世に出てくるタイミングが悪かったのか、同じカテゴリーの人気者のおかげで割りを食ったか。人気がないせいで本来もっと評価されていい点がなかなか見えてこない車はたくさんある。だが、「人気のない車=悪い車」では必ずしもない。
むしろ「オレ(私)だけが知っているコイツのこんなにいいところ」が車に愛着を持たせ、長く生活を共にするきっかけになったりもする。自分にとっての“いい車”とは人と競うものでもない。
日産車の長寿高齢化が激しすぎる! モデルチェンジサイクル長すぎ問題に喝!
そこで、月販平均1500台以下の車から編集部が「これは」思う車20台をピックアップ、こんなにいいところを持ってるんだぜ! という「『誉め』ポイント」を、片岡英明氏と渡辺陽一郎氏に挙げてもらった。そのポイントが気に入れば「買い」のクルマにもなるはずだ。
クルマ全体の評価点も★(満点:5つ)で付けてもらったので、こちらもぜひ参考にしてほしい。
※車名の横の( )は2018年1~7月の1カ月平均販売台数です
※本稿は2018年8月のものです
文:渡辺陽一郎、片岡英明/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2018年9月26日号
■TOYOTA ポルテ/スペイド(1009台)
●渡辺陽一郎の『褒め』ポイント!
左側に開口幅が1020mmの電動スライドドアを装着した。この部分の床面地上高は300mmと低く、高齢者の乗降に優しい。福祉車両に近い機能を備える。
●片岡英明の『褒め』ポイント!
スライドドアは助手席側だけだが、子育てママには安全だ。子どもが車道側に飛び出すことがない。ハイブリッド車は街中を中心とした走りで燃費がよく快適。
クルマ全体の評価点…★★★★☆(渡辺氏)/★★★☆☆(片岡氏)
■TOYOTA プレミオ&アリオン(1494台)
●渡辺陽一郎の『褒め』ポイント!
貴重な5ナンバーセダンで、ホイールベースが2700mmに達するから後席も広い。運転しやすいサイズで居住性は快適だ。内装はていねいに仕上げた。
●片岡英明の『褒め』ポイント!
オーソドックスなデザインだが、飽きがこない。小型車サイズで日常の取り回し性に優れ、乗り心地も穏やかだ。インテリアは不満のない広さで見栄えもいい。
クルマ全体の評価点…★★☆☆☆(渡辺氏)/★★☆☆☆(片岡氏)
■TOYOTA マークX(347台)
●渡辺陽一郎の『褒め』ポイント!
クラウンよりも小さな後輪駆動セダンで、運転感覚が楽しい。250GはV型6気筒2.5Lエンジンを搭載して実用装備も充実させ、価格は300万円以下だ。
●片岡英明の『褒め』ポイント!
素直なハンドリングが持ち味のFR車で、運転する楽しさがある。車格と装備内容を考えると買い得感が高く、押しも強い。ブランドイメージも浸透している。
クルマ全体の評価点…★★☆☆☆(渡辺氏)/★★★☆☆(片岡氏)
■NISSAN キューブ(664台)
●渡辺陽一郎の『褒め』ポイント!
全長は4m以下で運転しやすく車内は広い。内装は和風がモチーフで、ガラスルーフとSHOJI(障子)シェードを装着すると車内が柔らかい光で満たされる。
●片岡英明の『褒め』ポイント!
ソファ感覚のシートは快適に座れ、日常のスピード域では扱いやすく乗り心地もソフト。横開きのリアゲートは狭い場所で荷物を積みやすい。積載能力も高い。
クルマ全体の評価点…★★★☆☆(渡辺氏)/★★☆☆☆(片岡氏)
■NISSAN ティアナ(276台)
●渡辺陽一郎の『褒め』ポイント!
前輪駆動のLサイズセダンだから、後席を含めて車内が広い。2.5Lエンジンは実用回転域の駆動力が高く、長いホイールベースと相まって安定性も良好だ。
●片岡英明の『褒め』ポイント!
