グンペルト・アポロとの関係
2003年に創業者が亡くなってから活動を停止しているイタリアのデ・トマソが、ついに復活する見込みだ。
いま、素のデ・トマソ・パンテーラが狙い目 ボナムス・パドーヴァ・オークション
デ・トマソの新たなオーナーは、ブランドの60周年を記念し、7月に開催されるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでまったく新しいモデルを公開するという。
これに先立ち、カモフラージュで隠されたプロトタイプの写真がSNSに投稿された。それを見ると、かつてのパンテーラとよく似ていることがわかる。1971年から1993年まで生産されたパンテーラは、フォード製V8エンジンをミドシッするスポーツカーだった。車高が低く、ウェッジシェイプの直線的なボディラインが共通する。
プロジェクトPというコードネームで呼ばれていることからも、新生デ・トマソがパンテーラの名前をもう一度使おうとしていることがうかがえるものの、現時点ではまだ裏付けは取れていない。
デ・トマソの復活は、香港を拠点とするアイデアル・チーム・ベンチャーという会社の主導によるものだ。同社は倒産したグンペルトをアポロとして復活させた実績もある。
アイデアル・チーム・ベンチャーは、デ・トマソの商標権を2014年に105万ユーロ(約1.3億円)で買収。プロジェクトPの開発にはアポロのエンジニアが関わっていると言われているが、その他にもまだ名前が明かされていない「世界有数のテクニカル・パートナー」が協力しているという。
復活計画 今回が2度目
アルゼンチンで生まれたアレハンドロ・デ・トマソは、イタリアに移りF1ドライバーとして活動した後、1959年に自身のメーカーを設立。同社の長い歴史の中では、フランク・ウィリアムズのためにF1マシンを開発したり、1975年から1993年の間にはマセラティの親会社だったこともある。
新たにジェネラル・マネージャーに就いたリャン・ベリスは、次のように語っている。「アレハンドロの人生について、これまで正確に語られたことはありません。しかし、彼の名前はエンツォ・フェラーリやフェルッチオ・ランボルギーニのように、多くの人から認められるべきだとわれわれは感じています」
デ・トマソの復活が計画されたのは今回が初めてではない。遡ること2009年には、フィアットの元重役が商標権を取得し、SUVや高級サルーン、クーペなど、いくつかのモデルを2011年から生産しようと計画。しかし2012年半ばに会社は精算され、賃金未払いのまま残された900人の従業員と、元ピニンファリーナの工場は新たなオーナーに救われた。
驚くことに前社長はその後、デ・トマソ復活のために集めたイタリアの公的資金を乱用した疑いで告訴されている。
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