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【180万4000円から!】三菱新型「デリカミニ」が誕生した理由とは? デザインと名前に込めた想いを担当者に訊ねてみました

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【180万4000円から!】三菱新型「デリカミニ」が誕生した理由とは? デザインと名前に込めた想いを担当者に訊ねてみました

圧倒的な「デリカ」ブランドを軽自動車の世界に降臨させる

東京オートサロンでの発表以降、軽自動車ファン、三菱ファンの注目を集めているニューカマー「デリカミニ」がいよいよ正式発表となった。発売開始の2023年5月まで少々時間はあるが、デリカという三菱伝統の名前を冠した軽スーパーハイトワゴンは大ヒットを約束されている。実際、事前予約だけで7000台を超えるオーダーがあったという。はたして、デリカミニは名前にふさわしいパフォーマンスを期待できるのか、そしてなぜデリカミニという名前で生まれることになったのか。陽光の下でチェックした実車の印象と、開発陣へのヒアリングで得た情報を整理してみよう。

三菱「デリカミニ」誕生秘話。きっかけは「eKクロススペース」の誕生で「D:1」とならなかった理由は?

ターボとNAの2ラインナップでそれぞれに上級モデルあり

2023年4月6日、三菱自動車より待望のニューモデル「デリカミニ」が発表された。年明けに開催された東京オートサロンにて、その姿を見せたときからおおいに注目を集め、ショー会場でも「絶対買います」といった熱心なファンを生み出した。気になるメーカー希望小売価格が正式発表されたというだけでもニュースとして十分に価値があるだろう。

まずはグレード構成とパワートレイン設定、そしてメーカー希望小売価格からお届けしよう。

【デリカミニ・グレード別メーカー希望小売価格(消費税込)】 T Premium(ターボエンジン):FF 207万4600円/4WD 223万8500円 T(ターボエンジン):FF 188万1000円/4WD 209万2200円 G Premium(NAエンジン):FF 198万5500円/4WD 214万9400円 G(NAエンジン):FF 180万4000円/4WD 201万5200円 ※トランスミッションは全車CVT。レギュラーガソリン仕様

まとめると、ターボエンジンのTシリーズとNAエンジンのGシリーズがあり、それぞれにマルチアラウンドモニター&デジタルルームミラーやアルミホイールを標準装備したPremium仕様が設定されると理解していいだろう。ただしアルミホイールについては4WD全車に15インチサイズが標準装備となっている。このあたりのこだわりについては後半でお伝えしようと思う。

単純にデリカの顔つきを軽規格に落とし込んだ「コピペ」ではない

ところで発表時からマニア筋には指摘されていることだがデリカミニというのは純粋なニューモデルというわけではなく、三菱が日産と共同開発した軽スーパーハイトワゴン「eKスペース/eKクロス スペース」の基本設計を利用した新バリエーションという見方もできる。実際、ボディ設計はeKスペースと共用で、スチールパネルについてはボンネットまで含めて同じ形状だ。つまりデリカミニをデリカ・ファミリーたらしめているのは主にフロントマスクといえるが、こうしてキャンプ場において眺めてみると、eKスペースの残り香は微塵も感じないのは見事だ。

デザイナー氏に伺ったところ、「たしかにスチールパネルの部分は変わっていませんが、逆にいえば樹脂部分はすべて変えました。そしてデリカをコピペするのではなく、デリカの世界観を軽自動車のサイズで表現するために考え抜いたのが、このフロントマスクなのです」という。

言われてみれば、まったくもってデリカD:5をコピペしたような顔つきではない。むしろ、3月にディスコンとなったeKクロス スペースのほうが三菱車の共通デザインであるダイナミックシールドを前面に押し出したもので、スモール・デリカといった雰囲気は強かった。ある意味で、すでにデリカの弟分として軽スーパーハイトワゴンを用意するという商品企画は存在していたといえる。

では、なぜ2023年にデリカミニを生み出す必要はあったのか。その商品企画はeKクロス スペースの発売1年後には始まっていたという。商品企画担当者は以下のように語ってくれた。

「eKクロス スペースは軽スーパーハイトワゴンのメインターゲットである子育て世代に注目されませんでした。むしろ子育てを卒業した世代がメインユーザーとなってしまったのです。発売早々eKクロス スペースに大きく手を入れることが必要と判断しました」

前述したようにeKクロス スペースはダイナミックシールド顔であって、三菱デザインとしての統一感はあるが、軽自動車ユーザーはそうしたデザインテイストよりも軽自動車というマーケットの中での最適化、差別化を求めているのだろう。というわけで、eKクロス スペースは発売1年後には外観を大きく変えることが決定した。