キャビンは広く、助手席には電動オットマンを装備する。インテリアの質感も高い。後席も快適に座れ、ロングドライブでは快適だ。静粛性も満足できる。
クルマ全体の評価点…★★☆☆☆(渡辺氏)/★★★☆☆(片岡氏)
■NISSAN スカイライン(283台)
●渡辺陽一郎の『褒め』ポイント!
低重心のワイドなボディで安定性が優れている。2Lのターボエンジンは3.5L並みの動力性能を発揮する。外観は鋭角的で内装もスポーティな印象だ。
●片岡英明の『褒め』ポイント!
ダイレクトアダプティブステアリングのスポーティなハンドリングと6気筒ハイブリッド車の気持ちいい加速フィール。パンチ力があり、運転するのが楽しい。
クルマ全体の評価点…★★★☆☆(渡辺氏)/★★★★☆(片岡氏)
■NISSAN エルグランド(657台)
●渡辺陽一郎の『褒め』ポイント!
インパネと1/2列目のシートは、車内の広い上質なLサイズセダンを思わせる。2.5Lエンジンは実用回転域に余裕があり、背が高いわりに安定性も良好だ。
●片岡英明の『褒め』ポイント!
低重心設計による軽快なハンドリングとどの席に座っても快適な座り心地。3列目でも広く、ゆったりと座れる。ウォークスルーしやすいシート配置も魅力だ。
クルマ全体の評価点…★☆☆☆☆(渡辺氏)/★★★☆☆(片岡氏)
■HONDA ジェイド(5月モデルチェンジ/249台)
●渡辺陽一郎の『褒め』ポイント!
1.5Lのターボ、ハイブリッドともに動力性能が高く、ワイドなボディで安定性も優れる。2列シート仕様の後席は、座り心地が適度に柔軟で快適だ。
●片岡英明の『褒め』ポイント!
ワゴンのようにスポーティなハンドリングで、1.5Lの直噴ターボはパンチ力もある。立体駐車場を使えるのも魅力のひとつだ。2列目までは広くて快適である。
クルマ全体の評価点…★★☆☆☆(渡辺氏)/★★★★☆(片岡氏)
■HONDA アコード(153台)
●渡辺陽一郎の『褒め』ポイント!
モーター駆動が中心だから、アクセル操作に対する反応がすばやく、動力性能は3.5L並みに感じる。LXのJC08モード燃費は31.6km/Lと優秀だ。後席も広い。
●片岡英明の『褒め』ポイント!
モーター走行の領域が広く、力強い加速性能を身につけている。実用燃費も良好だ。北米がメイン市場だからキャビンは広く、前席に加え、後席も快適。
クルマ全体の評価点…★★★☆☆(渡辺氏)/★★★★☆(片岡氏)
■HONDA レジェンド(104台)
●渡辺陽一郎の『褒め』ポイント!
全長が5mを超えるから前後席ともに快適だ。後輪をモーターで駆動する4WDを備えて安定性が優れ、ミドルセダンの感覚で走れる。高機能なわりに価格は安い。
●片岡英明の『褒め』ポイント!
SH-AWDによるスポーティで安定したハンドリングが魅力だ。ボディの大きさを感じさせない。前席だけでなく後席も広く、快適だ。トランクも充分な広さ。
クルマ全体の評価点…★★★☆☆(渡辺氏)/★★★☆☆(片岡氏)
■MAZDA アテンザセダン&ワゴン(5月モデルチェンジ/239台)
●渡辺陽一郎の『褒め』ポイント!
2.2Lのクリーンディーゼルターボは、ガソリンエンジンでいえば4.5L並みの駆動力を発揮して燃料代は1.5Lと同等だ。安定性が優れ安全装備も充実する。
●片岡英明の『褒め』ポイント!
エンジンは洗練度を高め、ディーゼルターボは4L級のトルクの持ち主だからパンチ力も文句なし。きめ細かい改良によってハンドリングも軽快感を増した。
クルマ全体の評価点…★★★★☆(渡辺氏)/★★★★☆(片岡氏)
■SUBARU レガシィB4&アウトバック(738台)
●渡辺陽一郎の『褒め』ポイント!
