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新型クラウン試乗レポート 15代目クラウンは世界を驚かすか?!(プロトタイプ)

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新型クラウン試乗レポート 15代目クラウンは世界を驚かすか?!(プロトタイプ)



「クラウン」がフルモデルチェンジをする。15代目となる新型クラウンは、レクサスLCから採用が始まった最新のTNGA-Lプラットフォームを採用。そして、これまでのクラウンには、マジャスタ、ロイヤル、アスリートという個性の違うモデル展開をしていたが、それをやめている。そしてクラウンに「RS」というグレードを設定するなど、新たな挑戦をしているのだ。そのプロトタイプに試乗できたのでさっそくお伝えしよう。<レポート:高橋明/Akira Takahashi>

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■狙い

新型クラウンが走りを語れるモデルになった。開発責任者の秋山晃氏は、『世界をもう一度驚かす』、『世界と戦う』というのがキーワードだという。開発はクラウン史上初の試みで、ドイツ・ニュルブルクリンクでテストもしている。おそらく車両価格的にはBMW3シリーズ、メルセデスCクラスをターゲットとしベンチマークには5シリーズやEクラスを置いたに違いない。現行型クラウンの後期モデルで登場したアスリート 2.0 Tは、BMW 3シリーズをターゲットにしてその走りが開発されたが、この時のそうした取り組みが、今回の新しいプラットフォームやエンジン群をベースに新型クラウンの全モデルに拡大され、そして、グローバルで通用するEセグメント・セダンにするという思惑を感じることができる。

デザイン、走り、安全を進化させることはもちろんだが、コネクテッドという新たな価値もこの新型クラウンには搭載している。トヨタの通信システムT-Connectで使用する常時接続用のDCM(Data Communication Module)を全車に搭載し、人、クルマ、街がつながる新たな価値の提供が始まる。今回、こちらの詳細説明はなかったが、若い世代を中心に訴求できるだろう。

■試乗レポート

さっそく試乗レポートをお伝えしよう。
パワートレーンは3.5Lハイブリッド。V6型ダイナミックフォースエンジンのハイブリッドでメカニカル4ATと電気式無段変速機を組み合わせた疑似10段変速が実現している。このユニットはレクサスLSと同じものだ。それと2.5Lハイブリッド。こちらはカムリに搭載する4気筒ダイナミックフォースエンジンと電気式無段変速機が組み合わされる。そして2.0L4気筒直噴ターボに8速ATの組み合わせという3種類のパワートレーンがラインアップされる。

また、各パワートレーンにはRSというスポーツグレードが設定され、AVSダンパー(連続可変式ダンバー)が搭載され、ドライブモードはeco、comfort、normal、、sport、sport+の5段階の切り替えが可能だ。一方、標準車にもドライブモード切替があり、eco、normal、sportの切り替えができる。

■2.5Lハイブリッド G

こちらのグレードがもっとも売れ筋となるであろうグレードだ。3段階のドライブモード切替があり、ダンパーは日立オートモーティブ製のモノチューブを採用している。装着タイヤはヨコハマのブルーアースでサイズは215/55-17。パドルシフト付きだ。

シートに座ってみると、ドライビングポジションがやや高いと感じるが、現行クラウンと同じだという。走りを意識した新型だけに、もう少し低くしても良かったと思う。エンジン搭載位置は、TNGA-Lとなったことから15mmほどダウンしており、ロールセンターをはじめダイナミック性能の向上を狙っている。

ステアフィールが滑らかで気持ちよく、相当気を使った制御であることが想像できる。高級車らしく、穏やかなアクセルの踏み方であればモーター走行となり、踏み込めば、力強く走る。ロールやヨーの出方はこれまでのクラウンとは違い、スポーティな印象。微小舵からクルマは動き、自然にロールしていく。ロール量は少ないが、滑らかにロールし、回頭性も高い。

