現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「燃費なんて気にするならスバルに乗るな」が一変? 「新型ハイブリッド」の実力とは やはり他と違う“目の付け所”

ここから本文です

「燃費なんて気にするならスバルに乗るな」が一変? 「新型ハイブリッド」の実力とは やはり他と違う“目の付け所”

掲載 29
「燃費なんて気にするならスバルに乗るな」が一変? 「新型ハイブリッド」の実力とは やはり他と違う“目の付け所”

スバルの「新型ハイブリッド」で燃費どれくらいに?

 スバルが2024年10月17日、「ストロングハイブリッド」を搭載した「クロストレック」を12月に発売すると発表しました。ストロングハイブリッドは、一般的にはモーターだけのEV走行も可能とする、強力なモーターを搭載したハイブリッド車に使われている呼び名です。

【え…】燃費がよくなる「スバル」とライバル車種の比較(画像)

 これまでスバルが発売していたハイブリッド「e-BOXER」は、10kW(13.6馬力)という比較的小さなモーターを一つだけ搭載したハイブリッドでした。それに対して新しいシステムは、88kW(119.6馬力)という強力な駆動用モーターと発電用モーターの2つを使います。まさにストロング! と呼ぶにふさわしい内容です。

 この新しいシステムの採用により、新しい「クロストレック・ストロングハイブリッド(S:HEV)」は、EVでの走行領域が広がり、燃費も高められます。スバル曰く「燃費が約20%燃費向上」ということです。

 現在の「クロストレックe-BOXER」の4WD(スバルは4WDをAWDと呼称するが、ここでは一般的な4WDを使う)の燃費性能が15.8km/L(WLTCモード)ですから、20%向上すると18.96km/Lとなります。

 とはいえ、同じCセグメントSUVであるトヨタ「カローラクロス」の燃費は1.8Lハイブリッドの4WDで24.5km/L(WLTCモード)。2.5Lエンジンを使う「RAV4ハイブリッド」は20.6km/L。「クロストレック」がストロングハイブリッドを使って燃費が向上しても、残念ながらトヨタ車には負けてしまいます。

 しかも、スバルの新しいストロングハイブリッドは、トヨタのハイブリッドシステムの技術を提供してもらって開発したもの。いわば親戚のようなシステムなのです。では、なぜ似たようなハイブリッドシステムなのに、スバル車が燃費で負けてしまうのでしょうか。

トヨタに燃費で負けちゃう最大の理由

 スバルのストロングハイブリッドの燃費がトヨタ車にどうしても負けてしまうのには、「プロペラシャフト」の存在があります。

 トヨタの「カローラクロス」をはじめ燃費自慢のハイブリッド車4WDの多くは、後輪をモーター駆動しています。いわゆる「E-FOUR」などと呼ばれる方式です。一方、スバルは従来の「e-BOXER」もそうでしたが、新しいストロングハイブリッドでもプロペラシャフトを頑なに使用し続けています。燃費性能向上だけを考えるならば、重いプロペラシャフトを使わないモーター方式の方が有利となります。

 ただし、走行性能やフィーリングなどを考えると、そういうわけにはいきません。プロペラシャフトを使った4WD技術は、スバルが長い時間をかけて磨き上げてきた、独自の技術が詰まっているのです。その技術があるからこそ、「4WDならばスバル」という名声を獲得できているのです。

 実際にスバルがアメリカで行った調査を見ても、スバルの4WD技術の評価・期待が高いことがわかります。北米のスバル顧客の多くは、冬季に降雪のあるスノーベルト地域、しかもオフロードを走る割合が特に高いそうです。アラスカやニューヨークなど、ざっくりとアメリカの北側です。

 そうしたユーザーは、「安全機能」「4WD」「悪天候時の安定走行」「Fun to Drive」を理由にスバルを購入していると言います。「安全機能」はアイサイトや、衝突安全性能の高さが理由でしょう。そして、それ以外の「4WD」「悪天候時の安定走行」「Fun to Drive」は、すべてスバルが磨きあげてきた4WD技術が重要な存在となっています。そうしたユーザーの購入理由に「燃費」という文言はありません。

