2022年F1第13戦ハンガリーGPでは、10番手からスタートしたマックス・フェルスタッペンが逆転優勝を飾り、今シーズン8勝目をマークした。上位勢が2ストップ戦略で争うなか、スタートでソフトタイヤを履くというレッドブルの選択が奏功。ハンガロリンクを訪れていた元ホンダの山本雅史氏は、レースを振り返り「チームの総合力とマックスの速さで完勝でした」とレッドブルとフェルスタッペンを称賛した。
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レッドブル&HRC密着:戦略に柔軟性を持たせるべく、ソフトでのスタートを選択。フェルスタッペンも変更を全面的に支持
──逆転優勝おめでとうございます。
山本雅史氏(以下、山本氏):チームの総合力とストラテジー、それをきちんと活かして結果につなげられる速さを見せたマックス(・フェルスタッペン)がすごかった。あっぱれです。今日のレースは完璧なレースと言っていいと思います。
──ストラテジーとしては上位勢はみんな2ストップでしたが、レッドブルは早めに動く2ストップでした。
山本氏:戦略面で攻めるという意味では早めに動くと、相手も色々と考えざるを得ないですから。
──そしてレッドブルはソフトタイヤでのスタートでした。
山本氏:タイヤを2種類使わなければいけないわけですが、(周回数が長くなる)第2スティントでソフトタイヤは使えない。さらに、スタート前にポツポツ降り出していたのを考えると、ソフトタイヤでスタートしたレッドブルに軍配が上がった。今日のレースは本当にチームの総合力とマックスの速さで完勝でした。レッドブルとは異なるストラテジーで2位を獲得したメルセデスとルイス(・ハミルトン)も見事だったと思います。逆にフェラーリはなぜ2回目のピットストップで(シャルル・)ルクレールにハードタイヤを履かせたのか? ミディアムタイヤをスタートで履いた時点で、選択肢が限られた。毎年レースをしているわりには、ハンガリーの天気を見ていないというか、読めていなかったと思います。それに比べてレッドブルのストラテジーは完璧でした。それに尽きます。本当にいいレースでした。
──昨年のハンガリーは思い出したくないレースだったと思いますが、今回は雪辱を晴らすようないいレースでした。
山本氏:本当にいいレースだったと思いますし、夏休み前のヨーロッパ4戦でフェラーリと2勝2敗のイーブンで終えられたので気持ちよく夏休みを迎えられるのはよかったなと思います。
──レース前に10番手と11番手からのスタートで何位ぐらいまで巻き返せると予想していましたか?
山本氏:レース前に、ヨス(・フェルスタッペン)と空を見ながら、「ちょっと雨がパラパラ降るくらいがちょうどいいんだよね」と話していたんです。スタートではまさにその状況になり、これなら表彰台に行けるかもしれないと思っていました。
──今回は予選でパワーユニットに問題が発生しました。
山本氏:トラブルの原因は聞いていませんが、一歩間違えれば、レースで起きていたかもしれません。もしそうなっていれば、ノーポイントでした。トラブルが出たことは決していいことではありませんが、出たタイミングとしては考えられる最高のタイミングだったとも言えます。そういった意味ではマックスは“持っていた”と言っていいでしょう。
──それから、今回のスタートではフェルスタッペンが珍しく引きました。
山本氏:どのカテゴリーでもそうですが、リタイアせず完走する。その上でひとつでも上の順位を目指すというのが、チャンピオンシップを戦う上で重要なアプローチです。さすがディフェンディングチャンピオンだなと思いました。特に今回のように10番前後からのスタートというのはアクシデントに巻き込まれやすい。よく周りが見えてます。
──レース後半のフェルスタッペンのターン13でのスピンも驚きました。これも珍しい。
山本氏:うまく立て直すところも含めてすごいなと思いましたし、改めてマックスのすごさ、チーム力、総合力の高さを感じました。
──(セルジオ・)ペレスの11番手からの5位も見事でした。
山本氏:最終的にルクレールの前でのフィニッシュも素晴らしいですし、レース中マックスに1度ラインを譲った場面もタイミングが絶妙でいい仕事でした。そう思うとふたりともいいチームワークをしてますし、すごくいいレースだったなと思いますね。
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みんなのコメント
熱烈に日本メーカーを応援し、圧勝を望んでいるので本来の差よりも厳しく見えているのかもしれないが、私としては以前のメルセデス、またはマクラーレンホンダ、ウイリアムズホンダ時代のような連戦連勝を見ていたい。