一方で「インテリアやユーティリティについては市場の評価は高く、大きく変化させる必要はないと判断しました。実際、eKクロス スペースに用意した足の操作でハンズフリー開閉できる電動スライドドアやリヤサーキュレーター、上位グレードのマルチアラウンドモニターといった装備はデリカミニでも踏襲しています」という。

ちなみに、メーカー希望小売価格でeKクロス スペースとデリカミニを比べてみると、NAエンジンの上級グレードG Premiumで5500円ほどしか上がっていない。もっとも高価な4WDターボの上級グレードではタイヤのサイズアップなどにより3万8500円高となっているが、最小限の価格変更にとどまっているといえるだろう。

どうして車名に「デリカ」を用いることを決めたのか

ところで、気になるのは「デリカミニ」という名前と、いかにもデリカらしいルックスの誕生経緯だが、デザイナーや商品企画担当者の話をまとめると、自然発生的にデリカのエッセンスを使うというアイデアが生まれてきたという。

車名が決まる前段階のスケッチから歴代デリカのテイストを感じさせるデザイン案が提示されたとのこと。三菱にとってデリカは非常に大きな価値と長い伝統を持つブランドである。歴代デリカと同じく後席スライドドアを持つ軽スーパーハイトワゴンに、そのエッセンスを利用することは三菱らしさを主張できるということでもある。

こだわり抜いたフロントマスクはデリカらしさを際立たせる

とはいえ、単にデリカD:5のスケールダウン版では市場に受け入れられないのはeKクロス スペースの反省からも明らか。「デリカのテイストを軽スーパーハイトワゴンのボディにデフォルメして表現することが必要だった」とデザイナー氏はいう。具体的にいうと擬人化できるような顔つきを市場は求めていると考えた。

デザインのポイントといえるのは擬人化しやすい丸目モチーフのヘッドライトと、そこから下に広がっていくような形状のガンメタリックの部分だ。この表現は三菱のダイナミックシールドを示すと同時に、1980年代のRVブームにおいてデリカの定番アイテムとなったプロテクトバーをモチーフとした造形。そして前後の大きな「DELICA」の車名が伝統を受け継いでいることを主張する。

ただし、デリカミニは単純にデザインテイストとしてデリカの伝統を利用しただけのニューカマーではない。デリカといえば、かつてクロカン1BOXという表現で紹介されることが多かったように、余裕のパッケージと悪路走破性を両立していることが大きな価値となっている。

そのためデリカミニにおいても、4WDについてはNAエンジン、ターボエンジンを問わず165/60R15という大径タイヤが与えられ、専用のショックアブソーバーと組み合わせられている。知られているように、三菱の軽自動車は日産との合弁会社であるNMKVで開発を進めるため、基本的には三菱独自のテイストを盛り込むことは難しい。

しかし、デリカミニの開発においては三菱のデリカ開発チームの知見による足まわりのセッティング案をNMKVに提示するなどして、デリカという名前にふさわしい走りを手に入れたという。

* * *

今回、公道を含めて試乗することはできなかったが、写真を見ていただければおわかりのように撮影場所は段差もあるキャンプ場だった。撮影スポットへの「移動」で感じた第一印象をお伝えすれば、タイヤのエアボリューム増と専用の足まわりによる安心感はデリカという名前にふさわしい。

デリカミニのキュートなルックスを求めるのであればFFでも十分だろうが、デリカらしい走り味も求めるのであれば、ぜひとも4WDを購入検討してほしいと思わずにはいられない。

●MITSUBISHI DELICA MINI 三菱デリカミニ(T Premium/4WD) ・車両価格(消費税込):223万8500円 ・全長:3395mm ・全幅:1475mm ・全高:1830mm ・ホイールベース:2495mm ・車両重量:1060kg ・エンジン形式:直列3気筒DOHC ・排気量:659cc ・駆動方式:四輪駆動 ・変速機:CVT ・エンジン最高出力:64ps/5600rpm ・エンジン最大トルク:100Nm/2400~4000rpm ・モーター最高出力:2.7ps/1200rpm ・モーター最大トルク:40Nm/100rpm ・燃料消費率(WLTCモード):17.5km/L ・燃料タンク容量:27L ・サスペンション:(前)ストラット式、(後)トルクアーム式3リンク ・ブレーキ:(前)ベンチレーテッド・ディスク、(後)リーディング・トレーリング式ドラム ・タイヤ:(前)165/60R15、(後)165/60R15

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