■トヨタのコンパクトSUVで“下剋上”が起きている?
トヨタは2020年8月現在、コンパクトSUVとしてライズとC-HRをラインナップしています。ライズは2019年11月に発売されたので、2台がそろってラインナップされている期間は半年以上になります。
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それぞれデザインが大きく異なるほか、サイズもライズの方がC-HRより小さいものの、ほかにもユーザー目線で見たときに重要な違いがあるといいます。ユーザーからの反応があるというその違いとは、いったいなんでしょうか。
ライズは、ダイハツが開発した「ロッキー」のOEM車として、トヨタから発売されたモデルです。
日本自動車販売協会連合会の発表する販売台数ランキングによると、ライズは2020年上半期(1月から6月まで)に5万8492台を販売し、ランキング首位を獲得。2020年7月のランキングでも2位(5万8492台)と、売れ行きは極めて順調となっています。
ちなみに、ロッキーも販売が好調で、2020年上半期は1万7455台を販売し、ダイハツ登録車のなかで最上位のランキング21位となっています。
ライズのボディサイズは全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mm(ロッキーと共通)。搭載されるパワートレインは1リッターターボのみです。
ダイハツによって開発されたクルマではあるものの、フロントデザインはライズ独自のものが与えられ、台形のロアグリルがボディのワイド感を強調。トヨタのデザインコンセプトである「キーンルック」の要素も感じられるものになっています。
そしてボディ全体を見ると、厚みのあるロアボディが印象的で、スクエアかつワイルド系なSUVらしいデザインです。車両価格(消費税込、以下同様)は、167万9000円からです。
一方、C-HRはトヨタが開発して2016年12月に発売したモデルです。2019年10月には初のマイナーチェンジを受けたほか、直近では2020年8月に一部改良されています。
年間販売台数ランキングでは、2017年に11万7299台を販売して総合4位を獲得したものの、その後は2018年に12位(7万6756台)、2019年に15位(5万5677台)となります。マイナーチェンジを受けた後の2020年上半期は19位(1万8389台)、2020年7月は2160台という結果でした。
C-HRのボディサイズは全長4385-4390mm×全幅1795mm×全高1550-1565mm。搭載されるパワートレインは1.2リッターターボと1.8リッター+モーターのハイブリッドのふたつです。
デザインは、デザイナーの想いをそのままの形で実現することを目指して開発。ライズと比べると曲面が強調された造形となり、SUVらしさよりも、スピード感あるキャビン形状が特徴的です。
強く絞り込んだボディや、リアドアハンドルの目立たない造形など、2ドアクーペ的な演出もみられます。従来のSUVとクーペのクロスオーバー的なモデルとも捉えられるクルマといえるでしょう。
車両価格は238万2000円からで、エントリーモデルをライズと比べると約70万円違います。
※ ※ ※
SUVにとって、レジャーシーンなどの場面における使い勝手は重要といわれますが、販売の現場では、「SUVが欲しい」と希望する見込み客にさまざまなヒアリングをして同社のモデルを勧める際、あるポイントがあるといいます。
トヨタの販売店スタッフは次のようにコメントします。
「弊社のSUVを希望するお客さまにヒアリングをするなかで、レジャー用途で使うなど、荷物の量が多くなりそうな方については、ライズを勧めることがあります。
というのも、ライズとC-HRで荷室容量を比較すると、C-HRの方が分が悪くなってしまうからです。ライズはボディサイズがコンパクトなのですが、積載性に優れています」
ライズとC-HRは全長が約40mmも差がありますが、荷室容量をカタログ値で比較すると、ライズは369リッターなのに対し、C-HRは318リッター(ともに5名乗車時)。
ライズはコンパクトSUVのなかでもとくに小さいサイズのSUVでありながら、クラストップレベルの大容量の荷室を備えているのです。そのうえ、容量を調整できるデッキボード下収納も装備されています。
C-HRの方が車格は上であるものの、積載性ではライズが逆転しています。一方、C-HRは他社のコンパクトSUVと比べても見劣りしない個性的なデザインが特徴といえるでしょう。
■また新型SUV登場!? 新型「ヤリスクロス」の使い勝手はどう?
ライズとC-HRというふたつのコンパクトSUVがラインナップされるなか、トヨタはさらに新型コンパクトSUV「ヤリスクロス」を2020年9月に投入します。
新型ヤリスクロスはボディサイズが全長4180mm×全幅1765mm×全高1590mm。搭載されるパワートレインは1.5リッターと1.5リッター+モーターのハイブリッドです。
外観は、シンプルながらもタイヤの踏ん張り感が感じられ、SUVらしさ溢れるデザインで、荷室容量は5名乗車時で390リッターと、ライズを上回るスペースを確保しています。
さらに、同社のコンパクトSUVとして初となるリア シート「4:2:4分割可倒式」の採用により、長尺物を積んでも大人4人がゆったり移動できるなどの工夫もあります。
すでに予約受注はスタートしており、前出のトヨタの販売店スタッフに話を聞くと、「すでに数多くのSUVがラインナップされていますが、ヤリスクロスも新型車ということで期待しています。ほかのクルマを見に来たお客さまに新型ヤリスクロスを案内すると、心変わりして新型ヤリスクロスを予約する方もいます」と話します。
トヨタのラインナップのなかだけでもすでに“SUV戦国時代”の様相を呈していますが、2020年の下半期はどのモデルが一番人気となるのか注目されます。
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みんなのコメント
してもらえるのでメリットばかり。
以前のように販売チャンネルが別々なら、そうはいかなかった。