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「ぶつからない車」に新兵器! スバルの新世代アイサイトは自動ブレーキNo.1か

掲載 更新 7
「ぶつからない車」に新兵器! スバルの新世代アイサイトは自動ブレーキNo.1か

 “今年の車”新型レヴォーグに初搭載されたスバルの新兵器「アイサイトX」。

 昨今は、トヨタなどライバルメーカーも、先行していたスバルを上回る自動ブレーキ&運転支援システム性能に進化していたが、新しいアイサイトXは世界トップクラスの性能に返り咲いたのか? 以下、国沢光宏氏が解説します。

待望のターボ復活!! 新型フォレスターはいよいよ本気を出したのか?

 日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した新型レヴォーグが盛り上がっている! 週末になるとスバルのディーラーは大賑わい。試乗待ちになるほど。クルマ全般の評価も高いけれど、新世代アイサイトに注目している人も多いそうな。

 果たして新世代アイサイト、ライバルメーカーと比べ性能的に勝っているのだろうか? じっくり評価してみたい。

文/国沢光宏、写真/スバル、トヨタ、撮影/池ノ平昌信

【画像ギャラリー】新世代「アイサイトX」を搭載した新型レヴォーグをみる

新世代アイサイト 進化の肝「カメラ」は肉眼にも勝る!?

新世代運転支援システム「アイサイトX」を搭載した新型レヴォーグ

 改めて新世代アイサイトのセンサー性能を紹介しておく。ベースになっているのはスバル得意のステレオカメラだ。スバルのシステム、基本的にすべてカメラからの情報で制御している。

 ベンツのようにステレオカメラをレーダーと併用している他のメーカーもあるけれど、決定的に違うのがカメラ性能。ダントツに高い、と言って間違いなし。

 従来のアイサイトVer.3は、システムの「目」であるカメラに日立オートモーティブ製を使っていたが、スウェーデンのオートリブ(正確にはヴィオニアという関連会社)に変更。

 さまざまな判断を行う「頭脳」にオン・セミコンダクター社のイメージセンサーを使っている。オン・セミコンダクター社、航空宇宙部門の優良企業だったりする。

システムの「目」であるカメラをスウェーデンに本社を置くオートリブ社製に変更した結果、カメラのカバー範囲は圧倒的に広くなり、処理能力も上がった

 結果、カメラのカバー範囲は、圧倒的にワイドとなり、処理能力も飛躍的に高くなった。このあたりのスペック、TVが映るロジックと同じく理解できないのだけれど、アイサイトVer.3より4000倍くらい能力アップしているそうな。

人間の目と頭脳の能力を超えている状況すらあるという。逆光など、人間が見えなくても車線を追えている。

トヨタに劣勢だった従来型アイサイトの弱点は?

 もう少し具体的に説明したい。アイサイトVer.3で厳しかったのは、車両の陰から出てくる歩行者に対する自動ブレーキ性能など。

 トヨタの新世代システムを採用した車両を見ると、大人のダミー人形で日本で行われる試験上限速度の45km/h。子どもダミーも試験上限速度の40km/hをクリアしている。アイサイトVer.3、大人が45km/hに届いていない。

 ここまで読んで「大人だけ5km/h遅いだけなら許容範囲」と思うだろうけれど、ヨーロッパだと60km/hまで行う。

 そして日本と同じシステムを使っている欧州仕様カローラは、自転車も子供の歩行者も夜間であっても60km/hから事故を回避出来る性能を持たせているのだった。アイサイトVer.3だと勝負にならない。

