■アライアンスで開発した新世代プラットフォームを採用
2021年10月28日、三菱は新型「アウトランダー」PHEVモデル(以下、新型アウトランダーPHEV)を発表しました。2013年1月に初代アウトランダーPHEVが発売されて以来、約9年ぶりの全面刷新となりますが、どんな特徴があるのでしょうか。
【画像】9年ぶり全面刷新! 三菱 新型「アウトランダーPHEV」実車を画像で見る(35枚)
アウトランダー(日本市場で初代は「エアトレック」名で販売)は、2001年に発売された三菱初のクロスオーバーSUVで、3世代にわたってグローバルに展開。近年では三菱の販売台数の約2割を占める、コアモデルのひとつに成長しているということです。
そして、3代目アウトランダーより追加設定されたPHEVモデル(アウトランダーPHEV)は、日本市場での発売後、欧州、オーストラリア、北米、そしてASEANなどに順次展開。2021年9月末までの累計販売台数は約29万台を記録しています。
今回フルモデルチェンジした新型アウトランダーPHEVについて、三菱は次のように説明しています。
「『威風堂々』をコンセプトとする新型アウトランダーPHEVは、ボディやシャシ、パワートレインなどすべてを刷新。
『より力強く・より遠くを実現した独自の新世代PHEVシステム』『あらゆる天候や路面状況で安全・安心で快適な走り』『力強く存在感のあるエクステリアと上質で先進的なインテリア』の3点を特徴とし、全方位で大幅に進化させています。
これらにより、力強い走りやゆとりある居住性と多彩な使い勝手といったSUVとしての魅力、力強く滑らかな加速とあらゆる走行状況で安全・安心な走りといった電動車としての魅力の双方を大幅に高めました。
三菱の電動化技術と四輪制御技術の粋を集め、アライアンスで開発した新世代のプラットフォームや先進技術を活用したフラッグシップモデルです」
※ ※ ※
新型アウトランダーPHEVのデザインは、三菱独自のSUVデザインをベースに、新たなコンセプト「BOLD STRIDE(ボールド・ストライド)」を掲げ、堂々とした存在感のある佇まい、大地を踏みしめる力強さ、新しい一歩を踏み出す頼もしさを全身で表現。
外観では、三菱の共通フロントフェイス「DYNAMIC SHIELD(ダイナミック・シールド)」を新世代化させ、存在感を演出しました。
20インチ大径ホイール、それを包み込む筋肉質なフェンダーフレアを採用し、飛行機の垂直尾翼をモチーフとしたDピラーとフローティングルーフによって、力強く軽快な走りを予感させるデザインとしています。
リヤではテールゲートに六角形の形状を取り入れたほか、ワイド感を演出する水平基調でボディの左右両端まで広がるテールランプを採用しています。
ボディカラーに、硬質で高輝度かつ鮮明な3色の「ダイヤモンドカラーシリーズ」を採用。既存の「ホワイトダイヤモンド」「レッドダイヤモンド」そして新型アウトランダーPHEVで新たに追加する「ブラックダイヤモンド」を含む全10色展開としました。
インテリアでは、走行時の車体姿勢の変化をつかみやすい水平基調で力強い造形のインストルメントパネル「HORIZONTAL AXIS(ホリゾンタル・アクシス)」を進化させて採用。
また質感の高いソフトパッドを随所に採用したほか、ステッチをあしらうなど上質感も高められています。
モニターやメーターは視認性に、セレクター、ダイヤル、スイッチ類は操作時の節度感にこだわった「MITSUBISHI TOUCH(三菱タッチ)」という考え方に基づいてデザイン。視覚だけでなく触覚にも訴える上質さを実現しました。
12.3 インチのフル液晶ドライバーディスプレイや10.8インチのウインドシールド投写型ヘッドアップディスプレイ、大型スマートフォン連携ナビゲーションなど利便性の高い装備も各種採用します。
■より長距離のEV走行を可能とした新PHEVシステムを搭載
新型アウトランダーPHEVでは、電動車としての魅力をいっそう高めるためにPHEVコンポーネントを刷新。
フロント及びリアモーター、駆動用バッテリーの出力は約40%高められ、アクセルを強く踏み込むシーンでも極力エンジンを始動せずにEV走行の維持を可能としています。
また駆動用バッテリーは総電力量を20kWhに大容量化。EV走行換算距離を87キロ(WLTCモード、Mグレードの数値)とすることで、エアコンなどを使用した場合でも十分な航続距離を確保。
