ノートは11月の販売台数で軽も含めた全車種中1位を獲得
11月の販売台数ランキングで多くのライバル車を抑えてトップに輝いた日産・ノート。日産車としては1986年9月のサニー(B12型)以来のトップとなったが、これは先日のマイナーチェンジで追加された「e-POWER」グレードが大きく後押ししたというのは異論がないところだろう。
エンジンは発電用! モーター駆動の日産ノートe-POWERが発売
そこで、今回は車格的にガチンコのライバルとなるトヨタ・アクアとどこが違うのかを掘り下げてみたい。
燃費:カタログ値ならアクアだが街乗りならノートが有利になることも
このクラスを検討するユーザーが一番気になるポイントは燃費ではないだろうか。量販グレードのカタログ燃費で比較した場合、ノート e-POWERは34.0km/L、アクアが37.0km/Lとなる。もちろん乗り方によって燃費は大きく上下するが、システムの違いによって得意なシチュエーションが異なるのだ。
どちらも分類上はガソリンで動くエンジンと電気で動くモーターを持つハイブリッドカーとなるが、ノート e-POWERのガソリンエンジンは発電専用で一切駆動にはつながっておらず、モーターのみで走行する仕組みとなっている。
ノートの、発進から254N・mの大トルクを発生するモーターは日産・リーフと同じもので、胸のすく加速を楽しませてくれるが、搭載されるバッテリーが1.47kWhと小さく(リーフは24/30kWh)高速走行ではバッテリー切れを防ぐため、発電しようとエンジンがフル回転してしまう。
一方のアクアは、高速走行時はエンジンのみで効率のよい走りをすることが可能なため、高速道路などでの移動が多いユーザーにとってはアクアのほうが良い燃費をマークすることができるだろう。
逆に街乗りであれば、ノートe-POWER独自の「ワンペダルドライブ」を駆使すれば減速エネルギーを効率よく回収することが可能となるため、アクアを超える燃費を狙うこともできそうだ。
居住性:後部座席の居住性はノートe-POWERがリード
同クラスのコンパクトカーでも、トップクラスの室内空間を誇るノート。e-POWERでも、バッテリーはフロントシート下に配置されており、室内空間は一切犠牲となっていない。ホイールベースも長めに取られているため、後部座席のニースペースも広く、不満が出ることはないだろう。一方のアクアは空気抵抗を低減するためか全高が低く(1455mm)後部座席に座ると圧迫感がある。リアシートを使う機会が多いユーザーは一度確認することをオススメしたい。
標準車以外のグレード:NISMOやG’sなどスポーツグレードも用意
両車とも標準車以外にスポーツグレードが用意される。ノートには「NISMO」が、アクアには「G’s」がそれぞれ設定されており、エアロパーツや専用足まわり、ボディ補強などが施されスポーツ度がアップ。ノートには標準車にはない3ペダルMT仕様車も用意される。さらにノートにはオーテックジャパンの手によって上質さをプラスした「モード・プレミア」があり、欧州コンパクトに匹敵する雰囲気を味わうことも可能だ。一方のアクアにはSUVのアクティブなテイストをプラスしたクロスオーバースタイルの「X-URBAN」があり、駆動方式こそFFのままだが、専用サスペンションで最低地上高が20mmアップされているのが特徴だ。
価格:ノートはガソリン車のエントリーグレードなら140万円を切る
ノートとアクアを比較する上で忘れてはならないのがエンジンのラインアップだ。ハイブリッド専用となるアクアに対し、ノートはガソリンエンジンモデルも用意されている。しかも自然吸気エンジンとスーパーチャージャーの2種類だ。じつは、ノートの受注台数のおよそ2割がガソリンエンジン車となっており、もっともベーシックなSグレードであれば140万円を切る低価格となっている。しかもエマージェンシーブレーキは標準装備だ。e-POWERばかりが注目されがちではあるが、こういったベーシックモデルも用意されていることが月間販売台数1位に輝いた秘訣なのかもしれない。
(文:小鮒康一)
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