現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ロンブー亮を魅了した「オレ・タチ、カルタス」ってどんなクルマ!?

ここから本文です

ロンブー亮を魅了した「オレ・タチ、カルタス」ってどんなクルマ!?

掲載 21
ロンブー亮を魅了した「オレ・タチ、カルタス」ってどんなクルマ!?

 お笑い芸人である「ロンドンブーツ1号2号」の田村亮さんはYou Tubeチャンネルを開設しており、そのなかで人気コンテンツとなっているのが「1980年代のクルマを買い、短期間で乗り替える」というものだ。

 田村亮さんはクルマの前では本当に少年のように純粋で、1台目にEP71型スターレットターボを購入後、最近スターレットターボから初代カルタスGT-iに乗り替えた。

ロンブー亮を魅了した「オレ・タチ、カルタス」ってどんなクルマ!?

 ここでは田村亮さんのカルタスGT-iを期に、スズキにとって大きなターニングポイントとなったカルタスを振り返ってみた。

文/永田恵一、写真/スズキ

■初代モデル:1983年に登場! 当初はシンプルなコンパクトカーだった

「行きたいか? ニューヨーク!」のウルトラクイズ的なノリを感じる初代カルタスの写真。直3 1Lエンジンを搭載、リアはリーフスプリングとスズキにしてみれば軽の延長線上の存在だった

 初代カルタスは1983年10月、スズキとしては1960年代のフロンテ800以来の小型車として登場した。初代カルタス誕生の経緯は少々前向きではないところもある、意外なものだった。

 というのも、アメリカの自動車メーカーは北米では日本の軽自動車に近い存在となるコンパクトカーは得意でないことや利益率の低さなどにより、自社開発に二の足を踏んでいた。

 それはGMも同じで、GMは1981年からスズキと資本提携を結んでいたこともあり、コンパクトカーの開発をスズキに任せることにした。つまり、初代カルタスは「GMの買い取り保証に近いものがある」という背景から生まれたモデルだった。

 なお、初代カルタスに近い成り立ちの日本車としてはスズキ同様GMと資本提携を結んでいたいすゞの、FF化された2代目と3代目モデルのジェミニもあった。

 この点はさておき、スズキは初代カルタスで小型車を作るチャンスを恵まれ、初代カルタスは1L3気筒エンジンを搭載する3ドアというシンプルで安価なコンパクトカーとしてスタート。

 初代カルタスはコストダウンのためサスペンションなど、一部のパーツは軽自動車のものを使っていたほか、スズキは初代カルタスのため湖西第二工場を新設するという力の入れようだった。

 初代カルタスは実質的にスズキにとって初めてのコンパクトカーだったこともあり、伸び代は大きく、改良も頻繁に行われた。

 最初の改良は登場翌年の1984年で、この時には5ドアボディ、1.3L4気筒エンジン、1L3気筒+3速AT、スポーツモデルの1L3気筒ターボが追加された。

 また、この改良から初代カルタスのCMには、石原プロモーション制作の伝説的な刑事ドラマである『西部警察』でカタナ(スズキのバイク)に乗り、スズキと縁深いこともあったのか、俳優の舘ひろしさんが出演。当初のキャッチコピーは「オレ・タチ・カルタス」だった。

 ちなみに館さんは初代カルタスから約30年後の2013年、石原プロモーションのメンバーともに、西部警察パート1のBGMが流れる「グーン、ダーン」のキャッチコピーで売り出された先代スペーシアカスタムのCMに出演。その際に館さんは「スズキさんのCM出るの30年ぶりですよ」と、スタッフと話していたのかもしれない。

 話を初代カルタスに戻すと、1986年にはリアサスペンションをリーフリジットからトーションビーム+コイルスプリングに変えるなどのビッグマイナーチェンジを実施。この時に1.3L4気筒DOHC(97ps&11.2kgm)+クロスレシオの5速MTというパワートレーンを搭載したGT-iが加わった。GT-iは翌1987年に110psにパワーアップされ、田村亮さんのカルタスGT-iはこの最終型である。