 ということがバックボーンにあったのだと思う。世界TOPのスペックを目指した時、日立オートモーティブ製のカメラだと目標性能に届かなかった、ということです。

トヨタはカローラなど最新のトヨタセーフティセンスにおいて夜間の歩行者対応など高い性能を誇る

 アイサイトX(後述)を搭載した新型レヴォーグのハンドル握り、オートリブ+オン・セミコンダクターのシステムを使う運転アシストのスイッチ押すと「なるほど~!」。

 私は運転アシスト付きのクルマを3台所有している。ボルボ XC60とリーフe+、WRX S4です。3車種とも、アダプティブクルーズをセットしてレーンキープアシストをオンすれば、ハンドルに手を乗せているだけで車線をキープし、先行車が居たら速度をコントロール。

 渋滞などのノロノロ走行に出くわしてもストレス圧倒的に少ない。アイサイトXの信頼感や車線の維持性能はハッキリわかるほど高い。

新世代アイサイトは世界トップクラスか

アイサイトXは、新世代アイサイトと準頭頂衛星『みちびき』などの高度運転支援システムを加えたものになる。先行車がいる場合かつ50km/h以下の車速だとハンドル手放し運転が可能。

 ちなみにアイサイトX、新世代アイサイトをベースに準頭頂衛星『みちびき』や3D高精度地図を使う高度運転支援システムを加えたもの。

ハンドルを握っているかどうか判別するのに静電センサーを使っていることもあり、ハンドルに触れているだけで走ってくれる。

 さらに渋滞などで先行車が入れば50km/h以下の車速はハンドルから手を離すことも可能(国際協定によりアイサイトXは日本でも手放し運転が合法になってます)。

 「居眠りしたらどうするんだ?」と突っ込みたくなるだろうけれど、車載カメラでドライバーを常時監視しており、よそ見したり目を瞑ったりしている時間長いと警告されます。

 少し脱線した。といった高性能システムを持つため、新世代アイサイトは相当期待していいと思う。実は新型レヴォーグの試乗のため恵比寿のスバル本社をスタート。50mくらい走ったあたりで路地から特攻自転車が飛び出してきた。

 車道にノーブレーキで出てきたから命知らずだ。私は現役のラリードライバーだからして(笑)、瞬時にブレーキ!

 すると、そいつを追いかけるようなタイミングで新世代アイサイトがブレーキ制御してきた。現役のラリードライバー(笑)だって気を抜いて運転することはある。

アイサイトXの広範囲のセンサーにより、見にくい路地から出てくる歩行者、自転車、クルマを感知し、警報、ブレーキ制御を随時行うことが可能

 真横からの自転車に気付くのが1秒遅れたら、完全に新世代アイサイトのおかげで事故を起こさず済んだと思う。この件だけでも新世代アイサイトの実力に脱帽する。

 また、急制動に対するブレーキのレスポンスを挙げようとすると従来の負圧(バキューム)を使った、ブレーキサーボではタイムラグ出るということから電動サーボを採用している。これだけで減速の立ち上がりが0.1秒は早くなったという。

 以上。新世代アイサイトの性能は現時点で世界TOPクラスだと考えていいだろう。

【画像ギャラリー】新世代「アイサイトX」を搭載した新型レヴォーグをみる

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みんなのコメント

7件
  • 自動ブレーキについて、皆さんに知っておいてほしい事は、自動ブレーキのテスト条件はどのメーカーもみな同条件であり、どんなテストか解っている状態でのテスト結果です。そんな条件のテストはあくまで参考です。
    カメラやレーダに反応したものが、人や物でなく、影や煙等で、通過しても問題ないモノに対しても反応して自動ブレーキをかける場合があります。疑わしきモノに何でもかんでも、自動ブレーキをかけに行けば決められたテストの条件下では、良く効くシステムと勘違いするかもしれませんが、公道でドライバの意図せずに勘違い自動ブレーキ多発のリスクを起こす車な危険もありますので、ご注意ください。
    本当に大事なのは、不要作動を起こさないかどうかです。
  • 「車両の陰から出てくる歩行者に対する自動ブレーキ性能」
    最新トヨタでは60㎞/h、アイサイト3だと45㎞/h未満、
    アイサイトXがどのくらいなのか、知りたいことが書かれていない。


※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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