■「昔の名前で出ています」というクルマ5選
車名はデザインとともにクルマの看板的役割があります。ネーミングの良し悪しが販売台数を大きく左右する大事なものです。
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メーカー各社は知恵を絞って良いネーミングを考えますが、まれに過去販売していた車種から使いまわすこともあります。
理由のひとつとして、各社がさまざまな車名を商標登録しているため、新規で車名を登録するのが困難な状況という背景もあります。
そこで、現行車種のなかから、過去に使われていた車名や型式名を復活させた5車種をピックアップして紹介します。
●日産「マーチ ジューク」⇒「ジューク」
2010年に発売された日産「ジューク」は、ユニークな内外装のデザインが評判となったクロスオーバーSUVです。
この「ジューク」というネーミングを先に使っていたのは「K11型 マーチ」で、1997年に発売された特別仕様車「マーチ ジューク」でした。
「マーチ ジューク」はボンネットとルーフ、ホイールキャップが赤、そのほかの車体を黒で塗装されたかなりビビッドなカラーリングで、内装もシートやメーターが同様に赤と黒でコーディネイトされていました。
●スバル「ジャスティ」⇒「ジャスティ」
ダイハツが製造・販売するコンパクトワゴン「トール」は、トヨタとスバルにもOEM供給されています。そのスバルが販売するモデルが「ジャスティ」です。
元々「ジャスティ」という名は、1984年に発売されたリッターカー(1リッタークラスのエンジン搭載のモデル)に採用されました。
初代「ジャスティ」はオーソドックスな3ドア/5ドアハッチバックでしたが、最大のトピックスとしては量産車世界初となるベルト式CVTを搭載したことです。
後に国産車はコンパクトカーや軽自動車のみならず中型車まで、CVTがトランスミッションの主流になりますが、その先駆けが「ジャスティ」でした。
■バイクメーカーだけあって、バイク由来の車名
●スズキ「TS250ハスラー」⇒「ハスラー」
スズキが販売している軽SUV「ハスラー」はユニークなデザインが特徴的で、現在も好調なセールスを記録しています。
この「ハスラー」は同社のデュアルパーパスバイク(オンロード走行も対応するオフロード向けバイク)で使われていたネーミングです。
バイクの「ハスラー」シリーズは、1970年代から1980年代初頭を中心に製造されていた、50ccから400ccまでの空冷2サイクルエンジンを搭載したモデルで、車名は「TS50」「TS250」など排気量を表すものに加え「ハスラー」というペットネームが与えられました。
これ以外の事例では「ソリオ バンディット」の「バンディット」も同社のバイクが由来です。
●ホンダ「ジェイド」⇒「ジェイド」
ホンダ「ジェイド」は、低重心なスタイルと洗練された足回りで走りに定評がある3列シートミニバンです。
この「ジェイド」は1991年に発売されたネイキッドタイプ(カウル類を持たないタイプ)のバイクが由来となっています。
バイク版「ジェイド」は、スポーツタイプの「CBR250RR」用250cc4気筒エンジンをマイルドな特性に変更し、専用設計のフレームに搭載。扱いやすい大きさと前傾を強いられないゆったりしたポジションで人気となりました。
なお、ホンダの場合はバイクとクルマで車名を共有する場合が非常に多く、ほかにも「トゥデイ」「インテグラ」「スパーダ」「ストリーム」などがあります。
■往年の名車をオマージュした「86」
●トヨタ「カローラレビン/スプリンタートレノ」⇒「86」
トヨタとスバルで共同開発されたスポーティな2ドアクーペ「86」は、1983年に発売された最後のFR駆動の「カローラレビン/スプリンタートレノ」から命名されました。
実際には「カローラレビン/スプリンタートレノ」の型式である「AE86型」に由来するという、かなり特殊な例です。
「AE86型」は発売当時から「ハチロク」の愛称で呼ばれており、FRスポーツである「86」がリスペクトしたカタチとなっています。
ちなみに「AE86型 カローラレビン/スプリンタートレノ」は旧車人気による希少価値が高まり、程度のよい中古車は300万円以上で取引されています。
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