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遂に日産アリア・プロトタイプへ試乗 402kmの航続距離は妥当 価格はお高め?

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遂に日産アリア・プロトタイプへ試乗 402kmの航続距離は妥当 価格はお高め?

メガーヌ E-テックとメカニズムを共有

ハッチバックのリーフをいち早く発売し、純EVをリードしていた日産だが、次期モデルの市場投入にはかなりの時間が必要だったらしい。ようやく、アリアのステアリングホイールを握れる日がやって来た。

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といっても、まだ量産仕様ではないプロトタイプ。完成には、もう少しの時間が必要なのだろう。それでも、フォルクスワーゲンID.4やヒョンデ・アイオニック5などと充分に対峙できるモデルになるであろうことは、充分に確認することができた。

日産としても、相当に気合が入っていることは間違いない。プラットフォームは、CMF-EVと呼ばれるもので、ルノー・メガーヌ E-テック・エレクトリックも採用している。

スタイリングには、日産の独自性が強く表れている。メガーヌ E-テックとメカニズムを共有することは、見た目からはまったくわからない。

一方はスポーティなハッチバックだが、アリアはより大柄なクロスオーバー。シンプルで滑らかなラインと、クリーンな面構成に仕上がっている。

駆動用バッテリーは、エントリーグレードの実容量で63kWh。駆動用モーターの最高出力は218psあり、WLTP値での航続距離は402kmがうたわれている。242psの駆動用モーターと、87kWhの大容量バッテリーという組み合わせも追加になる予定だ。

高性能版となるのが、ツインモーターの四輪駆動となるE-フォース(4orce)。システム合計での最高出力は、306psか393psが選べるという。こちらの航続距離などの詳細は、まだ明らかではない。

不足ない航続距離 見劣りする急速充電能力

シングルモーター版アリアの63kWhと402kmという数字は、際立つものではないものの、現代の純EVとして不足はない。反面、最大で130kWまで対応するという急速充電能力は、少々物足りない。

日産は、アリアが安定して最大容量での充電が可能だと強調している。それでも、ヒョンデは230kWまで許容できることを考えると、見劣りするといわざるを得ない。

10%から80%まで充電できる最短時間は、87kWhのアリアで約40分。ヒョンデなら、同等の容量を18分でこなせるのだ。

純EVへ特化したプラットフォームを採用するだけあって、フロアはフラット。日産はそのメリットを活用し、可能な限り車内空間を広げた。とても開放的で、センターコンソールは前後にスライドもできる。

高めの視点に背もたれが起き気味の運転姿勢は、多くのユーザーへ好まれるだろう。ただし運転席側は、身長185cmの筆者には天井が近く感じられた。後席側も、少し余裕を感じにくいようだ。

ダッシュボードには、メターパネル用とインフォテインメント用、2面の12.3インチ・モニターがレイアウトされている。もはや、新モデルにモニターは不可欠な要素となった。

プロトタイプではあったが、インフォテインメント・システムのインターフェイスはわかりやすく、システムの反応も良好。直感的に操作できると感じた。

ラウンジのように印象の良い車内と走り

カーペットの質感は今ひとつながら、インテリアに用いられている素材はトップクラス。従来の日産とは別次元の、高級感が生まれている。

ウッドパネルはフェイクだというが、充分鑑賞に耐える。パネルに内蔵されたタッチセンサー・タイプのボタンも、フィードバックがあっていい。一部の機能には、実際に押せるハードボタンが残されても良かったとは思うけれど。

フロント側に荷室はないものの、リアシート後方の荷室は広い。車内空間全体も、ID.4よりゆとりがあるようだ。

日産は、アリアをラウンジのようなクルマだと表現している。確かに、インテリアにはそんな雰囲気が漂う。それは、走行フィーリングにも反映していると感じた。スポーティさを求め乗り心地を多少犠牲にした、ライバルの純EVとは違うベクトルを向いている。

試乗が許されたのは、路面が滑らかなサーキットということで、しっかり質感を確認することはできなかった。しかし、コーナー内側の縁石へ乗り上げてみた限り、衝撃吸収性に優れるサスペンションが与えられている様子。

それでいて姿勢制御に優れ、上下動は少ない。ヒョンデ・アイオニック5より好印象といえる。路面状態の良くない英国の一般道にも、より適しているかもしれない。

高い完成度を期待できるが、価格は高めか?

一方で、ドライバーが楽しめるようなシャープさはない。218psを一手に引き受けるフロントタイヤは、滑りやすい路面ではフルスロットルでホイールスピンしかけるし、トルクステアも感取される。

コーナーでは明確にボディロールを示す。ロードホールディング性も、クロスオーバーとしては妥当といったところだ。

とはいえ、日常的な速度で走らせている限り自然で扱いやすい。ステアリングのレシオや、ステアリングホイールの重み付けは丁度いい。完全なワンペダル・ドライブはできないものの、強力な減速も得られる回生ブレーキは、効きを調整しやすいと感じた。

日産アリアは、すでに欧州市場でもオーダーが始まっている。英国とノルウェー、オランダ(ネザーランド)からスタートしており、2022年夏の納車が予定されている。

英国価格は、63kWhの駆動用バッテリーに前輪駆動で4万1845ポンド(約648万円)、87kWhなら5万1090ポンド(約791万円)から。高性能なパフォーマンス・グレードでは、5万8440ポンド(約905万円)となっている。

具体的な評価は、量産版を公道で試乗するまで保留としておこう。特徴的で完成度の高いクロスオーバーに仕上がることは、間違いなさそうだ。競合モデルと比較して、価格は少々お高めに感じるのだが、いかがだろう。

日産アリア 63kWh アドバンス・プロトタイプのスペック

英国価格:4万1845ポンド(約648万円)
全長:4595mm
全幅:1850mm
全高:1655mm
最高速度:160km/h
0-100km/h加速:7.5秒
航続距離:402km
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:1920kg
パワートレイン:AC誘導同期モーター
バッテリー:63kWhリチウムイオン(実容量)
最高出力:218ps
最大トルク:30.6kg-m
ギアボックス:シングルスピード

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