■急成長の250万円以下のSUVにホンダが参入!
日本市場におけるホンダのクロスオーバーSUVは、Bセグメント以上Cセグメント未満の「ヴェゼル」とCセグメントの「ZR-V」をラインナップしています。
どちらも販売は好調ですが、安定した4輪ビジネスのためにはさらなる“武器”が欲しいところ。そのジャンルとは、急成長の「250万円以下のエントリーSUV市場」です。
【画像】「えっ…!」これが250万円以下で買える「新型SUV」です! 画像を見る(38枚)
ここには「フィット クロスター」を投入していますが、専用ボディのライバルに対して商品力が乏しいのも事実で、営業サイドからは「専用モデルが欲しい、それも早急に」という声が強くあり、それに対応したモデルが新たなコンパクトSUVの「WR-V」です。
新型WR-Vは、タイ・バンコクにあるホンダR&Dアジアパシフィックで開発され、インドのタプカラ工場で生産されるモデルです。
日本に投入される新型WR-Vは、海外(インド)で「エレベイト」の名で発売されているのですが、企画時は日本向けもエレベイトのまま発売する計画もあったようです。
しかし紆余曲折があり、最終的にホンダSUVシリーズに共通する「〇R-V」の法則に合わせてWR-Vになったといいます。ネーミングの意味は「Winsome(愛嬌のある)Runabout Vehicle」です。
新型WR-Vの開発コンセプトは「VERSATILE FREESTYLER(都会を自由に駆ける)」、つまり都会派クロスオーバーですが、真の狙いは「エントリーSUVの価格でコンパクトSUVの車格」です。
ここ最近のホンダ車はスターティングプライスが高めといわれがちでしたが、新型WR-Vは、209万8800円から248万9300円という、全グレードが200万円前半の価格であることが強みになります。
ただ、それが故に割り切られた部分がいくつかあるのも事実。一体どのようなモデルなのでしょうか。
新型WR-Vは、全長4325mm×全幅1790mm×全高1650mmとヴェゼルとほぼ同等サイズですが、都会的なクーペフォルムのヴェゼルに対して、ダイナミックかつ力強さを強調したスクエアなフォルムとし、「SUVらしさ」を強調させたデザインが特徴です。
筆者(山本シンヤ)はパッと見て、2007年から2010年に発売されていたホンダ「クロスロード(2代目)」を思い出しました。
インテリアはどこか懐かしさを感じるシンプルなデザインです。インパネ周りはアナログメーターやシフトレバー、レバー式サイドブレーキと割り切りも見えますが、若い世代にはこのメカメカしさが逆に新鮮に見えるかもしれません。
上級モデル「Z/Z+」は本革巻きステアリング、シフトノブ、プライムスムースドアライニング、ピアノブラック加飾などの採用で質の高さをアピールしていますが、むしろベーシックな「X」が持つ、気軽に使えるカジュアルな雰囲気が合っています。
居住性はスクエアなボディ形状も相まって高いレベルです。ボディサイズは決してコンパクトではないものの、運転席に座るとシンプルな操作系による視界の広さやボンネット先端の位置を捉えやすいノーズ形状などもより、車両感覚はつかみやすいと思います。
後席は頭、ショルダー、足元などはヴェゼル以上の広さがあり、高身長の大人でもシッカリ座れるスペースが確保されていますが、この手のモデルにしてはヒップポイントが低めのため、子どもや低身長の大人だと閉塞感があるかもかもしれません。
ラゲッジスペースは、ヴェゼルどころかZR-Vをも凌ぐ458リットルを確保。スーツケースなら4個(25インチ×2、20インチ×2)、ゴルフバック(9.5インチ)は2個積載可能なスペースです。
試しに、4人分のキャンプ用品(かなり多め)を積んでみましたが、トノカバーを外すことなくすべてラゲッジスペースに積載できたことは正直ビックリしました。
■純ガソリンの素朴さがなかなか良い!
今回は正式発売に先駆けて、テストコース内で一般道や高速道路、ワインディングを模した道と様々なシーンで試乗してみました。
新型WR-Vのパワートレインは、最高出力118馬力、最大トルクを発揮する1.5リッターNA(自然吸気)ガソリン+CVTの組み合わせのみとなっています。
ホンダは電動化を目指しているのに、「なぜガソリン車のみ?」という疑問もあるでしょうが、「250万円以下のスモールコンパクトは7割以上がガソリン車」というリサーチによる判断とのこと。
実際に乗ると、「ほー、いいじゃないか」という仕上がりでした。
アクセルを踏むとそれなりに賑やかですが、ホンダのエンジンらしく軽快に回る上にスペック以上の力強さを実感。加えてCVTは、加速時はステップアップシフト制御、減速時はステップダウンシフト制御により小気味良さもあります。
電動車に慣れている現在、混じりっけなしのピュアなパワートレインの素朴な感じも悪くないなと思いました。
シャシ周りはヴェゼルのようなセンタータンクレイアウトではなく、フロント周りは海外で販売されるセダンの「シティ」、リア周りはこちらも海外モデルのクロスオーバーSUV「BR-V」のハイブリッドプラットフォームを採用。
サスペンションはフロントがストラット、リアがトーションビームですが、EPS(電動パワーステアリング)制御を含めたセットアップは新型WR-V専用となっています。
また、駆動方式はFFのみで4WDの設定はありません。この辺りは見た目とのギャップが気になりますが、日本でのクロスオーバーSUVの使われ方はオンロードが主のため、それほどネガティブなものにはならないはずです。
その割には最低地上高195mmと高めの設定となっていて、これは悪路走破性よりも乗降性や未舗装路、段差を気にせずに走れるといったメリットがあると考えたほうが良いでしょう。
要するに「陸(おか)サーファー」的な存在なのですが、筆者は実際の用途を考えると、それもアリなのではないかと思います。
そんなフットワークの印象は、パワートレインと同じく「ほー、いいじゃないか」でした。
決して機敏ではないものの操作に対する反応の素直さ、薄皮を1~2枚外したかのようなスッキリ爽快なフィーリングと自然なフィードバック、剛性の高さよりも剛性の連続性を実感するボディ、シットリ感はないものの良くストロークしている足の動きを活かした接地性の高さなどを感じましたが、それらを力技ではなく自然かつ素直に実現しています。
例えるならどこか懐かく、ピュアで演出されていない直球勝負の走りなのです。
「この感覚、どこかで体感した事あるな?」と思い返してみると、スポーティですが日常での心地よさを重視した等身大の味付けだった2代目「フィットRS」に近いかなと感じました。
もちろん、コンパクトとはいえないボディサイズやハイブリッドの設定がないこと、今時電動パーキングブレーキやエレクトロシフトが付かない、ACCは停止保持機能が付かない、ワイルドなキャラなのにFFのみの設定など、突っ込み所が無いわけではありませんが、総合的に見ると「おっ、値段以上」な仕上がりです。
シニアにはどこか“懐かしさ”、ヤングには“等身大”のクロスオーバーSUVに仕上がっていて、そういう意味で新型WR-Vは令和時代における「最高にちょうどいいホンダ」なのかもしれません。
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みんなのコメント
デザインもプレーンで、老若男女問わずに乗れる。
コレは売れると思う。
昔のホンダも同クラスよりお買い得だった。