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ブランドの歴史の一部を所有する アストン マーティン DB11 V8かV12か 英国版中古車ガイド

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ブランドの歴史の一部を所有する アストン マーティン DB11 V8かV12か 英国版中古車ガイド

スポーティな体験ならV8が僅かに勝る

2016年を振り返えると、映画ラ・ラ・ランドが公開され、ブラジル・リオ・デ・ジャネイロでオリンピックが開かれた。その年に、アストン マーティンはDB11をリリースしている。

【画像】流麗なグランドツアラー アストン マーティン DB11 AMRとヴォランテ DBSも 全99枚

この流麗なグランドツアラーは、英国伝統のブランドを成功へ導くか窮地へ追い込むか、分かれ目になる重要なモデルだった。実際は順調に受注台数を伸ばし、その後も運命を決めるようなモデルが登場したものの、現在における主力の一角をなしている。

当初のDB11が搭載していたのは、5.2Lの排気量を持つV型12気筒ツインターボ。最高出力608ps、最大トルク71.3kg-mを発揮し、最上位に君臨するグランドツアラーに不足ない走りを与えていた。

このV型12気筒エンジンを積んだ標準のDB11は、2019年にDB11 AMRが登場し交代。最高出力は639psへ引き上げられ、現在も販売が続いている。

一方で、ツインターボの4.0L V型8気筒エンジンが2017年に登場。DB11 V8を名乗り、当初は510psを発揮した。その後の小改良を経て、現在の最高出力は535psを誇る。

このV8エンジンがメルセデスAMG由来であることは、AUTOCARの読者ならご存知かもしれない。例えば、メルセデスAMG GTに積まれているものなどと関係性は深い。

一層スポーティなドライビング体験を求めるなら、DB11 V8の方が僅かに勝る。ただし明確な違いではなく、趣が少し異なる程度ではある。エンジンが軽量なおかげでフロントノーズの反応がシャープで、コーナーでの機敏さは一枚上手。ライン調整もしやすい。

上質な乗り心地 素晴らしい身のこなし

DB11でもう1つの大きな魅力が、極めて上質で落ち着いた乗り心地。サスペンションにはビルシュタイン社のアダプティブダンパーが装備され、GT、S、S+とモードを変えられる。

最もしなやかなGTモードであっても、理想的なグランドツアラーらしく素晴らしい身のこなしを実現させている。郊外の一般道を素早くこなし、長距離の高速移動は快適。能力の幅の広さを実感できるはずだ。

ステアリングの反応や重み付けも素晴らしい。適度にクイックではあるが、高速道路で過敏に感じるほどではない。手のひらには路面やタイヤからの確かな情報が伝わり、操る自信を高めてくれる。

ドライビングポジションにも不満はない。インテリアは、フロアから天井まで豪華な素材が惜しみなく用いられている。フロントシート側にはゆったりした空間が与えられ、その後ろには子供を載せられる+2のリアシートが備わる。手荷物を置くのにも丁度いい。

荷室は、大人2人の2泊分の荷物が問題なく積める。英国なら、南フランスで過ごす週末旅行の移動手段としても好適といえる。

上級グランドツアラーとして、カスタマイズ・オプションはふんだんに提供されていた。それだけに現在の中古車市場を確かめてみると、多様なDB11が存在することがわかる。

アストンの歴史の一部を手中に収める

まだ現行モデルということもあり、中古車価格はお高い。英国の場合、初期のV12やV8でも8万3000ポンド(約1377万円)以上はするようだ。AMRになると、11万ポンド(約1826万円)はくだらない。

それでも、ライバルといえる現行型のベントレー・コンチネンタルGTの中古車は12万ポンド(約1992万円)程度からだから、お手頃感がないわけではない。新車のDB11なら、最低でも15万ポンド(約2490万円)用意できなければ注文は難しい。

この価格帯のグランドツアラーで比較すれば、ラグジュアリーさやドライバーへの訴求力で、極めて高い競争力を持つのがDB11だ。そこには、アストン マーティンの長い歴史の一部を手中に収めるという、特別な価値も含まれている。

トリムグレードとスペック

DB11の場合、選ぶべきトリムグレードで悩む必要はない。そもそも装備が充実しており、トリムグレード自体が存在しない。

ヒーター内臓のレザーシートやエアコン、キーレスエントリーなどはもちろん標準。他にもクルーズコントロールにパーキングセンサー、駐車時の360度モニター機能など、思い当たる装備はすべて付いていると考えていい。

ただし、2018年にコンバーチブルのヴォランテが追加されている。オープンエアでDB11を楽しみたいのなら、V型12気筒エンジンを選ぶことはできない。V8エンジンのみの設定になっている。

知っておくべきこと

メルセデス・ベンツ由来となっているのは、V8ツインターボ・エンジンだけではない。親会社のダイムラーとアストン マーティンによる協力関係のもと、様々なコンポーネントが共有されている。

インフォテインメント・システムは、独自のグラフィックが与えられているが、中身はメルセデス製。電動機械式のパワーステアリングや、マルチリンク式のリア・サスペンション、ブレーキ制御によるトルクベクタリング機能なども同様だ。

購入時に気をつけたいポイント

燃費

4.0LのV8ツインターボも5.2LのV12ツインターボも、容赦なくガソリンを燃やす。WLTP値では、V12の平均燃費は7.5km/Lがうたわれている。V8の方は8.8km/Lだが、なかなか届きにくい数字だ。

電気系統

インテリアの製造品質は、過去にないほど高い。内装の部品が走行中に外れるというようなことは、ないといえる。ただし英国の場合は、ナビやエアコンの不具合を経験しているオーナーもいるようだ。

英国編集部の推しチョイス

ベスト:DB11 V8

最もお手頃に購入できるDB11で、ランニングコストも抑えられる。もっとも、この価格帯のモデルを購入できるドライバーの場合、あまり気にするポイントではないかもしれないけれど。

操縦性はV12より優れている。多くの注目を集めるアストン マーティンだということに、変わりはない。

ワイルドカード:DB11 AMR

中古車でもかなりの高額となるが、選ぶなら1番、を求めるならコレ。コーナリング性能に息を呑みつつ、高速道路ではV12が生み出す余力でエレガントに疾走できる。

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