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F1やWRCの「コスワース」仕立ての怪物市販車! 英国SUBARU公認の「WRX STI CS400 Cosworth」が凄すぎて笑う

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F1やWRCの「コスワース」仕立ての怪物市販車! 英国SUBARU公認の「WRX STI CS400 Cosworth」が凄すぎて笑う

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■「インプレッサWRX STi CS400 Cosworth」は英国SUBARUとコスワース社の共同開発により誕生

スバル車ならなんでも大好き……なハズのスバリストからも見放されたスバル車3選

■3代目WRX STIのコンプリートカーであり生産台数はわずか75台

■0-100km/h加速タイムは歴代WRX最速であるなどその中身は驚くべきものだった

 0-100km/h加速は歴代WRX最速の3.7秒

 先日、北米仕様が公開された次期型WRX。SUBARUのトップスポーツモデルとして30年近くにわたり注目を浴び続けており、新型の性能や乗り味が気になるところ。WRXは時代が変わっても常に高い人気を博し続けているが、今回は歴代WRXのなかでもとりわけ印象深くて衝撃的、かつレアな1台を思い出してみた。

 それは「インプレッサWRX STi CS400 Cosworth」だ。2010年に英国SUBARUとコスワース社の共同開発により誕生した3代目WRX STI(GRF型)のコンプリートカーで、わずか75台の生産台数や、ノーマル比100馬力アップの400馬力、3.7秒とされる0-100km/h加速タイムは歴代WRX最速であるなど、クルマの内容もすごかったが、何よりも驚いたのはコスワースがWRXのチューンを手がけたことだった。

 コスワースと言えば、一般的にはF1のエンジンサプライヤーとしてあまりにも有名だ。しかし、90年代のWRC参戦黄金期からのSUBARUファンにとっては、WRCのグループA時代に宿敵として戦ったフォード・エスコートRSコスワースのほうがはるかに印象深いという人も多いはず。

 フォード・エスコートRSはランチア・デルタなどと同じく欧州Cセグのハッチバックのエボモデルで、2リッターターボの直4を縦置きにして4WD化し、ホモロゲ取得モデルを発売。クソ重い鋳鉄ブロックでフロントにトラクションをかけながら、ギャレット製の巨大なタービンで豪快に加速させていた。フランソワ・デルクールやミキ・ビアシオンらトップレベルのドライバーの手にかかると高い戦闘力を発揮し、とくにターマックラリーでは当時のWRXの難敵として立ちはだかった。あのトミ・マキネンのWRC初優勝マシンとしても印象深い。SUBARUファン的には、コスワースはWRCで高い戦闘力を発揮するエンジンを生み出した豪腕チューナーとのイメージが強いのだ。

 2010年といえばSUBARUはWRCからすでに撤退していたものの、まだ黄金期の余韻が残る時期でもあったので、コスワースがWRXのチューンドカーを仕立てたと聞いた時の衝撃は本当に大きかった。そんなCS400は日本に3~4台ほど輸入され、ひっそりと一部のマニアの間で乗り継がれている。筆者の知人が所有していたこともあり、また中古車として販売されている状態で取材をした経験もあるが、ハイチューンながら極めて完成度の高いコンプリートカーだった。

 ピークパワーの炸裂感が凄まじい!

 外観は専用のリヤスポイラーと18インチアルミ、フレッシュエア吸入効率を高めるグリル類のメッシュ化程度で、ノーマルとの識別点は意外と少ないが、エアクリーナーがフロントフェンダー内に配置されるところはレーシングマシンのファクトリーらしさを感じさせるポイント。

 ブレーキはAPレーシング製で、フロントはキャリパーが6ピストン、ローターは355mmの大容量を誇る。APレーシング製ブレーキはWRCグループA/WRカー時代のWRXが採用していたこともあり、まさに垂涎と羨望の仕様だ。サスペンションはアイバッハ製スプリングとビルシュタインダンパーを専用チューンしたもので、これまたWRCマシンのWRXイメージが強い組み合わせだ。車高はノーマル比10mmダウンと控え目だった。

 内装は、レカロ製バケットシートやグロスブラックのトリムパネルを採用。「コスワース」のエンブレムが、フロントバンパーやダッシュボードにあしらわれる。

 もっとも強烈なのはやはり走りの印象で、低回転時から発生する底知れぬ極太なトルクと、3700回転付近から急激に立ち上がるハイブースト車ならではのピークパワーの炸裂感は、市販されたなかでは歴代どのWRXよりも凄まじいレベルにある。身体がシートバックに張りつきっぱなしになる加速Gや、パワーの炸裂とともに高まるタービン音やブローオフ音がもたらす快感もさることながら、途方もない大パワーをしっかり受け止めるサスペンションや、強力無比の制動フィールが得られるAPレーシング製のブレーキの圧倒的な信頼感もまた強烈な印象として残る。過激なチューンドカーながらエンジンパワーだけを突出させず、クルマ全体の性能を高度にバランス良く引き上げたコンプリートカーだったのだ。

 英国SUBARU公認の市販車ということで、取り扱いや整備に特殊な要件は求められないところは、一般的なチューンドカーとは一線を画すポイント。室内パッケージングやSIドライブ、DCCDなど居住空間や室内の装備類は基本的に国内仕様と変わらず、並行輸入車ながら、整備や修理は全国のSUBARU正規販売店で普通に受けられたという。マフラーの音量なども問題なく国内基準をクリアしているので、車検も特に心配なし。消耗パーツ類もおおむね国内の3代目WRX STI(GRB)と同じだ。ただし、さすがにコスワースの専用パーツやエンジンのコンピュータは入手困難となる。

 2021年9月現在、中古車検索サイトを見てもヒットしなかったが、おそらく今も日本のどこかで1~2台が存在しているはず。いつの日か、あの勇姿を再び拝みたいものである。

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