10月29日にイギリス本国で世界初公開されたロールス・ロイスの最新モデル、新型『ブラック・バッジ・ゴースト』が早くも日本に上陸。2016年に常設型ビスポーク・モデルとして設定され、当初は『レイス』と『ゴースト』から始まり、2017年には『ドーン』、さらに2019年には『カリナン』と展開され、世界中で新規顧客の開拓と“若返り”を実現してきた“ブラック・バッジ”に最新の1台が加わり、11月17日より国内受注が開始されている。
この新型ゴーストは「俊敏で控えめ、接続性が高く余分なデザインのないロールス・ロイス」を求めているユーザーを対象に、ロールス・ロイスのデザイナーによって「ポスト・オピュレンス(脱贅沢)」と名付けられたテーマをダークに表現する1台とされている。
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同車が設定した美しさは、リダクション(削減・縮小)とサブスタンス(実質)を特徴とし、優れた素材を厳選して使用し、控えめながらも知性を感じさせるデザインを追求。これまで展開されてきた“ブラック・バッジ”も、ロールス・ロイス史上最も飛躍的なスピードで販売された製品のひとつとなり、日本においても2021年の中核モデルとなるなど支持を集めてきた。
そのデザインラインに登場したこの新型『ブラック・バッジ・ゴースト』は「スーツではなくストリート・ウェアを身に付け、銀行ではなくブロックチェーンを利用するなど、デジタルを駆使」する層をペルソナに掲げ、ダークな美学、主張するキャラクター、大胆なデザインという新しい基準を持ち込んだモデルとなっている。
そうした世界観を表現するシグネチャー・カラーのブラックは、45キログラムもの塗料を霧状にしてホワイト・ボディに電着塗装しオーブン内で乾燥。その後、2層のクリア・コートを施したうえで4名の職人たちによって手作業で磨き上げられ、ゴーストの特徴であるハイグロス・ピアノフィニッシュを実現した。
もちろん、要望によりハイ・コントラストな手塗りの“コーチライン”を描くことも可能なら、4万4000色ものカラーパターンのなかから自由に色を選ぶこともでき、自分だけのオリジナル・エクステリアを作ることも可能となる。
さらにこのブラック・バッジでは、象徴でもある“スピリット・オブ・エクスタシー”やパンテオングリルなど、ロールス・ロイスのシンボル的なパートでさえもブラックに仕上げられ、これらのパーツは単に塗装を重ねるのではなく、クロームメッキ工程に特殊なクローム電解液を導入し、ステンレス・スチール製の下地に共析させてダーク仕上げに。表面の最終的な厚さは、髪の毛の100分の1の太さに相当する1マイクロメートルとされる。
■本格デリバリーは2022年の第1四半期から開始。価格は4349万円から
足元のビスポーク21インチ・コンポジット・ホイールは、専用にブラック・バッジ・ハウス・スタイルのデザインが施され、バレル部分には22層のカーボン・ファイバーを3方向に交差させて配置したものを使用。リムの外周で折り返すことにより合計44層のカーボンファイバーが強度を高めている。
また、3D鍛造アルミニウム製ハブは、航空宇宙産業で使用するグレードのチタン製ファスナーでリムに固定され、RR(ダブルR)のモノグラムが常に直立する、ロールス・ロイスの特徴的なフローティング・ハブ・キャップが装着される。
その外観に見合うパフォーマンス面では、旗艦『ファントム』で初登場し、昨年の新型『ゴースト』にも採用されたロールス・ロイス独自の“アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー”と呼ぶオールアルミ製スペースフレーム構造を採用。
極めて高いボディ剛性を実現するだけでなく、4輪駆動システムや4輪操舵システム、また受賞歴のある“プラナー・サスペンション・システム”を搭載することを可能とした。さらにブラック・バッジに搭載するにあたり、より容量の大きなエア・サスペンションを組み合わせることで、コーナリングの際にもボディのロールを抑えるセットアップとなっている。
こちらも象徴的な6.75リッターの排気量を持つV12ツインターボ・エンジンは、さらに29PSを上乗せし、最高出力600PSを実現。加えてトルクも50Nm上乗せして900Nmとすることで、いつまでも続くシームレスな走行感覚を強調する。またZF製8速ギヤボックスと前後操舵システムを備えたアクスルが協調して動作し、作動ポイントを高めストロークを詰めたブレーキも併せて、エンジンの増大されたパワー・リザーブをさらに活かすような“ビスポーク”も施された。
この新型『ブラック・バッジ・ゴースト』の本格デリバリーは2022年の第1四半期から開始される予定で、価格は4349万円(消費税込)から。ビスポーク・オーディオやリヤ・エンターテイメント・システムなどを含む、発表時の特別ローンチ・パッケージ付きモデルは4851万6000円(消費税込)からとなっている。
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