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V6からV8搭載へ ポルシェ・カイエンSクーペ SUVなのにどこか空冷ポルシェを想起させる?

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V6からV8搭載へ ポルシェ・カイエンSクーペ SUVなのにどこか空冷ポルシェを想起させる?

少し角ばって、少しデジタルになった新型 

3代目となるポルシェ・カイエンのマイナーチェンジ版が上陸を果たした。

【画像】ポルシェ・カイエンSクーペ試乗の様子をみる 全37枚

例によってベースモデルのカイエンにはじまり、俊足のカイエンS、そしてカイエン・ターボEハイブリッド等のラインナップがずらりと顔を揃えている。もちろん標準ボディに加えクーペも選ぶことができる。今回試乗したモデルはカイエンSのクーペだった。

現行カイエンのラインナップとしてはベーシックな部類なのかもしれないが、今回のカイエンSクーペは話題性のあるモデルだ。パワーユニットが以前のV6からポルシェ開発による4L V8ツインターボ、最高出力474ps版に変更されているのである。

新型カイエンのブラッシュアップは中身だけに留まらない。一目でわかるのはフロントマスクの変化だろう。最もわかりやすいのはヘッドランプの変更で、より角ばったかたちになりタイカンを思わせる表情になっていた。それに合わせフロントバンパーも少し角ばった他、ボンネットやフェンダーアーチの形状にも手が加えられている。

室内も外観と同じくらい手が加えられている。ダッシュパネルが室内幅いっぱいのワイドな平面タイプになり、スクエアな外観との整合性を高めている。また平面はフルデジタルコクピットのパネルを収めやすくする効果もある。スイッチ類もパネル内に収納され、すっきりとしつつ高級感が高まっていた。

今回のマイチェンは手が込んだものになっているが、それこそポルシェがカイエンに対して抱く期待の大きさを表していると思う。

その質感、想像するのは空冷のあのクルマ

ボディは大きく背も高いが、運転席への乗降性は悪くない。ホールド性の高いシートに腰掛けると目の前にはカイエンというよりポルシェの世界観が広がっている。

今回はいよいよ、左手を伸ばした先にシフトレバーがない。シフトはメインモニター脇に移設され、そのサイズも911のPDKに似た小さなツマミ程度になってしまったのだが、そんな操作系だけでも「新型!」という雰囲気は伝わってくる。

ポルシェはボディの鉄からアルミへの材料置換でもそうなのだけれど、急にはやらないけれど機会があるたびに着実に推し進めてくる感じ。コクピットのデジタル化もかなりのところまで来ている。

走り出してからしばらく経って「なんだか993みたいだな」と思いはじめた。つまりボディ全体が引き締まって感じられ、アイポイントは思いのほか低く、そして車体の中心に金属の塊から削り出したような硬さ、重量感を感じる。この最後の塊感のところが水冷ではなく空冷時代の感覚なのだけれど、驚いたことに今回のカイエンSにはそれがあった。

しかもかなり速い! 直進時はもちろんステアリングが少し切れていても、スロットルを踏み込めば、ロールがユラッと来る前に車体がぐんぐんと前に出ていく。その少々強引なくらいのスピード感覚は、少し前に試乗したカイエン・ターボGTによく似ていた。

あちらはニュル最速タイムを叩き出したカイエンのGT3RSのようなモデル。でも今回のカイエンSクーペにもそれと似た印象、スピード感が備わっていて驚かされた。

ポルシェの純度、矛盾によって高まる?

ドイツ人には物事を理論的に捉え、モノ作りを進める印象がある。

だがポルシェに関してはそうとばかりも言っていられない。何しろ創業以来リアエンジンのレイアウトと大パワーの整合性を取ろうと孤軍奮闘しているようなメーカーなのである。

それと似た矛盾を、今回のカイエンSにも感じた。それはSUVでありながらそれを必死に否定し続けているような感覚。エアサスによって目いっぱい車高を下げ、後輪操舵のオプションによって時にホイールベースをなかったことにする。また911やケイマンに通じるコクピットの意匠によってスポーツカーならではの緊張感をプラスする。

SUVでニュルブルクリンクにアタックすると聞くと荒唐無稽に聞こえるが、カイエンSクーペのステアリングを握れば考えが変わるはず。交差点でとなりに並んだスポーツカーに圧倒的な加速を見せつけてやろう! くらいの気持ちが湧いてくるのは仕方がないことだろう。

新たに搭載されたV8ツインターボの474psというスペックもさることながら、ボディを揺らつかせることなく加速につなげるシャシー性能は驚愕ものといえる。

その結果として、カイエンSクーペのドライブフィールはよりスポーツカーライクな方向=まるで993を思わせるような動的質感へと深化を果たしたのだと思う。後期型ではなく敢えて新型と記したい。それくらいSUV離れした完成度といえるだろう。

試乗車のスペック

価格:1644万円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4930×1983×1678mm
最高速度:273km/h
0-100km/h加速:4.7秒
駆動方式:4WD
車両重量:2190kg
パワートレイン:V型8気筒DOHC 3996cc+ツインターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:474ps/6000rpm
最大トルク:61.18kg-m/2000~5000rpm
ギアボックス:8速オートマティック
タイヤサイズ:285/40ZR22(フロント)315/35ZR22(リア)

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