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「ハエ」が写っちゃったカタログをゲット!? 日本最大級のクルマ「カタログ交歓会」に潜入

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「ハエ」が写っちゃったカタログをゲット!? 日本最大級のクルマ「カタログ交歓会」に潜入

トヨタが紙カタログを廃止し、WEBでのデジタルカタログなどに移行する方針が報道されるなど、新車販売において欠かすことのできなかった紙カタログの存続が危ぶまれている。そんなさなか、編集部イチのカタログ好きである吉川が「カタログ交歓会」なる秘密の(!?)会合に招かれた…。

■継続は力なり、数は力なり

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2022年5月1日、日本最大級のカタログコレクタークラブ「ACC・JAPAN(オートモービル・カタログ・コレクターズクラブ・イン・ジャパン)」は横浜市中区のかながわ労働プラザで「カタログ交歓会」を開催した。

今回のテーマは「こだわりカタログをパネルで紹介」。数多く展示されていたパネルでは、本来とは異なる部品が装着されてしまった“間違い”カタログや、販売ディーラーごとに表紙が微妙に異なるカタログシリーズといったこだわりのカタログを紹介。模造紙8枚分の大作「江戸から現代までの日本の自動車メーカー変遷史」も見どころだった。

ACC・JAPANは、1989年に設立。会員は全国に300人ほどいて、年に数回開催される交歓会にカタログを持ち寄り、カタログ談義に花を咲かせている。会員のなかには、2万冊を所有しているメンバーもいたり、保管場所を確保するためにアパートを借りている人もいるという。

会長の清水辰也さんは「クラブの理念は、“継続は力なり、数は力なり”です。小さなことが集まって、初めて大きなことができるということです。それぞれに得意分野を持ついろいろな会員が集まって、いろいろと教えてくれます。モットーは“コレクターからコネクターへ”です。カタログ集めは趣味ですが、日の当たるところにカタログを引っ張り出して、みんなで楽しみたいですね」と語る。

カタログはディーラーで一部販売していたものもあるが、基本的には無償で配布。美しい写真やモデルの詳細解説、諸元表などがあり、時代・風俗を感じさせつつ、資料性が高い内容でまとめられている。基本的には購入を検討している人を対象に発行されているから、「カタログは“お見合い写真”のようなものです(清水会長)」とのこと。カタログの善し悪しで、購入を左右することもあるので、メーカーは力を入れるわけである。(最近はトヨタが脱カタログに舵を切ったと報道されているが…)

クラブの課題は少子高齢化で、せっかく長年にわたって集めたカタログが、死後にゴミとして捨てられてしまうケースがあり、いかに次の世代に伝承していくかが大切になってくるという。

■カタログゲット大会で涙をのむ

そんな交歓会に、編集部一番のカタログ好き・吉川が潜入してきた。カタログ取り放題会では、会員の方から放出された多くのカタログがテーブルの上に並べられ、欲しいものが取り放題。会員の方は語り合いながらも、カタログを見極める目は真剣。カタログの山を手際よくチェックして、お目当てのカタログを探し当てていた。

その後、貴重なカタログのゲット大会を開催。私も参加したが、どれも欲しいカタログばかり! くじ引き順で1部ずつ取っていくのだが、“あ~あ先に取られちゃった”となってしまうわけ。涙をのんだのは1度や2度ではなかった。

ようやく手に入れたのは、インパネにハエが写ったマニア必携といわれるホンダ クイントのカタログ。その後、もう2回、チャンスがまわってきましたが、昭和30年代のダイハツの小型ボンネットトラック「F175」という貴重なクルマや、日産パオのカタログをゲットできた。パオのカタログは広げるとポスターになる四つ折りタイプの1種類だけだそう。豊富な知識を持つ会員の方の貴重なアドバイスは大変参考になった。

カタログ集めは、もちろん個人での活動となるわけですが、会員の方で複数持っている場合などがあり、こうした交歓会で“放出”されます。他の会員の方が幸せになることは、自分の幸せにもつながる…そんな印象を受けました。もちろん、カタログに関する日ごろの情報交換もあり、非常に役立つものばかり。また、会員同士の異業種交流もできて、仕事の役に立ったということもあるそう。

なお、クラブの会費は無料ですが、会場費の捻出のために、交歓会当日に500円のカンパを募っていた。また、貴重なカタログの販売会もあり、2000円程度で販売されていた。

■紙カタログの存在意義

トヨタが紙のカタログを廃止することについて、ACC・JAPAN会長の清水さんは次のように語っている。
「紙のカタログ文化が終焉を迎えつつあることは、非常に悲しく思います。デジタルにはない紙のカタログのよさは、さまざまな大きさのものが存在し、趣向・アイデアを凝らして楽しく見ることができるものがあったこと、また高額のクルマには過剰なほどの豪華なカタログが用意されたことです。

それらのカタログは、コレクターでなくとも見る方をじつにワクワク、ドキドキさせる魅力に満ちていました。紙質の違いに感じる風合い、インクの匂い、開けばワイドに見せる4つ折りページ、ケースに入った特別感満載のカード式。いずれも紙のカタログならではの、なせる技です。

インターネットでデジタルのカタログを見ることができても、以前のようにクルマを買う前に家族で何種類ものカタログを囲んでワイワイと盛り上がる、という光景は見られなくなるのではないでしょうか。

単にコスト削減という理由だけで、大切な文化をなくすことは、自動車メーカーの責任を問われることにもつながりかねません」

筆者の予測では、トヨタのカタログは、簡易版が残るのではと考えている。レクサスはすでに2021年秋の新型NXから、従来の厚いカタログの発行をやめ、ボディカラーや装備表、諸元表のみを記載した簡易カタログに移行。クルマの購入検討の際には、やはり紙の装備表や諸元表があったほうがデジタルよりも見やすい。トヨタもレクサスと同様の対応をするのではないかと思っている。

〈文と写真=ドライバーWeb編集部〉

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みんなのコメント

6件
  • これなぁ
    本来は買ってくれるお客さんや買ってくれそうな見込み客に渡すものだろ。
    無償配布と言っても、ディーラーはメーカーから買ってるわけだし、タダじゃないんだよ。

    カタログ集めるのはいいけど、たまにはそこのディーラーからクルマ買わないと、コレクターの為にメーカーもカタログ用意してるわけじゃない。
    紙のカタログが廃止になるのも仕方ないんじゃないの?
    フルカラーで15Pとか20Pあったら700〜800円ぐらいは貰わないと合わないらしいよ
  • かつて、クルマのカタログには夢と希望が詰まっていた。お気に入りのクルマのカタログを開いてワクワクしていた。
    そんな想いに応えるためか、メーカーも嗜好を凝らしたものが多かったと思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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