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デカくて速い、究極のセダン──新型BMW i7 M70 xDrive試乗記

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デカくて速い、究極のセダン──新型BMW i7 M70 xDrive試乗記

BMWのピュアEV(電気自動車)「i7」に追加された高性能バージョン「M70 xDrive」に、小川フミオがポルトガルで試乗した。

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余裕あるサイズで、操縦性もよく、さらにステータス的にも満足いくピュアEVを探しているなら、BMW「i7(アイセブン)」はいい買い物になりそうだ。

2023年5月終わりに追加されたトップモデルのi7 M70 xDriveに、9月末、ついに試乗出来た。これはすごい。簡単にいってしまうと、デカくて速い、究極のセダンだ。

車名に“xDrive”とあるとおり、このクルマは全輪駆動。前輪と後輪、ひとつずつモーターをそなえている。

前輪用のモーターは190kWの最高出力と365Nmの最大トルクをもつ。後輪用のモーターは360kWと650Nm。システムトータルの最高出力は485kW(659ps)、最大トルクは1015Nm。ひとことで表現すると、すさまじいパワーだ。

これまでのi7 eDrive50と、i7 xDrive60に追加されたのが70だ。今回のモデルはM社がチューニングしただけあって、実際、ものすごい駿足ぶりを体験させてくれた。

試乗したのは、ポルトガル・リスボンの近郊。高速道路を走ったときは、あっという間に制限速度へ達してしまう。全長5390mmある車体にもかかわらず、静止から100km/hまでの加速は、スポーツカーに迫る3.7秒だ。

乗ったモデルには、ステアリングホイールの脇に設けられたレバーにより、一瞬で強力な加速を得られる「Mスポーツブースト」と、発進時に使える「Mローンチコントロール」がそなわる。

電気モーターの可能性を、スポーツセダンで追求しようという姿勢が、興味深いではないか。

最高速度は250km/hでリミッターが効く。ピュアEVは走行距離確保のために、リミットを設けているモデルが大半であるものの、それにしても250km/hはかなり高い。

いっぽう、100km走るのに消費する電力は23.8から20.8kWh(数字が少ないほうが”電費”がよい)。

満充電からの走行可能距離は(装備に応じて)488kmから560km。250km/hで走っていたら、ここまで伸びないけれど、充電も最大で195kWで入れられるので、高速チャージャーが見つかれば、ロングツーリングの良きパートナーになるだろう。

余裕あるサイズの車体ながら、コーナリングはかなり速い。ステアリングホイールへの反応はするどく、サスペンションシステムと、後輪操舵システムも連携し、カーブの大きさはまったく問題にならないのがすごい。

それでいて、乗り心地にゴツゴツした感はほぼなし。アダプティブサスペンションの恩恵もあるはずだ。重厚な印象だが、かなり快適。特筆すべき点である。

7シリーズらしい内外装「気にかけたのは、競合のなかにあって、個性がちゃんと感じられ、すぐに新しい7シリーズと皆にわかってもらうことでした」

エクステリアの主旨について、デザインを統括しているクリストファー・ワイルは語る。

「ダブルレイヤー(2層)と呼んでいるヘッドランプまわりのデザインが特徴のフロントマスクも7シリーズ独自のものです。グロス(光沢)ブラックを使ったキドニーグリルも目をひくでしょう」

さらに、キャビンのデザインも「同様です」と続ける。

「Cピラーをあまり寝かさず、キャビンのスペースを広くとったうえ、乗降が楽に行えるよう心がけました」

エレガンスとかスポーティネスという言葉は出なかったけれど、このクルマ、一度でも、どこかの席に座れば、好きになれるのでは? と、私は思っている。

ドライバーズシートは、先に書いたとおり、パワフルな電気モーターをうまく使い、運転の楽しさを味わわせてくれる場所だし、いっぽうリヤシートはかなり安逸。

「リアクオーターウィンドウに模様を入れるなど、後席乗員のプライバシーに配慮しています。後席乗員のためにエンターテインメントもいろいろあって、たとえば夜間は、LEDによる美しい発光パターンが楽しめるようにしています。かなり気分がいいはずですよ」

i7 M70  xDriveの価格は2198万円。セダンこそ王道とこだわるBMWならではのプロダクトに仕上がっている。

文・小川フミオ 編集・稲垣邦康(GQ)

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みんなのコメント

3件
  • たくぼん
    BMWのデザインは全般的に好きだったけど、この車は正面から見ると豚の鼻にしか見えない。
  • rao********
    ブヒMW
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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