 なお、初代カルタスは軽さを生かした燃費のよさと価格の安さを主に理由に、特に北米ではヒット車となった。

■2代目モデル:バブル期に誕生した2代目目はちょっと上級移行して人気に

丸みを帯びたデザインに4輪ストラットとかなり贅沢なモデルとなった2代目。それでいて登録車最安! といった触れ込みのグレードも出すなど、スズキらしい戦略で10年以上販売された

 カルタスは1988年9月に2代目モデルにフルモデルチェンジされた。2代目モデルも輸出メインというポジションは同じだが、ボディサイズの拡大やサスペンションの形式がコンパクトカーとしては奢った四輪ストラットとするなど、コンパクトカーのなかでの車格は若干向上。特にシンプルなデザインながら小洒落たインテリアは好感の持てるものだった。

 2代目カルタスは1.3L4気筒DOHCエンジンが115psにパワーアップされたGT-iなど初代モデルに近いラインナップでスタート。印象的だったのは翌1989年に1.6Lエンジンもある4ドアセダンのエスティーム、1992年に2人乗りオープンのコンバーチブルというボディバリエーションを拡充していったことだった。

 特にコンバーチブルはオープンながら143万8000円からと価格が安かった点など、なかなか面白いクルマだった。

 2代目カルタスは3代目モデルとなるカルタスクレセントが登場した後も安価なコンパクトカーとしてラインナップを縮小しつつも、日本では2000年まで販売された。

■3代目モデル

1995年にカルタスの上級版「クレセント」として追加となった。当時流行りのワゴンが販売のメインとなったが、ベンチマークとなった某社のツーリングワゴンに寄せすぎて? あまり売れなかった

 1995年10月に、カルタスシリーズではカルタスの上位モデルで当時のカローラやシビックなどと同クラスとなるクレセントが加わった。

 カルタスクレセントは1.3Lと1.5Lの3ドアハッチバックと1.5Lと1.6Lのセダンでスタートし、翌1996年2月には1.8Lも設定されたワゴンも加わった。

 カルタスクレセントはワゴンの後期モデルのフロントマスクが、同時期に登場した3代目レガシィツーリングワゴンの初期型とやたらと似ていたことくらいしか記憶のない、印象の薄いモデルというのが率直な印象だ。

 カルタスクレセントは3ドアが2000年に、セダンも2001年にそれぞれ軽自動車ベースだった初代スイフトとエリオを後継車に絶版となった。

■まとめ

 地味な最後だったカルタスだが、スズキの小型車への進出やカルタスが後に軽自動車の拡大版でないスイフトにつながっていったことを思うと、カルタスの功績は大きく、カルタスがスズキの社史に残るモデルなのは間違いないだろう。

