新興EVメーカーのテスラが、同社史上最もコンパクトでリーズナブルなEVとして発表したモデル3。そのモデル3が2018年11月8日、日本で初めて公開された。
はたして、どんなクルマなのか? 価格は? 納期は? さっそく、テスラモデル3に迫ってみよう!
文/ベストカーWeb編集部
写真/ベストカーWeb編集部、テスラモーターズ
テスラモーターズジャパンは2018年11月8日、テスラ史上最もコンパクトでリーズナブルなモデル3をテスラ・ラゾーナ川崎プラザ(神奈川県川崎市)において日本で初めて公開した。
実は、このテスラモデル3が発表されたのは2016年3月31日、日本でも同日から予約受注が開始されたが、2年あまりの時を経て、ようやく日本での初お披露目となった。
■サイズは全長4686mmと欧州Dセグメントより少し大きい
モデル3は、ロードスター(2008年)、モデルS(2012年)、モデルX(2015年)に続く第4弾のモデルで、サイズは全長4694×全幅1849×全高1443mmと、欧州DセグメントのメルセデスベンツCクラス(全長4686×全幅1810×全高1445mm)、BMW3シリーズ(全長4645×全幅1800×全高1440mm)より少し大きいサイズだ。
エクステリアデザインはモデルSの縮小版といったイメージだが、ハッチバックのモデルSに対し、モデル3は独立したトランクを持つ4ドアセダンだ。
テスラの特徴ともなっているエンジンがないため、冷却に必要なエアインテークが一切ないフロント回りのデザインやCd値0.23の空力ボディ、欧州セダンのトレンドとなっている伸びやかな6ライトのボディ形状など、テスラならではの他メーカーのクルマにない個性的なスタイリングが特徴。
実際に間近で見ると完成度が高く、クオリティはなかなかのものだった。ちなみにフロントのナンバープレートはフロントバンパー中央に配置されるとのこと。
■iPadが1つあるだけ? のコクピット
驚くのはインテリアだ。ステアリングと左右のAピラー横一線につながるウッドパネル、15インチのタッチスクリーン式ディスプレイしかない!
エアコンやオーディオなどの操作は15インチタッチスクリーンで行うため、スイッチ類が見あたらないのだ。エアコンの吹き出し口はウッドパネルの下にあり、シフトレバーはステアリング右側にあるコラム式だ。ここまで潔いクルマは見たことない!
展示車はフロント、リアシートともに本革シート仕様。リアシートの居住性は身長180cmの担当がフロントシートに座って最適なポジションに設定した後、リアシートに座ってみると、ヘッドクリアランスはこぶし1つ入り、レッグスペースもこぶし1つ入る余裕の空間。
見た目は狭そうに感じたが、シートが大きめに作られているためか、実際に座ってみると快適だった。トランク容量は425LとメルセデスベンツCクラスやBMW3シリーズの480Lに比べるとやや狭いという印象。
■モデル3の価格は約519万~約723万円!
グレード名はモデルSやモデルXで使われていたバッテリー容量を表す数字は使われていない(バッテリー容量の電力量は非公開)。航続距離260マイル(約418km)/0~60mph加速5.6秒で後輪駆動のモデルをミッドレンジバッテリー、航続距離310マイル(約498km)/0~60mph加速4.5秒で4輪駆動のモデルをロングレンジバッテリー、航続距離310マイル(約498km)/0~60mph加速3.3秒で4輪駆動のモデルをパフォーマンスバッテリーと名付けている。
■ミッドレンジバッテリー
0~60mph加速:5.6秒
最高速度:約201km/h
駆動方式:RWD
航続距離:約418km
価格:約519万円(4万6000ドル)
■ロングレンジバッテリー
0~60mph加速:4.5秒
最高速度:約233km/h
駆動方式:AWD
航続距離:約498km
価格:約598万円(5万3000ドル)
■パフォーマンスレンジバッテリー
0~60mph加速:3.3秒
最高速度:約249km/h
駆動方式:AWD
航続距離:約498km
価格:約723万円(6万4000ドル)
※60mphは約96.6km/h。モーターの出力&トルク、バッテリー容量などのスペックはまだ明らかになっていない
アメリカ仕様の価格は、ミッドレンジが約519万円(4万6000ドル)、ロングレンジが約598万円(5万3000ドル)、パフォーマンスが約723万円(6万4000ドル)。
日本での価格は、為替相場の変動によって変わるため、発表されたアメリカ仕様の価格は参考値。納車時期の為替レートでの価格、輸送コストおよび諸経費がかかる。モデルSの場合、アメリカでの価格に100万円ほど上乗せした価格になるという。
日産のEV、リーフと比較してみるとどうなるか? リーフの価格は315万360~403万2720円。バッテリー容量は40kWhで、航続距離は400km。ボディサイズは全長4480×全幅1790×全高1540mmと、テスラモデル3より、ひと回り小さいサイズだ。
気になるモデル3のCEV補助金(クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金)だが、まだ認証を取っていない段階のため、正式な補助金額はまだわからないが、モデルS、モデルXともに全グレード40万円だから、同額になるのではないかと思われる。ちなみにリーフも全グレード40万円だ。
■日本での納期は2019年後半以降
モデル3の生産立ち上がりの遅れや生産が追いついていないというあまりよくないニュースがこれまで流れていたが2018年11月現在では、このモデル3を含めて週あたり8000台の車両を生産しており、2018年7月から9月までの3カ月間だけで、実に8万5000台を納車しており、ようやく生産が軌道に乗りはじめているとのことだった。
さて、2018年11月にモデル3の予約を入れた場合、納車はいつになるのか? このモデル3の予約が始まったのは2016年3月31日と、2年半以上経っているため、相当数の受注を抱えていると思われる。会場の担当者に聞いてみると「テスラでは受注台数を明らかにしていないため答えられません」とのことだったが、かなりの数を受注しているらしい。
ただ納車が、アメリカ、カナダ、欧州、中国の後、右ハンドルの日本という順番になり、最初に予約したユーザーの納車が2019年後半というから、「今予約してもいつになるのか答えられません」と困惑気味だった。
ちなみに正式に予約したい場合、15万円の予約金が必要になる。正式に予約すると、ホームページで納車時期を逐一調べることができるようになる。
日本導入モデルは右ハンドル仕様となり、車両に対して4年5万マイルまでの、バッテリーに対して8年10万マイル(ロングレンジ/パフォーマンスは12万マイル)までの保証が付く。
■充電環境はどうなっている?
主にホテルや旅館などに設置された普通充電のデスティネーションチャージングは132カ所205基があり、もちろん急速充電のCHAdeMOにも対応しているから安心だ。
現在、テスラの急速充電施設の「スーパーチャージャー」ネットワークが日本全国19カ所・合計90基があるが、モデルSは無料ではなく、充電には1分あたり42円が必要になる。
モデルSは30分の充電で270km走行可能だから、1充電あたりかかる費用は1200円という計算。レギュラーガソリン1L150円として考えると8Lぶん払えば270km走れるのだから、充分リーズナブルといえるだろう。
そのほか自動運転レベル2を行う運転補助機能であるオートパイロットを標準装備。プレゼンテーションでは実際に無人運転でモデル3が自ら駐車するシーンを動画で披露していたが、各国の法律に準じて徐々にアップしていくそうだ。
モデル3は2018年初めには日本での認可がおりて、公道を走れるようになるとのこと。どんな走りをみせるのか、期待して待っていよう。
いや、そんなに長期間待っていられないという人はモデルSやモデルXがオススメ。こちらの2台であれば、納車は3カ月程度で、在庫車があれば数週間で納車できるとのこと。
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