現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > SUV4台対決 最新レンジ・ローバー・イヴォークの出来栄えは

ここから本文です

SUV4台対決 最新レンジ・ローバー・イヴォークの出来栄えは

掲載 更新
SUV4台対決 最新レンジ・ローバー・イヴォークの出来栄えは

もくじ

ー アウディやボルボと比較
ー 人気急上昇のコンパクトSUV
ー 中級グレードを用意
ー 洗練されたキャビン
ー 走りでもライバルをリード
ー BMW5シリーズとも戦える
ー ハッチバック風のUX

比較試乗 ジャガーらしさとは何か E/Fペイスで探る また、それぞれに個性はあるか

アウディやボルボと比較

警告:この比較テストにはランドローバーが登場する。したがって、この記事に登場する画像の中にはオフロード走行をしているものが含まれている。ウェールズの採石場を走行している画像など、やや刺激が強いものが含まれていることをご理解いただきたい。

ランドローバーがオフロードを走行する姿は美しい。この2世代目レンジ・ローバー・イヴォークはまったく新しいモデルだが、その見た目はオフローダーというよりもコンパクトSUVそのものだ。イヴォークの実力は確かなものだが、毎日使えるロードカーといった印象だ。

われわれはこの新型イヴォークを数回試乗している。今回、このクルマを手強いライバルたちと比較してみることにした。ここで登場するのは新しくなったアウディQ3と、コンパクトSUVの中でわれわれのお気に入りであるボルボXC40だ。

写真にもう一台のクルマが写っていることに気付いたひともいるだろう。このレクサスUX250hは、普段使いでの実用性や公平性の確保の観点から選ばれた。しかし、この記事は主に3台の比較が中心となり、レクサスについてはおまけ程度に考えていただきたい。なぜならこのUXは真の意味でコンパクトSUVではないからだ。

人気急上昇のコンパクトSUV

最近、コンパクトSUVの人気は上昇を続けている。これをよく思わない同僚もいるが、わたしの考えは好意的だ。大型化して代わり映えのしないファミリー向けサルーンやエステートから顧客が流れただけのことではないか。

最近では、5ドアハッチバックでは物足りなく感じるひとが増えてきたようだ。彼らは大型サルーンやエステートを選択することもできるが、よりスタイリッシュかつ家の前に駐車する姿が映えるSUVを選ぶようになった。これは実用性や快適性、そして取り回しの良さがその理由だろう。

このような流れの中で、ランドローバーが自動車市場をリードするプレイヤーになったことは自然なことだ。過去5年間のうち2年にわたってイヴォークがフォード・モンデオを上回る売り上げを記録しているのである。

この新型イヴォークの寸法は先代と数ミリ程度しか変わっていない。新開発のPTAプラットフォームについては賛否両論あるものの、やや延長されたホイールベースや48Vマイルドハイブリッドなど、改良点は多数見受けられる。

中級グレードを用意

最も人気のグレードである180psの2.0ℓディーゼルを搭載するD180 AWDでは今回登場するライバルよりも平均で150kg重く、背が高く、空力特性も悪い。しかしマイルドハイブリッドシステムや9速ATの恩恵により、登場車種のうち最も燃費の良いアウディが高速道路およびA級路で記録した16.3km/ℓという数値に10%程度の差で迫っている。

アウディQ3 40 TDI SトロニックとボルボXC40 D4 AWDの2台は駆動方式やトランスミッションではイヴォークと同等だが、最高出力では上回っている。しかしそのどちらもハイブリッドシステムは搭載しておらず、トルクも一歩譲る。SUVではトルクが重要になるが、これについては後述しよう。

価格帯を揃えるため、イヴォークは中の下にあたる「S」トリムを選択した。レンジ・ローバーらしく、上級グレードでは急激に価格が上昇するのだ。しかし、これでもアウディQ3のエントリーレベルである「スポーツ」やXC40の中の上レベルと同等の価格である。

やや控えめなグレードを選択したとはいえ、そのキャビンは予想外にもライバルを上回る仕上がりだ。わたしは6週間前にギリシャでこのクルマを試乗したが、素材の質感に差が見られることが弱点だと感じた。しかしQ3やXC40のいずれもがこの水準に達していなかったのだ。

洗練されたキャビン

イヴォークに乗り込んだ時の視点はQ3より若干高く、XC40とは同等だが、その2車よりも快適かつサポート性は良好だ。ボルボはやや背もたれを立てて膝を曲げた着座姿勢を強いられ、ステアリングの位置もイマイチである。アウディは着座位置が低く快適性も若干上だが、SUVらしい視点を求めてシートを上げればレッグルームが犠牲になる。

イヴォークの操作系はエルゴノミクスに配慮して設計されており、扱いにくさはない。ボンネットやフロントバルクヘッドはライバルと比べてやや高く、公道上では存在感がある。