後席を含めて居住性が優れ、内装は上質だからリラックスできる。17インチタイヤ装着車は、乗り心地と安定性のバランスもいい。安全装備を充実させた。
●片岡英明の『褒め』ポイント!
全方位の優れた安全性能が自慢で、アイサイトも洗練度が高い。また、4WDならではの安心感のある走りもチャームポイントだ。キャビンと荷室も広い。
クルマ全体の評価点…★★★★☆(渡辺氏)/★★★★☆(片岡氏)
■SUBARU WRX S4(307台)
●渡辺陽一郎の『褒め』ポイント!
高性能スポーツセダンでは、最も推奨できるクルマだ。4WDの採用もあって動力性能と安定性が優れ、視界と取り回し性、後席の居住性まで満足できる。
●片岡英明の『褒め』ポイント!
DOHCターボの刺激的なパワーフィールと意のままに操ることができる気持ちいいハンドリングが最大の売りだ。アイサイトに代表される安全装備も充実。
クルマ全体の評価点…★★★★★(渡辺氏)/★★★★☆(片岡氏)
■MITSUBISHI ミラージュ(50台)
●渡辺陽一郎の『褒め』ポイント!
エンジンは1.2Lで車重は900kgと軽く、加速感が軽快だ。全長は3795mmと短く、最小回転半径は4.6mだから運転しやすい。フロントマスクは個性的だ。
●片岡英明の『褒め』ポイント!
初期型より質感が高められ、メカニズムにもメスを入れたので買い得感が増した。1.2Lの3気筒エンジンを搭載して、余裕ある走りを手に入れている。
クルマ全体の評価点…★★☆☆☆(渡辺氏)/★★☆☆☆(片岡氏)
■MITSUBISHI アウトランダーPHEV(8月23日モデルチェンジ/417台)
●渡辺陽一郎の『褒め』ポイント!
ハイブリッド車で急速充電も可能とする。駆動用電池の総電力量は13.8kWhで、航続可能距離に余裕を持たせた。4輪をモーターで駆動して走行安定性も高い。
●片岡英明の『褒め』ポイント!
気持ちいいモーター走行フィールとSUVとして高い実力。最新モデルはエンジンの排気量をアップし、制御も進化させたから走りの質感が大きく向上した。
クルマ全体の評価点…★★★★☆(渡辺氏)/★★★★☆(片岡氏)
■SUZUKI SX4 S-クロス(133台)
●渡辺陽一郎の『褒め』ポイント!
全長は4300mmと短いから取り回し性が優れ、ホイールベースは2600mmを確保したから後席の足元空間にも余裕がある。ATは6速で速度の調節もしやすい。
●片岡英明の『褒め』ポイント!
最新モデルは6速ATを得て、ダイレクト感のある気持ちいい加速フィールを手に入れた。オールグリップの高い走破性も魅力だ。舗装路の走りもしたたか。
クルマ全体の評価点…★★☆☆☆(渡辺氏)/★★★☆☆(片岡氏)
■SUZUKI イグニス(552台)
●渡辺陽一郎の『褒め』ポイント!
ボディが短く、最小回転半径も4.7mだから混雑した街中でも運転しやすい。車両重量は900kg以下で足回りは硬めに設定され、運転感覚はスポーティだ。
●片岡英明の『褒め』ポイント!
コンパクトサイズで、都市部でも運転しやすい。ハンドリングもヨーロッパ車のキビキビとした感覚だ。マイルドハイブリッドは軽快に走り、実用燃費もいい。
クルマ全体の評価点…★★★☆☆(渡辺氏)/★★★☆☆(片岡氏)
■SUZUKI エスクード(223台)
●渡辺陽一郎の『褒め』ポイント!
前輪駆動をベースにしたシティ派SUVだが、悪路の走破力も相応に高い。車間距離を自動制御できるクルーズコントロールなども備えて価格は割安だ。
●片岡英明の『褒め』ポイント!
1.4Lの直噴ターボは2Lクラスのパワー感があり、多人数乗車でも余裕がある。悪路だけでなく山岳路や高速道路も余裕でこなすオールマイティな実力派だ。
クルマ全体の評価点…★★★☆☆(渡辺氏)/★★★☆☆(片岡氏)
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