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1位はスズキ ジムニー&ジムニーシエラ!──2018年の「我が5台」 Vol.7 橋本洋平編

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1位はスズキ ジムニー&ジムニーシエラ!──2018年の「我が5台」 Vol.7 橋本洋平編

ラダーフレームによって高い悪路走破性を実現する一方で、ラダーフレームのクルマにありがちな応答遅れやヨレを排除し、“フツー”に乗ってもかなり快適になったのが新型ジムニーだ。

決して目新しい技術を投入しているわけではないが、完成度の高さはなかなか。その内容だけでもスゴイが、ルックスも初代を彷彿とさせる「これぞジムニー!」といった感じに仕上げた点もマルだ。

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「国産だから……」、「スズキだから……」、なんて言っていた人も思わず指名買いするほどの大ヒットで、納期も一時は年単位だったと聞くから驚くばかり。本気になって軽自動車を作ったら、輸入車好きも振り向くモデルになったのだから、今回のフルモデルチェンジは大成功だ。

こんな国産車、なかなか登場するもんじゃない。後世に語り継がれる名車になりそうな予感すらしてくる1台だ。

プラットフォームを刷新したコンパクトSUVのボルボ XC40は、兄貴分のXC60やXC90などのボルボ上級SUVとは違った路線で造り込んできたのが好感触だった。輸入車はラインナップの“上”から“下”まで同じ方向性で仕上げるブランドが多いが、ボルボはそうしなかった。

XC40は「コンパクトクラスにはコンパクトクラスならではの世界がある!」と、言わんばかりの独自性が魅力だ。内外装のデザインは秀逸だし、快適装備も充実する。先進安全装備は上級モデルとほぼ同じ内容だ。それでいて、毎日履くスニーカーのように、気負わず“履ける(乗れる)”馴染みやすさが絶妙。

また、グレード体系も独自性が光る。「モメンタム」と呼ぶ、価格的には安価なグレードでも、ボディ&インテリアカラーなどで独自の世界観を構築し、価格的ヒエラルキーを打破したのが驚きだった。あえて安いものを選んでも大いにアリな点もXC40の大きな魅力だ。

1979年の登場以来、基本的にはずっと同じ骨格で頑張ってきたGクラスがついにフルモデルチェンジした。たとえ古い骨格でも、現代の安全装備や快適装備を盛り込んで頑張ってきた先代もまた、それはそれで魅力的であったが、新型に乗ってその考えが吹き飛んでしまった。やはり根本から造り直したクルマのデキは凄い! 

ラダーフレームからボディまでのねじり剛性は、先代に比べて55%も向上したおかげもあって、舗装路から悪路まで足がシッカリと動き、かつ乗り味はかなりマイルドになった。ステアリングも、ボール&ナットからラック&ピニオンに変更した結果、正確性も格段に向上した。まるで、モノコックボディを持つクルマのように一体感ある走り味を手にした新型Gクラスなら、いつでもどこでも違和感なく走れるはずだ。

ロードスターRFのマイナーチェンジモデルは驚きだった。まず、搭載する2.0リッター直列4気筒エンジンを、今回のマイナーチェンジで大幅に改良。ピストンやコンロッド、そしてクランクシャフトまで手をくわえた。おかげで回転フィールは一気に良くなり、日常域から軽やかに。これまでのエンジンはあまり高回転を許容せず、6800回転しか回らなかったため、スポーツカーのエンジンとしてはストレスが溜まるスペックだったのだ。

新しいエンジンは、その気になれば7500回転までキッチリ回るようになったし、マフラーなどの変更もあって“音”も五感に訴える官能的な仕上がりになった。

昨今、“高回転”や“音”を楽しめるモデルが少なくなるなか、これらのテーマに真摯に取り組んだマツダは素晴らしい。

半年前、またもやユーノス ロードスターを購入してしまった。“ロードスター”と、名がつくクルマを自分のガレージに収めるのはこれで通算6度目。しかも、初代ロードスターは4度目だ。

さまざまなクルマを味わっておきながらも、あらためて「また買おう!」と、思ったきっかけは、マツダが開始した「NAロードスターレストアサービス」だった。メーカーが後世にも初代ロードスターを残そうと決意し、くたびれたユーノス ロードスターをふたたびマツダの工場(広島)へ迎え入れ、蘇らせるサービスは、フルレストアでおよそ約500万円。しかし、これだけの体制が整えられたクルマならば、また乗りたい! と思うのが人情ってもの。

しかも、初代ロードスターはボクにとってはじめての愛車だった。このクルマでドライビングテクニックのイロハを学んだのも懐かしい。レストアサービスを知ったのにくわえ、ボク自身のさまざまな思い出も手伝い、いてもたってもいられなくなってしまった。結局、中古車店に向かい購入することに。

現代のクルマに比べればあらゆる部分がチープで非力な初代ロードスターであるが、今ではなかなか味わえない車重900kg台の軽快さはたまらない。いつかきちんとレストアして、長く付き合いたい1台だ。

【著者プロフィール】
橋本洋平(はしもとようへい):自動車雑誌の編集部を経て、2003年からフリーランスとして活動を開始。「GAZOO Racing 86/BRZ Race」をはじめ、さまざまなレースに現在も参戦し好成績を収める。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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