質感や高級感については、アウディとボルボがランドローバーの上を行くものと予想していたが、実際はそんなことはなかった。Q3のキャビンは骨太かつ彫りが深く、スタイリッシュさが強調されてはいるが、やや不自然さが残る。

一方、XC40のキャビンは若々しく魅力的だ。しかし、イヴォークほどの高級感や洗練されたモダンさはない。そしてボルボとアウディのいずれもランドローバーの快適性、利便性、そして室内空間は確保されていない。ただし、荷室についてはアウディが上回っていることを付け加えておこう。

走りでもライバルをリード

では、肝心の走りはどうだろうか。最高のハンドリングを持つクルマはどれかについて話すこともできるが、もっと大切なことがある。快適性、洗練性、ドライバビリティ、ボティコントロール、そして操作性などはSUVの走りを語る上で不可欠だ。そしてそのいずれにおいても、イヴォークが他をリードしている。

JLRのラインナップ中、4気筒のインジニウム・ディーゼルを搭載するモデルに感心したことはなかった。しかし、ゲイドンのエンジニアたちはようやくこの2.0ℓユニットの味付けを完成させつつあるようだ。Q3やXC40も機械的洗練性については負けていないが、イヴォークと比べるとうるさくガサツな印象を受けてしまう。

実際に走らせてみると、スペック通りアウディやボルボの方が確かにやや速いようだ。限界まで走らせてみると、その車重がネックとなっている印象を受ける。ただし、パーシャル・スロットル程度の走りではその影響は感じられなかった。豊かなトルクと9速ギアボックスのおかげでストレスのない走りが可能だ。

XC40はイヴォークよりもやや軽く、積極的なコーナリングが楽しめる。ただし若干ノイズがきになるほか、縦方向のボディコントロールにはやや落ち着きがない。Q3も同様に鋭いハンドリングが持ち味で、アウディらしいグリップとボディコントロールが魅力だ。しかしこちらもランドローバーほどの落ち着きやなめらかな乗り心地は実現できていないようだ。

BMW5シリーズとも戦える

ここまでの試乗を通して、今回比較した3台の中での勝者は明らかだ。新型レンジ・ローバー・イヴォークは先代を大幅に上回るクオリティを獲得している。近接するライバルたちを快適性、洗練性、室内空間、内装、そしてドライバビリティで大きく引き離し、新時代の幕開けを感じさせるものだ。

4万ポンド(580万円)級のクルマの中ではもっともラグジュアリーな1台と言っても良いだろう。BMW 520dとも対等に戦えると感じた。

ここでやや安価なハイブリッドのレクサスUX250hにご登場願うのはやや酷かもしれない。コンパクトSUVとしてのスタイルを纏ってはいるものの、実用性、快適性、そして利便性の点で劣っているのだ。

これはただ単に大柄で車高を高くしたハッチバックであり、荷室もフォード・フォーカスと変わらない大きさだ。ただし、四輪駆動が選択可能であり、あるテスターが「ランボルギーニ・ウルスをハッチバックにしたよう」と評するルックスはまずまずだ。

ハッチバック風のUX

そしてもうひとつ理由がある。そもそもUXはイヴォークのライバルではなく、販売不振が続いたハッチバックのCTの代替モデルなのだ。したがって小さく、安価で、ハッチバック風のスタイルが与えられているのは当然のことである。

もしランボルギーニ風のスタイリングがお好みで、イヴォークのような実用性や室内空間が必要ないのだとしたらどうだろうか。まず、キャビンは高級感にあふれ、ランドローバーよりもソリッドな仕上がりだ。そしてレクサスの難しいが高機能なインフォテインメントシステムが備わる。

UXのハンドリングが他の3台よりも優れていることは特に驚くことでもないかもしれない。しかし、その適切な車重、正確性、そしてフィーリングの良さは予想を上回るものであった。

パーシャル・スロットルでのレスポンスは他のトヨタやレクサスのシステムよりも優れており、実走行での燃費も良好であった。ただし、全開加速時の伸びや、マニュアルモードでの動作には不満が残る。

このクルマがレンジ・ローバー・イヴォークの代わりになるかと問われれば、答えはノーだ。しかし、CT200hやその他の中級プレミアムハッチの代替として考えたら、良い選択肢となるだろう。

