広々室内空間とユーティリティ性が充実した軽自動車が人気
2020年の新車販売台数ランキングが発表され、登録車を含むすべての新車のトップに立ったのは、軽自動車のホンダN-BOX。なんと、4年連続となる快挙です。このニュースを聞いて、皆さんはいかがでしょうか? 街なかを見渡しても、すぐにたくさんのN-BOXを見つけることができるので、納得という人も多いかもしれませんね。
乗るたびに惚れ直す! けっして高額じゃないのに内装がオシャレすぎる軽&コンパクトカー5選
このN-BOXは、軽自動車のなかでもルーフが高く、最大級の室内空間を特徴とする乗用タイプで、両側スライドドアやフレキシブルなシートアレンジによって、ファミリーをはじめ幅広い世代に使いやすい「スーパーハイトワゴン」というカテゴリーに属します。
もともと、ダイハツ・タントやスズキ・スペーシア(旧パレット)といった、子育て世代をメインターゲットとしたモデルが人気を集め、軽自動車と比べて燃費が悪く維持費も高めのミニバンからダウンサイジングするユーザーが増えていました。加えて、アウトドアブームでたっぷりの荷物を積みたいシングル世代や、高齢者も快適に乗せられるので介護世代、長く乗れるのでライフスタイルが変わりやすい女性からのニーズもあり、どんどんと市場が拡大。
今では日産ルークスや三菱eKクロススペース、ダイハツ・ウェイクなど、いろんなタイプのスーパーハイトワゴンが揃っています。どれも一度乗ると「これで十分だね」と満足するどころか、下手なコンパクトカーやセダンより広いし、荷物も積めるし、維持費もリーズナブルだし、「次もこれがいい」というリピーターも多くなっているのが現状なんです。ひと昔前なら、ファミリーのファーストカーが軽自動車、というのは少数派だったと思いますが、今じゃ当たり前。逆に独身世代がスライドドア車に乗ることも、とくに不思議ではない空気になっています。
そうなると、「じゃあコンパクトカーって誰が乗るの?」という疑問が出てくるかもしれません。2020年からトヨタ・ヤリス(旧ヴィッツ)、ホンダ・フィット、日産ノートとメーカーの看板車種とも言えるコンパクトカーが、続々とフルモデルチェンジして登場しました。巷ではSUV人気がまだまだ健在で、コンパクトカーには逆風かと思いきや、販売台数を見るとヤリスが登録車(乗用車)1位、フィットが4位、ノートが9位にランクイン。コロナの影響もあり大ヒットとまではいきませんでしたが、それでもなかなか好調な売れ行きと言える結果となっています。
ファミリーカーの代表格であるミニバンも販売台数が減少
というのは、じつは優秀な軽自動車が増えて販売台数を伸ばしている陰で、割りを食っているのはコンパクトカーではなく、セダンとミニバンなのです。ひと昔前なら、子どもが生まれたら当然のようにミニバンを買う人が大勢いたものですが、それに取って代わったのが、N-BOXに代表されるスーパーハイトワゴン。しかも、すでにミニバンに乗っていた人たちも、次に買うときにはスーパーハイトワゴンがいいよね、という流れができつつあります。
そしてミニバン以前のファミリーカー代表だったセダンに至っては、もともとすでに需要が減っていたところに、ユーザーのボリュームゾーンだった団塊世代がリタイヤし、年金生活に伴って維持費が抑えられる軽自動車に移行していくという現象が。デザインなどで若返りを図り、若年層のユーザー獲得を狙ったセダンもありましたが、残念ながらどれも失敗に終わったと言わざるを得ません。
これは新車販売台数の推移を見ても明らかで、たとえば2017年1~12月の総合ランキングでは、販売台数1位はトヨタ・プリウスでした。トップ10には大人気ミニバンだったトヨタ・ヴォクシー、日産セレナもランクイン。セダンのなかではトヨタ・クラウンが28位と、かろうじて30位以内を守っていたのです。
しかし3年経過した2020年の1~12月総合ランキングでは、上位を占めたモデルは前述のとおり、コンパクトカーだらけです。プリウスが12位、ヴォクシーが10位、セレナが11位と沈み、クラウンに至っては32位に後退。ついにセダンとしてのクラウンは生産終了のウワサまで出てしまいました。
ミニバンではただ1台、ラグジュアリーLクラスミニバンのトヨタ・アルファードが5位と健闘していますが、これも法人需要がクラウンからアルファードにシフトしていることが理由のひとつにあります。そのほか、フリード、シエンタといったコンパクトミニバンはトップ10に入っており、SUVでもコンパクトクロスオーバーのライズが2位と、コンパクトサイズのモデルばかりが売れたことがわかります。
その大きな理由として、これは推測の域を出ませんが、Mクラス以上のミニバンやセダンに乗っていたユーザーが、軽自動車の優秀な評判を聞いて乗り換えを検討した結果、「ちょっと物足りないかな」と判断した人たちがコンパクトクラスに流れたのではないか、ということです。
軽自動車とコンパクトカーが日本の環境に合っている!