現行のアスリートもこうした制御の傾向になっているが、微分カーブの凸凹が残っている印象で、これに対し新型は滑らかな微分カーブを描いていると感じる。

エンジン音は聞こえるように演出を入れたということだ。ドライブモードをスポーツ切り替えると良く聞こえる。だが、この変速機のラバーバンドフィールをかえって強調しているようにも感じてしまうので、好ましくない。しかし、このフィールを一般ユーザーは気にしない、という話も聞くので難しい評価だと思う。とはいえ、いいものを知っている40代をターゲットとするなら、マッチしていない。

モーター走行など静粛性が高いときには、風切り音が気になる。エンジンがかかっているときは気にならないが、静かになると別の部分が顔をだすというハイブリッドやEV車の悩みの種でもある。

■2.0L直噴ターボ+8速AT RSグレード

可変ダンパー搭載の2.0Lターボで、タイヤサイズは225/45-18。ブリヂストンのレグノを装着していた。パワーユニットの軽さもあるのか、軽快で気持ちいい。まさに『これがクラウンか?』と感じされるハンドリング。ただ、世界と戦うとか、驚かすといった言葉を事前に聞いてしまうとハードルが上がってしまい、更なる要求がでてくる。


具体的にこれが不満ということはないのだが、もう少し・・・という細かな要求が顔をだす。例えば、ブレーキタッチで、効きは申し分なくいいが、安心感につながる剛性感を求めたくなる、といった程度のものだ。

■3.5LハイブリッドG-エグゼクティブ

マジェスタユーザーを取り込むことも視野に入れたトップグレードだ。パワーユニットの重さがあるのだろう、全体に『重さ』を感じるが、他のパワーユニットモデルと乗り比べている環境だからこそ、感じるものかもしれない。ひとつ気になるのは、スポーツ走行しているときに、60km/h近辺での減速、加速時に、スムーズな切り替えとならない場面があった。スポーツモードを選ぶと自動でブリッピングしながらシフトダウンするが、そこから踏み込みや再減速などすると、ギクシャクする場面があった。

また、ブレーキタッチが、2.5Lハイブリッドでは全く問題のないフィールだったが、3.5Lハイブリッドではどこか違和感のあるタッチフィールで、システムの違いからくるものと想像する。

■2.5LハイブリッドAWD E-Four

今回試乗したモデルでもっとも驚かされたモデルだ。それは良く曲がるのだ。機械式のAWDという説明だが詳細がわからない。が、前後トルクは3:7から5:5まで可変するという。しかしながら装着タイヤは17インチのコンフォート系の仕様で『なぜ18インチを履かない?』というほどスポーツAWDという印象だった。

ターンインではスパッと回頭してノーズが入り、タイトで回り込むようなシーンでの追操舵でもぐんぐん回頭するイマドキの旋回性。ただ、パワーステアリングの切戻し、セルフアライニングトルクが強い瞬間もあり、操舵フィールは標準モデルとは若干異なる印象だった。

■デザイン

クラウン初の6ライツを採用。Cピラーを細くし、これまであったクラウンの王冠マークも外され、4ドアクーペライクなルーフラインになった。全体のシルエットはロングノーズでキャビンを低く見せ、これまでのクラウンとは異なる流麗なシルエットになって登場した。

とくにリヤクオーター周りを絞り込み、欧州プレミアムセダンに通ずるシルエットで、リヤタイヤの張り出しや踏ん張り感があり、ワイド&ローの安定感のあるデザインだ。また、フロントフェイスは分厚いこれまでのパターンから変更されたが、目力のある、ひと目でクラウンと分かるデザインで、うまく伝統を引き継いでいると思う。

ボディサイズは不明だが、幅は1800mm死守というのが開発のベースであり、全長はほぼ同等と思われる。また、全高は低められているシルエットだ。

■インテリア

目を引くのはダブルディスプレイだ。下端のパネルが操作用のディスプレイで、タッチパネル方式になっている。上段は表示専用ディスプレイという設定になっている。視線移動を極力少なくするという狙いの設定だそうだ。

インテリアの質感やシート表皮などに関してはプロトタイプということもあり、公道での試乗時にまたレポートしたい。

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