こんな記事も読まれています

トヨタが「新型モデル」世界初公開! クロスオーバー&SUV 2台同時に! 25年半ばまでに発売!? 「bZ3C」と「bZ3X」中国で登場
トヨタが「新型モデル」世界初公開! クロスオーバー&SUV 2台同時に! 25年半ばまでに発売!? 「bZ3C」と「bZ3X」中国で登場
くるまのニュース
フォーミュラEの改良型マシン『GEN3 EVO』が初公開。4輪駆動化と超高速充電対応で2025年デビュー
フォーミュラEの改良型マシン『GEN3 EVO』が初公開。4輪駆動化と超高速充電対応で2025年デビュー
AUTOSPORT web
フォルクスワーゲンが次世代大型電動SUV『ID.CODE』を発表
フォルクスワーゲンが次世代大型電動SUV『ID.CODE』を発表
レスポンス
最近、スズキのデザインが尖ってきたワケ「キーワードはGSX-R DNAとプラットフォーム」
最近、スズキのデザインが尖ってきたワケ「キーワードはGSX-R DNAとプラットフォーム」
モーサイ
鉄道はあれど重い荷物にはバスのほうがラクだが……運休!? 空港行きの高速バスで2024年問題を痛感した!
鉄道はあれど重い荷物にはバスのほうがラクだが……運休!? 空港行きの高速バスで2024年問題を痛感した!
WEB CARTOP
全長5m超えのトヨタ「大型バン」登場! 斬新“観音ドア&縦4灯テール”採用!? 特許庁が「新ハイエース」公表、反響は?
全長5m超えのトヨタ「大型バン」登場! 斬新“観音ドア&縦4灯テール”採用!? 特許庁が「新ハイエース」公表、反響は?
くるまのニュース
これ全部ベスパ!? 1万5000台による大パレードが行われたベスパワールドデイズ2024
これ全部ベスパ!? 1万5000台による大パレードが行われたベスパワールドデイズ2024
バイクのニュース
[カーオーディオ 逸品探究]実力ブランド「モレル」の最新ハイエンド機『イレイト カーボン』の魅力に迫る!
[カーオーディオ 逸品探究]実力ブランド「モレル」の最新ハイエンド機『イレイト カーボン』の魅力に迫る!
レスポンス
7代目フォルクスワーゲン パサートは中身の濃い変更が行われていた【10年ひと昔の新車】
7代目フォルクスワーゲン パサートは中身の濃い変更が行われていた【10年ひと昔の新車】
Webモーターマガジン
決算期3月は乗用車全セグメントで前年実績割れ!SUVマーケットはどうなっている?(24年3月の軽自動車を含むSUV車販売登録ランキングTOP20)
決算期3月は乗用車全セグメントで前年実績割れ!SUVマーケットはどうなっている?(24年3月の軽自動車を含むSUV車販売登録ランキングTOP20)
カー・アンド・ドライバー
ホンダが新型「5ドアスポーツクーペ」を世界初公開! 流麗デザイン×斬新ハンドル採用! 25年内に登場予定の新型「GT コンセプト」 北京で初披露
ホンダが新型「5ドアスポーツクーペ」を世界初公開! 流麗デザイン×斬新ハンドル採用! 25年内に登場予定の新型「GT コンセプト」 北京で初披露
くるまのニュース
グーグルマップの“2台使い”が最適解!? GWの高速道路で大渋滞!「そのまま乗り続けるか次のICで降りるべきか」問題をどう乗り切る?
グーグルマップの“2台使い”が最適解!? GWの高速道路で大渋滞!「そのまま乗り続けるか次のICで降りるべきか」問題をどう乗り切る?
VAGUE
トヨタ新型「“SUV”ミニバン」発表! タフ顔&高級内装がカッコイイ! アンダー400万円の“充実装備”が嬉しい「GX O」印に登場
トヨタ新型「“SUV”ミニバン」発表! タフ顔&高級内装がカッコイイ! アンダー400万円の“充実装備”が嬉しい「GX O」印に登場
くるまのニュース
うおおおお!!  マツダ6の後継が中国で爆誕!?  新型セダン[EZ6]超絶カッコいいやん!!  丸テールに内装もハンパない【北京ショー】
うおおおお!!  マツダ6の後継が中国で爆誕!?  新型セダン[EZ6]超絶カッコいいやん!!  丸テールに内装もハンパない【北京ショー】
ベストカーWeb
FIAスライエム会長が批判にコメント「世論の法廷で有罪判決を受けたかのよう」会員からの支持も強調
FIAスライエム会長が批判にコメント「世論の法廷で有罪判決を受けたかのよう」会員からの支持も強調
AUTOSPORT web
レッドブル育成ハジャルが3日目最速。宮田莉朋は午後3番手/FIA F2バルセロナテスト最終日
レッドブル育成ハジャルが3日目最速。宮田莉朋は午後3番手/FIA F2バルセロナテスト最終日
AUTOSPORT web
ついに[レガシィ]の名が消える…… 2025年春にメイン市場の北米で生産終了! でもアウトバックは生き残る!
ついに[レガシィ]の名が消える…… 2025年春にメイン市場の北米で生産終了! でもアウトバックは生き残る!
ベストカーWeb
スズキ「アヴェニス125」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
スズキ「アヴェニス125」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

529.0609.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

205.0539.0万円

中古車を検索
XC40の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

529.0609.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

205.0539.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村