SUBARU=「そこまで燃費が悪くない」という事実

 ちなみに、スバルにとって、北米は、もっとも重要なお客様です。2022年の販売実績を見れば、年間約80万台の販売のうち、北米が60万台もあるのです。

 さらに驚くのは、北米のお客様が、けっしてスバル車を「燃費が悪い」と思っていないことです。

 スバルの調べになりますが、北米のライバルと比較したとき、スバル車の燃費は劣っているどころか、より勝っているというのです。確かに、北米でライバルとなるフォードやGM、ジープのSUVには、驚くほど燃費に無頓着なモデルが数多く存在します。日本車同士ならいざ知らず、現地アメリカン・ブランドと比較すれば、スバル車は、れっきとした「燃費の良いクルマ」なわけです。

 そこまで言うのであれば、スバルがプロペラシャフト付きの4WDを手放すわけはないでしょう。また、「凍結路などの滑りやすい路面では」というスバルらしい前提条件ですが、後輪モーター式4WDよりもプロペラシャフト4WDの方が、ブレーキ回生の効果が大きいとか。

 ということで、当分の間、スバルはプロペラシャフト付きの4WDを作り続けることでしょう。その一方で、これまで使っていたマイルドハイブリッドを順次、ストロング方式に代替していくはずです。それだけでも、ユーザーは何もせずに、20%の燃費が向上することになります。まずは、燃費向上を喜びましょう。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