さらにガソリンタンク容量を増大させ、EV走行とハイブリッド走行を組み合わせた総合航続可能距離も大幅に拡大しました。
フロントモーターのパワードライブユニットに昇圧機能を新採用。供給電圧を高めることで強力な駆動力を発揮し、同時にジェネレーターの発電効率も高めることで電費の低減にも貢献します。
またリアモーターとコントロールユニットを一体化することで、サードシート設置に必要なフロアスペースを確保。7人乗りのシートレイアウトを実現するとともに、ユニットの搭載位置をキャビン外側としたことで高い静粛性も実現しています。
アクセルペダルだけの操作で加減速することができるイノベーティブペダル オペレーションモードを新たに設定。
減速時にブレーキペダルに踏み替える必要がなく、アクセルペダル操作だけで適切な制動力がかかるため、ステアリング操作に集中でき、雪道などの滑りやすい路面などでの安心感を高めています。
車両運動統合制御システムとしてツインモーター4WDをベースとしたS-AWCに、新たに後輪側にもブレーキAYC機能を追加。これにより前後輪の駆動力を路面状態や運転状況に応じて最適に配分しながら、左右輪のブレーキ制御によるトルクベクタリングも前後輪でおこなうことが可能となりました。
ドライブモードとして、路面状況や運転スタイルに応じて選択できる7つのモードを設定。
舗装路での通常走行に最適な「ノーマル」を基本とし、乾燥舗装路でキビキビと加速するアクセルレスポンスと高い旋回性を発揮する「ターマック」、未舗装路や濡れた舗装路での操縦性と走破性をバランスさせた「グラベル」、雪道などの滑りやすい路面で車両挙動を安定させる「スノー」、泥濘路や深雪路で車速に応じてタイヤのスリップ率を最適化することで高い走破性を実現する「マッド」といった路面状況に応じたモードを設定。
また運転スタイルに合わせたモードとして力強い加速が必要な場合の「パワー」、環境に優しく経済的な「エコ」も設定しています。
新開発のプラットフォームと高剛性な衝突安全強化ボディ「RISE」によって、高次元の安全性と操縦安定性を実現。
フロントボディ剛性とねじり剛性を大幅に高め、操縦安定性の向上に大きく貢献したほか、従来の鋼板強度を超えるホットスタンプ式超高張力鋼板(1470MPa)をキャビン回りに採用しました(三菱初)。
また衝突リスクを複数のセンサーで事前に検知し、安全なドライビングをサポートする最新の運転支援機能「eAssist」の採用により、事故の危険を最小限に抑え安全・安心を提供します。
進化した高速道路同一車線運転支援機能「MI-PILOT」を搭載。「レーダークルーズコントロールシステム」と「レーンキープアシスト」を統合したこの制御は、車間距離と車線中央をキープしながら走行することで運転をサポートします。
また、速度標識を認識し設定速度を自動で切り替えるほか、ナビリンク機能による地図情報を活用した、高速道路のカーブや分岐などで適切な車速に自動で調整。
渋滞時でも停車後約30秒以内の自動発進を実現するなど、高速道路の長距離走行や渋滞時の疲労を低減します。
安全・安心で快適なドライブをサポートする「三菱コネクト」を採用。万が一の際のSOSコールや、駆動用バッテリーの走行可能距離の確認、充電時刻の設定や充電し忘れ通報、そして車両を駐車した位置をスマートフォンアプリの地図に表示させて自車位置の確認などができます。
車両の運転状況の通知を受け取ることで、家族や友人などの運転管理をおこなうことを可能とする機能も採用しました。
新型アウトランダーPHEVの価格(消費税込)は462万1100円から532万700円です。10月28日より先行注文の受付が開始され、発売は12月を予定しています。
※ ※ ※
新型アウトランダーPHEVは、三菱が国内で発売する新型車としては、軽自動車を含めると「eKクロススペース/eKスペース」(2020年3月発売)以来およそ1年9か月ぶり、登録車に限ると「エクリプスクロス」(2018年3月発売)以来およそ3年9か月ぶりとなります。
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みんなのコメント
走りも良さそうだし、乗ってみたいなと思います。
たださぁ・・・