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【実録】充電スタンドがトラックに塞がれて使えない!? スバルのEV「ソルテラ」で東京~大分・往復2175キロを長旅レポート【往路・前編】

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【実録】充電スタンドがトラックに塞がれて使えない!? スバルのEV「ソルテラ」で東京~大分・往復2175キロを長旅レポート【往路・前編】

スバル ソルテラのオーナーとなったカメラマンが九州まで長旅してみた

2023年6月にスバルのBEV「ソルテラ」が納車された筆者。以前にソルテラで東京~仙台往復を行い、東北地方は充電設備がそれほど充実しておらず往復が大変だった、という東北充電紀行を掲載しましたが、今度は九州・大分に行ってみました。想定はしていましたが、それなりに大変だった往路編その1をお伝えします。

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2023年9月に納車されたソルテラで、仙台の次に目指すは大分・オートポリス

電気自動車(BEV・バッテリーEV)は短距離専用、と思われがちだが、長距離だって行ける。そんなことを実証したく、2023年9月にスーパーGTが開催された宮城県のスポーツランドSUGOと仙台へ行ってみた。東北自動車道のSA/PAに急速充電器はあるけれど、設置間隔が長い場合や急速充電の出力がそれほど高くなく、思った以上に充電できず苦労したことは以前お伝えした通りだ。

その記事は思った以上に反響があり、次のレース取材の現場で多くの同業カメラマンやジャーナリストに「BEVは大変だね」と声をかけられた。たしかに大変だが、1回経験すると次はもう少し苦労しない方法を考えてみようと思うもの。

東京~スポーツランドSUGOは片道350km程度。うまく充電器を繋いで行けば1~2回の充電&休憩で行けることは分かったので、次回はもっと簡単に行けるだろう。

さて次なる目標は、スーパーGTでも東京から最長距離となる大分県のオートポリスだ。

普通にオートポリスへ取材に行く場合、ほとんどの関東圏の人は羽田から飛行機に乗り熊本まで飛び、レンタカーを借りて移動する、というのが基本的だ。関西圏のカメラマンの皆さんも伊丹や関空から熊本へ飛んでくるのが普通のようだ。

東京・新宿から大分と熊本の県境にあるオートポリスだと片道で約1200kmある。それを走って行こうと思うのは、はっきり言って酔狂な考えだ。

と言いつつもじつは何回もオートポリスまで自走で行っている。スーパーGT、スーパー耐久、TGR GR86/BRZ Cupと最低でも年に3回はオートポリスに行くが、毎回自走で行っているし、それを何年もやっている。

大量の荷物を抱えていくなら飛行機よりもフル自走の方がラク(?)

オートポリスは山の上にあることで気候が変わりやすく、気温変動も大きくてサーキットだけ雨ということも普通にある。

ということで、心配性の自分は天気予報は晴れで絶対雨は降らない、と言っていてもレインウェアは持っていくしレイン用の靴やカメラカバーも忘れない。暑くて汗をかいた場合の着替え、寒くなったときの防寒具。ピットレーン取材で必要な耐火服とヘルメット。あれもあった方が良いよな……と考えていくと荷物が多くなってしまう。それに日数分の着替えと撮影機材もプラスされるのは言うまでもない。

それらの大荷物を持って羽田空港まで電車で行くのは困難を極める。自分の体調的にも体に病気を患っていることもあり、途中で複数回トイレに行くことも想像できる。大荷物を持って駅のトイレに入るのは想像以上に大変なのだ。

結果クルマで羽田空港に行くことになるが、羽田空港に4泊5日程度駐車するとそれなりの金額になってしまう。クルマの盗難や傷つきなども不安だ。

ならば荷物を気にせず、クルマの盗難も気にしないで良い自走でオートポリスまで行く、という考えに自然となったわけだ。同業のカメラマンの皆さんは飛行機で来ているわけだから、皆さんパッキングがうまいなと毎回感心するばかりだ。

