競馬のサラブレッドのように、クルマも共同所有できるようになった。クラシックカーやスポーツカーなどの趣味的なクルマを、何人かで共有できるサービスが登場している。そのひとつに、2022年に設立されたRENDEZ-VOUS(ランデヴー)という法人が提供しているものがある。既に同名の共同所有サービスを展開しているのだが、その内容が最近アップデートされた。
対象車種に顧客のリクエストを反映
気になるのはどれ?アバルト500e、5シリーズ、Valour、話題の新型車3選
いくつかの点が変更されたのだが、最も大きいのは対象となるクルマとその選び方。以前は、ランデヴーが選んだクルマに限られていた。例えば、フェラーリ「F355」、同「365GT4/BB」、ポルシェ「911タルガ」、同「911ターボ」、ジャガー「Eタイプ」、日産「スカイラインGT-R(箱スカ)」などがあり、いずれもクラシックカーやスーパーカーというラインアップだった。
それが改められ、顧客のリクエストによって車種が選ばれるようになった。具体的な車名を挙げることもできるし、大まかに伝えることもできる。例えば「ボルボの角張ったステーションワゴン」という具合にだ。それを受けたランデヴーは「240」や「850」などを見繕って顧客に提案をし、顧客は気に入ったものを選ぶという流れになった。同じように「240ステーションワゴン」を選ぶ顧客が他に3名集まれば、最終的に契約が成立する。
契約が成立すると、価格の4分の1ずつを12で割った代金を毎月支払うという仕組みだ。この場合「240ステーションワゴン」を4人1組で、1年間共同で所有することになる。また、希望者がたくさん集まった時は、4人ではなく8人で共同所有するという場合もある。
クルマを利用できる日数は、1人で年間36~144日。利用する場合は、日程を決めて横浜市にあるランデヴーのガレージにクルマを取りに行くところから始まる。乗っていったマイカーをガレージで預かってもらうことも可能だ。以前の制度では、クルマが売却された場合、売却額が契約者たちに分配されたが、新制度ではそれがなくなった。この点も大きく異なっている。
具体的なクルマと支払い額の一例を挙げると、価格が最も手頃なのは、ホンダ「シティカブリオレ」を8人で共同所有する場合。頭金を5.1万円支払って、月々1.8万円を払っうと1年間の利用資格が得られる。利用可能なのは36日間。4人で共同所有する場合は、頭金が9.0万円、月額3.3万円で年間72日間となる。
年式やモデルなどを特定せずにポルシェ「911」を8人で共同所有する場合は、頭金が11.1万円、月額4.0万円。4人だと頭金21.1万円で、月額7.7万円。ランボルギーニ「ディアブロSV」は、8人で所有すると頭金が23.7万円で月額8.6万円。4人で所有すると、頭金が46.2万円で、月額16.9万円とさすがにグッと上がってくる。
共同所有した顧客たちに所有する喜びを提供できるか
はたして、どれくらいの人々がこのシステムを利用することになるのだろうか?共同所有することで、クラシックカーの魅力に触れ、さらに深く関わっていきたい、長く所有したいと考えるようになった人が、自分の1台を探して購入するようになるのかもしれない。
ただ、懸念も拭いきれない。クラシックカーは趣味や楽しみの対象となるものだから、はたして、本当に共同所有に向いているのだろうか。クラシックカーを所有する意味は、ただ運転して走らせることだけでなく、所有することでたくさんの楽しみを受け取ることができるところにあるからだ。
ランデヴーは、クラシックカーは毎日乗るものではないから同好の士と共同で所有したらどうでしょう?という提案を行なっている。だが、毎日乗らなくても想いは毎日寄せているのが趣味としてのクラシックカーなのではないだろうか。もともと合理性などとは最も遠いところにある存在なのだ。レンタカーやカーシェアリングとの違いがそこにある。
洗車や手入れなども面倒なことには当たらず、それ自体が体験であり、楽しみと変わっていくからだ。自分で工具を使って修理している過程で、昔のクルマならではの構造や設計などの違いを体得していくことにもなる。共同所有では、そこまで及ばないのではないか。面倒で厄介なトラブルが起きれば起きるほど、将来、それが思い出となった時には甘美なものに発酵している。
また、システムは良く考えられて改良されたようだが、次は共同所有した顧客たちが楽しめる機会を設けることが必要になるだろう。
創立者で代表取締役CEOの浅岡亮太氏は、「10月に、ラリーを予定しています」と答えていた。レンタカーやカーシェアリングの利用者が増えていったのと同じように、クラシックカーの共同所有は浸透していくのだろうか?新しい試みが普及するかどうか注目している。
■関連情報
https://www.rendez-vous.tokyo/
文/金子浩久(モータージャーナリスト)
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
ついにその瞬間がやってきた!!!!! シビックベースの70年代風GTカー[ミツオカM55]が限定100台800万円で販売!!!!! 即売必至か?
マジか…? 新制度導入で「車検」通らないかも!? 10月から始まった“新たな車検”何が変わった? 覚えておきたい「OBD検査」の正体とは
ついにトヨタ「新型セリカ」復活!? 次期8代目登場か… 中嶋副社長「セリカ、やっちゃいます。」宣言! 会長も後押し!? ラリージャパンで語られたコトとは
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
「タイヤの摩耗が早い」「買い取り価格は期待できない」EVにまつわる巷のウワサ6つの真実
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
「ん、ここ工事してなくない?」 高速道路の車線規制“ムダに長い”場合がある理由とは?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
でも今回はそれが無いという。
じゃあ、売買益はどうなるんだ?
運営会社が全部頂戴するって寸法?
そうなるともし車を壊したら、共同オーナーへの詫びに加えて運営会社からも莫大なペナルティが課せられそうで怖いな。