やはり軽自動車にはボディサイズや排気量などの規定があるため、室内が広いとは言っても4人乗りが限度。ターボエンジンなど昔よりパワフルではあるものの、フル乗車で荷物を満載にすれば厳しいシーンもあるものです。また、登録車よりも開発コストがシビアで、販売価格を抑えるために装備内容も厳選している傾向があるため、それまで使っていた装備が軽自動車では選べなかったり、高速道路などでの快適性に物足りなさを感じたり、ということもあろうかと思います。人によって「ここは妥協したくない」というポイントはさまざまなので、軽自動車では満足できない場合もあるのではないでしょうか。
そうした場合に、5人乗りや3列シートも選べ、装備も充実しているコンパクトクラスなら条件を満たせるということで、軽自動車にダウンサイジングしきれなかった人たちの受け皿として、コンパクトカーが選ばれた可能性は大きいと思います。セダン離れやミニバン離れが進み、軽自動車とコンパクトカーが新たなニーズに応えている状況だと考えられます。
そしてもうひとつの理由として、全体的にクルマのボディサイズが大型化していることと、クルマの価格が高騰していること、そして高齢化社会との関係性も見えてくると思います。日本の道は狭い路地が多く、駐車場の枠も昔からの場所はタイトですよね。でも、クルマは年々厳しくなる安全基準を満たすためなどで、大きくなっています。それまで乗っていたモデルの新車に乗り換えようと思ったら、サイズが大きくなってしまって自宅の駐車場に収まらなくなり、泣く泣くワンサイズ小さなモデルにした、という話も珍しくありません。また、高齢になって体力や動態視力が衰えてくると、大きなクルマの運転が不安になってくるという理由もあるでしょう。
さらに、若年層の所得はいっこうに上がらず、子育て世代は将来への不安から出費を抑える傾向にあり、年金生活に入る高齢者も増えていくなか、価格が高騰している新車を買うのはなかなか大変。予算内に収めようとすると、コンパクトカーか軽自動車しか選べない、という話もよく聞きます。
こうした理由から、N-BOXをはじめとした良すぎる軽自動車が大量に登場しても、コンパクトカーはやっぱり必要な存在なのです。むしろ、現在の私たちのカーライフは軽自動車とコンパクトカーが支えている、と言ってもいいほどかもしれません。そしてもっと言えば、軽自動車とコンパクトカーのなかにミニバン、セダン、SUV、スポーツカーといったあらゆるジャンルが存在し、選ぶ楽しみもちゃんと私たちに与えてくれています。
無理をして大金を払わなくても、実用性やコスパを重視しながらでも、いろんなデザインやタイプから好きなクルマが選べるのは、軽自動車とコンパクトカーの大きな魅力。これからもっともっと、良すぎる軽&コンパクトが登場することを期待しています。
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タントJC08モード30km/ℓは絶対走りません。10~15km/ℓでした。