ps/20.6kgmを発生する2Lエンジンと10速スポーツCVTを搭載しているからだ。
現在、オリ・パラ使用車両のカローラツーリングは、ツーリングハイブリッドSとこのツーリング2000リミテッドの2グレードが中古車市場に計10台流通している。
2000ツーリングリミテッドは6台で、価格帯は255万~275万円。275万円の個体は走行距離わずか307kmとほぼ新車並みだ。一方、ツーリングハイブリッドSは215万~229万円。いずれもオリ・パラ車両ではないノーマルの車両とほぼ同価格帯で販売されている。
■RAV4、ハイラックス、レクサスESのオリ・パラ使用車両は?
RAV4のオリ・パラ車両は2台と数が少ない
ハイラックスのオリ・パラ使用車両も3台、58kmという新車並みの在庫車もあった
ほかの車両と違い、VIP送迎用のブラックに控え目なゴールドのデカールが貼られたレクサスESのオリ・パラ使用車両の中古車流通台数は4台だけだった
最後にRAV4、ハイラックス、レクサスESのオリ・パラ使用車両を紹介しよう。RAV4は299万円、315万円の2台のみ。ハイラックスは339万~349万円で3台、レクサスESは在庫している4台すべてが569万円となっている。
いずれも台数が少なく、比較する車両がないためなんともいえないがノーマル車両の中古車とほぼ変わらないといっていいだろう。
こうしてみてきたオリ・パラ使用車両の中古車、いかがだっただろうか?
MIRAI、プリウスPHV、ヴォクシー、カローラツーリング、アルファードのオリ・パラ使用車両と普通の中古車では、ほぼ互角または割安な相場となっていたが、ノアだけは大会運営車両の中古車のほうが高いという結果となった。
オリ・パラ使用車両の中古車は、今のところ、トヨタのディーラー系販売店でしか扱っていないが、希望すればラッピングを外して販売してくれると書かれている。
2021年11月現在、オリ・パラ使用車両が中古車市場でプレミアムが付いているということはなかったが、この先どうなるかはわからない。欲しいと思った人は今のうちに買ったほうがいいだろう。
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みんなのコメント
で?
です。さすがベストカークオリティ。
これって、すぐに外せるのかな?