いつもより時間にかなり余裕をもって新宿をスタート

そんなこんなで自走でオートポリスに行くのに、毎回24時間計算で行くようにしている。これは2~3時間に1回はトイレ休憩することやご飯休憩やお風呂など、さらに仮眠をしっかり取り、無理せず行くためだ。

1200kmならば時速100km/hで走り続ければ12時間だがそんなに簡単ではない。新東名は120km/h区間があるが、山陽道はほぼ全線で80km/hが続く。夜間に走ったところでトラックを追い抜きながらでは時間もかかる。

新宿~博多を結ぶキングオブ夜行バスで有名な博多号でも14時間程度かけて走っている。夜行バスは2人の乗務員で運行され、1人の運転手が寝ている時でももう1人の運転手が走らせているためその程度の時間で到着できる。しかし自分のように1人で走る場合は寝ている間に進むことはできないので、必然的に仮眠の時間分止まっているので全体的に進みが遅くなる。

タイミングをうまく合わせて、東名高速の足柄SAや、伊勢湾岸道路の刈谷ハイウェイオアシスで温泉に入ってさっぱり、などもしていると時間もかかるが、むしろその時間も含めて24時間かけて行くようにしている部分もある。

ということで金曜日お昼ごろに行われるレーシングカー搬入時間にあわせるように、水曜深夜か木曜早朝に東京を出発し、決して無理はしないスケジュールにしている。

今回はBEVで行くということもあり、充電時間も考慮して早めに出発することにし、水曜日の16時に東京・新宿を出発することにした。

早すぎるとは思ったが、初めての挑戦のため途中で何が起きるかわからない。充電で苦戦するかもしれない。事前に調べた感じでは山陽道方面は充電器が少なそうな雰囲気だ。

なにより、オートポリスに向かう2023年10月は山陽道の赤穂でトンネル火災の復旧作業のため、トンネル区間を含む通行止めが行われており、一般道へ降りるか中国道へ迂回する措置が必要となる。これだけでも普通に走るより時間がかかるのが分かっているので、早めに出発したわけだ(2023年12月に無事復旧開通した)。

ソルテラ/bZ4Xはプログラムアップデートで急速充電の回数がアップ

じつはスバル ソルテラとトヨタbZ4Xの初期型では充電に制限がかかっていた。1日に急速充電ができる回数が2回程度になっており、3回目以降は速度制限がかかり、充電はできるがそれほど早く大容量の充電ができなかった。

多くのユーザーの要望により、トヨタとスバルはプログラムを改善し、急速充電の回数を今までの2回から2倍程度にした。さらに充電率80%から100%になるまでの速度の改善。メーター表示が従来はバー表示のみだけだったが、%表示で視覚的に残量が分かるように改善。というプログラムのアップデートを行った。これはディーラーに行きアップデートする必要がある。

今回の長距離移動では1日に何回も急速充電を行うことが分かっていたので、このアップデートを行ってから行くことにした。そのおかげもあり1日に何回もの急速充電を行っても制限が受けにくくなっている。

かくして新宿を水曜16時に出発した時は走行可能距離が85%・349kmと表示されており、静岡くらいまでは行ける計算だ。もちろんエアコンは常にオンで身体的にも無理をしない。エアコンオフにすれば航続距離が伸びるのは分かっているが、それはやはり不自然に思える。ガソリン車でもエアコンは常にオンが常識だと思っているので、BEVだからと考えず普通に使いたいと思っているからこそエアコンはオンだ。

新宿から首都高に乗り東名高速を走り新東名高速の浜松SAを目指す。ここは150kW充電器2口と90kW充電器6口があり、BEVユーザーならここを目指す人も多いだろう。

浜松SAに19時に到着した際は走行可能距離が18%・77kmという割と攻めた感じでの到着となってしまった。しかし150kW充電器のおかげで30分で79%・325kmまで復帰。充電量は40,992kWhと、さすが150kWという充電ができた。しかしこの先150kW充電器は無く、あっても90kWが最高出力になる。

深夜のPA、あふれたトラックが充電スペースを塞いでいた!