まさかの4車種! スバルが[新型車]を投入決定!! 新型[フォレスター]は年内に登場なるか!?
まさかの4車種! スバルが[新型車]を投入決定!! 新型[フォレスター]は年内に登場なるか!?
ベストカーWeb
ホントにSUVなの!? ホンダ「“シビック”SUV」スポーティな走りがスゴい! かなり売れてる「ZR-V」人気の理由とは?
ホントにSUVなの!? ホンダ「“シビック”SUV」スポーティな走りがスゴい! かなり売れてる「ZR-V」人気の理由とは?
くるまのニュース
[初代WRX S4]狙うなら断然後期!! 前期モデル避けるべきワケって
[初代WRX S4]狙うなら断然後期!! 前期モデル避けるべきワケって
ベストカーWeb
「シエンタとフリードで迷っています。皆さんどちらを買いますか?」質問に回答殺到!「安全性能なら」「5人乗りなら」両方乗り比べした人も どんな「視点」が重要?
「シエンタとフリードで迷っています。皆さんどちらを買いますか?」質問に回答殺到!「安全性能なら」「5人乗りなら」両方乗り比べした人も どんな「視点」が重要?
くるまのニュース
トヨタ最高級「クラウン」に大反響! 「やっぱり“V8”は良い」「本革とウッドが最高」の声も! 世界初の“画期的システム”も搭載した「マジェスタ」に熱視線!
トヨタ最高級「クラウン」に大反響! 「やっぱり“V8”は良い」「本革とウッドが最高」の声も! 世界初の“画期的システム”も搭載した「マジェスタ」に熱視線!
くるまのニュース
テスラが安くて長く走れるモデル3を投入! 日本導入の可能性もあるのでモデル3購入希望車は様子見が吉か
テスラが安くて長く走れるモデル3を投入! 日本導入の可能性もあるのでモデル3購入希望車は様子見が吉か
THE EV TIMES
サンダーバードの「磁力牽引車」かよ! 6代目ダイナの「超低床キャビン」が衝撃のスタリングだった
サンダーバードの「磁力牽引車」かよ! 6代目ダイナの「超低床キャビン」が衝撃のスタリングだった
WEB CARTOP
約150万円! スズキが新型「ストリートファイター」発表! 復活の漆黒モデル!? 「GSX-S1000」 何が変わった?
約150万円! スズキが新型「ストリートファイター」発表! 復活の漆黒モデル!? 「GSX-S1000」 何が変わった?
くるまのニュース
エンジン載せ替えて「劇変」したクルマ 性能やキャラクターが変わった名車たち 31選 後編
エンジン載せ替えて「劇変」したクルマ 性能やキャラクターが変わった名車たち 31選 後編
AUTOCAR JAPAN
レクサスが「新型NX」発表! 斬新「黒すぎ顔」×オシャレベージュがカッコいい! 「地上高アップ」&専用“悪路モード”も採用のガチタフ仕様「Overtrail」ドイツで発表
レクサスが「新型NX」発表! 斬新「黒すぎ顔」×オシャレベージュがカッコいい! 「地上高アップ」&専用“悪路モード”も採用のガチタフ仕様「Overtrail」ドイツで発表
くるまのニュース
約145万円! ダイハツが新型「タント」発表! めちゃ車内が広い「軽ハイトワゴン」何が変わった? 新「軽ワゴン」どんな人が買うのか
約145万円! ダイハツが新型「タント」発表! めちゃ車内が広い「軽ハイトワゴン」何が変わった? 新「軽ワゴン」どんな人が買うのか
くるまのニュース
過給器が追加した「興奮」 ポルシェ944 ターボ(2) クラス最高水準の大人なグランドツアラー
過給器が追加した「興奮」 ポルシェ944 ターボ(2) クラス最高水準の大人なグランドツアラー
AUTOCAR JAPAN
トヨタ「ランクル300」が世界一過酷な8000kmに挑む!? 目指すは“ダカールラリー”市販車部門12連覇!トヨタ車体「TLC」が参戦発表
トヨタ「ランクル300」が世界一過酷な8000kmに挑む!? 目指すは“ダカールラリー”市販車部門12連覇!トヨタ車体「TLC」が参戦発表
VAGUE
JC08モード燃費33.0km/L 伝家の宝刀ハイブリッドを試す 今も現役のカローラハイブリッド試乗【10年前の再録記事プレイバック】
JC08モード燃費33.0km/L 伝家の宝刀ハイブリッドを試す 今も現役のカローラハイブリッド試乗【10年前の再録記事プレイバック】
ベストカーWeb
日本で「レガシィブランド」終焉…! 36年の歴史に幕、アウトバックは30年の歴史! レガシィがもたらした“スバルらしさ”とは
日本で「レガシィブランド」終焉…! 36年の歴史に幕、アウトバックは30年の歴史! レガシィがもたらした“スバルらしさ”とは
くるまのニュース
エンジン載せ替えて「劇変」したクルマ 性能やキャラクターが変わった名車たち 31選 前編
エンジン載せ替えて「劇変」したクルマ 性能やキャラクターが変わった名車たち 31選 前編
AUTOCAR JAPAN
スバル「レガシィ」販売終了に反響殺到! 「“36年間”ありがとう」「寂しい」「大好きなクルマでした」の声溢れる! 「アウトバック」25年3月販売終了で“伝統のモデル”の歴史に幕!
スバル「レガシィ」販売終了に反響殺到! 「“36年間”ありがとう」「寂しい」「大好きなクルマでした」の声溢れる! 「アウトバック」25年3月販売終了で“伝統のモデル”の歴史に幕!
くるまのニュース
「これが軽トラ?オシャレだね」を60年提供!? ダイハツ「ハイゼット」はいつだって“スズキとは違うのだよ”
「これが軽トラ?オシャレだね」を60年提供!? ダイハツ「ハイゼット」はいつだって“スズキとは違うのだよ”
乗りものニュース

みんなのコメント

29件
  • saw********
    ホンダのEHEVも四駆はプロペラシャフト有りますが燃費は良いですから 理由には成りませんよ
  • rav********
    アメリカの燃費悪いって5リッターとかその位の大排気量だからそりゃスバルでも燃費がいい部類になるわな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

301.4344.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

248.0390.6万円

中古車を検索
クロストレックの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

301.4344.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

248.0390.6万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村