こんな記事も読まれています

3時間で争われるスーパーGT第2戦富士の持ち込みタイヤ数と義務ピット回数が発表。モラルハザードは1名が適用
3時間で争われるスーパーGT第2戦富士の持ち込みタイヤ数と義務ピット回数が発表。モラルハザードは1名が適用
AUTOSPORT web
F1、2025年に向けてポイントシステム変更を検討。12位まで対象を拡大か
F1、2025年に向けてポイントシステム変更を検討。12位まで対象を拡大か
AUTOSPORT web
「30万円」の大幅値下げ!? 鮮烈レッドの「新型セダン」発表! 爆速の「超高性能モデル」も新設定! 今あえて「値上げラッシュ」に逆行した理由とは
「30万円」の大幅値下げ!? 鮮烈レッドの「新型セダン」発表! 爆速の「超高性能モデル」も新設定! 今あえて「値上げラッシュ」に逆行した理由とは
くるまのニュース
急拡大! BYDの高級車ブランド「方程豹」 無骨SUV&華麗スポーツカー発表
急拡大! BYDの高級車ブランド「方程豹」 無骨SUV&華麗スポーツカー発表
AUTOCAR JAPAN
約20年ぶりのBTCCフル参戦に臨む元世界王者ロブ・ハフ「カローラはかなり快適だ。でも忙しいね!」
約20年ぶりのBTCCフル参戦に臨む元世界王者ロブ・ハフ「カローラはかなり快適だ。でも忙しいね!」
AUTOSPORT web
アウディの電動SUV『Q6 e-tron』に105mm長い「L」
アウディの電動SUV『Q6 e-tron』に105mm長い「L」
レスポンス
においを出すSUVだと…? ホンダの新SUVは至れり尽くせり? 中国でEV攻勢へ
においを出すSUVだと…? ホンダの新SUVは至れり尽くせり? 中国でEV攻勢へ
乗りものニュース
「市販します」トヨタのEV“bZ”シリーズ新型2車種 Z世代向け&ファミリー向け スタイルはっきり分ける
「市販します」トヨタのEV“bZ”シリーズ新型2車種 Z世代向け&ファミリー向け スタイルはっきり分ける
乗りものニュース
三菱「新型“精悍”コンパクトSUV」発表! 斬新マスクがカッコイイ! 新型「ASX」マイチェン版 欧州で発売へ
三菱「新型“精悍”コンパクトSUV」発表! 斬新マスクがカッコイイ! 新型「ASX」マイチェン版 欧州で発売へ
くるまのニュース
セゾン自動車火災保険、商号を「SOMPOダイレクト」に変更
セゾン自動車火災保険、商号を「SOMPOダイレクト」に変更
レスポンス
フィアット「500」の謎の振動がやっと解消! 飛び散るオイル問題は果たして解決されたのか…!?【週刊チンクエチェントVol.35】
フィアット「500」の謎の振動がやっと解消! 飛び散るオイル問題は果たして解決されたのか…!?【週刊チンクエチェントVol.35】
Auto Messe Web
厳選値引き実例 X氏の値引き特報
厳選値引き実例 X氏の値引き特報
グーネット
33歳、フェラーリを買う──Vol.17 オープン最高! でも……
33歳、フェラーリを買う──Vol.17 オープン最高! でも……
GQ JAPAN
タイヤブランドGTラジアルよりオールシーズンタイヤ「4シーズンズ」発売
タイヤブランドGTラジアルよりオールシーズンタイヤ「4シーズンズ」発売
レスポンス
これぞ徹底的に遊べる軽!──新型ホンダN-VAN FUN STYLE+ NATURE試乗記
これぞ徹底的に遊べる軽!──新型ホンダN-VAN FUN STYLE+ NATURE試乗記
GQ JAPAN
グランツーリスモ7に新規車種3台を追加するアップデート配信。シュコダがシリーズ初登場
グランツーリスモ7に新規車種3台を追加するアップデート配信。シュコダがシリーズ初登場
AUTOSPORT web
顔が…いや全身変わった!? ホンダの売れ筋コンパクトSUV「ヴェゼル」改良 ハイブリッドはEVに近づく?
顔が…いや全身変わった!? ホンダの売れ筋コンパクトSUV「ヴェゼル」改良 ハイブリッドはEVに近づく?
乗りものニュース
ワイパー「高速運転」はゴム寿命縮める? 面倒な交換ケチって「ゆっくりモード」本当にコスパは良いのか
ワイパー「高速運転」はゴム寿命縮める? 面倒な交換ケチって「ゆっくりモード」本当にコスパは良いのか
くるまのニュース

みんなのコメント

21件
  • 本当に旧車好きなのかなー?
  • 本当に欲しくて買ったのか、話題性の為に買ったのか。スターレット所有があまりに短命だったので今回は長く大切にして欲しい。
    余談だがカルタスの赤が色褪せが酷くてクレームになったが、スズキから届いたのは塗料だけで車屋が怒ってたそうだ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

89.8135.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.864.0万円

中古車を検索
カルタスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

89.8135.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.864.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村