次に目指すのは名神高速の草津PAだ。ここは90kWが2口と50kWが1口ある。到着した時は走行可能距離は25%・103kmとなっていた。そして到着したのが23時すぎということもあり、トラックが駐車枠からあふれており、50kW充電器の入口を塞いでいた。幸い90kWの入口は塞がれていなかったが、トラックの影に隠れて入口がわかりにくくなっていた。

トラックの駐車スペース不足が社会問題になっており、トラックドライバーに同情する余地はあるが、こちらは充電器を塞がれてしまうと電欠になり身動きすらできなくなる。

BEVはまだそれほど多くなく、充電器周辺は空いていて止めやすいと思えてしまうが、ドライバーや社会の認知が進まないとこのような問題が起きてしまう。トラックはもちろん普通車であっても、ぜひとも充電器周辺への駐車はご遠慮いただきたい。

30分33.6kWh分の充電を行うと、走行可能距離は76%・305kmとなった。次に目指すは岡山周辺だ。山陽道は途中で火災による通行止めの回避をしなくてはならない。龍野西で降りて国道2号線を走るか、中国道へ迂回しその先で山陽道に復帰するかだ。

ちなみに中国道へ行かないのは、SA/PAの充電器が少ないことと、万が一充電器の故障や他車により充電できなかった際の回避策が少ないためだ。一般道へ降りたとしても山間部にディーラーがあり充電できるとは限らない。山陽道ならば市街地にも近くディーラーへの回避もしやすい。そんな理由から山陽道を走っていく。

火災通行止め区間を避けて一般道、そして岡山市内の日産ディーラーへ

さて火災通行止めを回避するため、日付けが変わった木曜の午前1時すぎに龍野西で降りて一般道を走ることにした。この時点で走行可能距離が30%・122kmだ。通行止め区間を越えて再び山陽道に乗り直し吉備SAを目指そうとしていたのだが、その時に別の事故通行止めが発生していて、めざす吉備SAよりも手前で再び高速を降りることになってしまった。

これは予定外だ。残充電量を考えると、一般道を走り再び高速に乗り吉備を目指すほうが良いのか、岡山市内のディーラーに行き充電を行った方が良いのか悩ましい。結果、岡山市内の日産ディーラーを目指すことにした。これが意外に遠くディーラーに到着したときは午前3時。走行可能距離は7%・33kmとかなりギリギリになってしまった。

夜中だったおかげでディーラーまでスムーズに行けたが、これが昼間だったらもっと深刻に充電量は減っていただろうし到着しない可能性もあった。手前のSA/PAでちょい足し充電をしておくべきだったと反省。

手前でちょい足し充電をしておくべきだったと反省

到着した岡山の日産ディーラーは90kW充電器のため30分で35.8kWh充電できた。再び山陽道に乗り直し当初目指していた吉備SAにすぐに到着した。この時点で走行可能距離は61%・241kmだ。

高速を降りて一般道を走りディーラーで30分充電を行い再び高速に乗る。この時間だけで1時間ちょっと使ったことになる。であれば、高速のSA/PAにある40kWの充電器でちょい足しをして吉備SAを目指せばもっと短時間で済み、こんなに焦ることもなかっただろう。ついつい大容量充電器で大量に充電しようという気持ちが、このように無駄な時間を使うことになってしまった。

ということで無事に山陽道吉備SAに午前4時に到着。90kWが6口あるので、ここなら車両の電池が減ってもなんとかなるだろうと判断し仮眠を取ることにした。(往路・後編に続く)

※充電器の設置状況は2023年10月現在の取材時の状況です。

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みんなのコメント

43件
  • tsr********
    そもそも充電エリアの前は駐車エリアではなく通路ですよ。写真でも分かりますよね?通路であるエリアに駐車しては駄目だろ。
  • ats********
    マナーの悪さは擁護出来ないがそもそもトラックの駐車場が少なすぎるって、、、今年のトラック問題も問題にする前にこういう輸送に関する不便を無くしていかないと。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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