現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【ジャガーFタイプとの比較】トヨタGRスープラ(3)長期テスト 見えてきた特徴

ここから本文です

【ジャガーFタイプとの比較】トヨタGRスープラ(3)長期テスト 見えてきた特徴

掲載 更新 3
【ジャガーFタイプとの比較】トヨタGRスープラ(3)長期テスト 見えてきた特徴

積算4229km ステアリングのスポーク 

text:Richard Lane(リチャード・レーン)

【画像】競合関係のGRスープラとFタイプ 全95枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


トヨタGRスープラで、惜しいのがステアリングホイール。リム全体はスリムなのだが、3時と9時の位置に極太のスポークが伸びていて、うまく握ることができない。

シフトパドルもBMWの方が大きく、操作時のフィーリングも良い。ドイツ製のものに変えてもらえないだろうか。

積算6968km 3700kmのイタリア旅行

先月、GRスープラでイタリアへ向かった。本当に素晴らしい自動車旅行だった。往復3700kmの旅となったが、一切のストレスは感じなかった。

幹線道路では見事な洗練性を発揮し、カーブの多い裏道に入れば、適度なコンパクトさで扱いやすい。タイヤの空気圧を280kPaへ高めていたが、ライバルより快適な乗り心地だったと思う。

積算8067km 長距離ドライブで見えてきた特徴

GRスープラが英国編集部へやってきて、数ヶ月が経った。ドライビングの良さには、まだあまり触れていない。

意図的に後回しにしてきたわけではないものの、GRスープラを理解するには少しの時間が必要で、複雑な答えを導き出したいと考えていたためだ。

2019年5月の発表試乗会に参加できなかったことも、さほど残念ではなかった。初期モデルの初試乗は、とても難しい。情報が不確かな時があるし、不慣れな道を1・2時間程度運転しただけでのレポートには、あまり気が進まないというのが本音。

ようやく、ドイツ・アウトバーンでの高速域とイタリアへの長距離旅行とで、GRスープラの優秀ぶりに触れたいと強く感じるようになった。並外れて良いのだ。

価格で近似するFRのジャガーFタイプ

クルージングはとても静かで、サスペンションは当たりが柔らかい。短いホイールベースから想像するより、穏やかな気持ちで運転していられる。

英国の郊外の道でも、BMW M2のような走りにフォーカスしたクルマより、休憩の回数は少なくて済む。オーナーとして普段の足に乗る場合、長距離移動でもGRスープラを気兼ねなく選択したいと思える。

回数としては、5回のうち2回くらい。オールラウンダー的なモデルだと、充分に呼べると思う。

今回は考えを整理するため、あまり比較されることはないものの、内容を考えれば直接的なライバルに当たるモデルへ試乗した。4気筒エンジンのジャガーFタイプ、P300だ。

英国での価格は、5万4510ポンド(735万円)から。GRスープラの価格とほぼ同じ。トヨタの方がエンジンは2気筒多く、扱いやすい太いトルクもあり、若者受けするモデルではある。それでも、興味深い比較だといえる。

GRスープラの方が装備は充実し、BMW由来の好感触なエンジンを載せている。内装の組み立て品質なども高い。路上での存在感は、両車とも互角。多くの視線を集める。それでも、新しくまだ珍しいGRスープラへの注目度の方が勝るようだ。

ジャガーFタイプに乗っていると、GRスープラで気になる点が見えてきた。1つ目は、弱いながらアンダーステア傾向にあること。グリップ力の限界領域まで迫る必要もなく、明らか。

路面の変化に敏感 ステアリングの薄い感覚

Fタイプは、コーナーでパワーを掛けるとテールが反応する。GRスープラは、ノーズのラインがやや膨らむ。酷いと感じるほどではないけれど。

またGRスープラは、路面の変化に少し敏感。サスペンションへ徐々に負荷がかかる半径の大きい高速コーナーでは、不意にオーバーステアが顔を出すこともある。シャープな身のこなしを感じ取れる瞬間ではある。

もう1つは、ステアリング。重さはちょうどよく、レシオも遅いわけではないが、不自然なリモート感がある。手のひらへの感覚が薄い。普通に運転している限り、ジャガーやポルシェ、BMW Mモデルより穏やかな性格付けだ。

Fタイプの操舵感は、より軽快で繊細。手応えもあり、コミュニケーション力に優れている。軽量な4気筒エンジンが、ハンドリングをさらに高めている。根本的な違いでもある。

GRスープラのサスペンションは、もっと磨き込めるとも思う。ジャガーは20インチのホイールを履いており、乗り心地では及ばなかった。

全体的な印象では、ギリギリまで攻め込まない限り、GRスープラは大胆なスタイリングに相応しい走りを味わえる。ジャガーのように、似た構成で別の仕立てにまとめられることも確かめられた。

トヨタGRスープラはコンパクトなボディで、挙動が予想しやすい。カーブの続く道を走り抜ける充足感も高い。30年ぶりのスープラであるということを考えると、感心せずにはいられない。

テストデータ

気に入っているトコロ

タイヤ:パイロット・スーパースポーツからミシュラン・パイロットスポーツ4Sへ変わったが、耐久性も高く挙動も漸進的。グリップに優れ、ウェット路面でも安心感が高い。

気に入らないトコロ

トランスミッションの設定:スポーツモードは少々過激すぎる。いつも5500rpmまで回したいわけではない。また、ZF社製のATなら、もっとスムーズに変速もできるはず。

テスト車について

モデル名:トヨタGRスープラ・プロ(英国仕様)
新車価格:5万4340ポンド(739万円)
テスト車の価格:5万4960ポンド(747万円)

テストの記録

燃費:11.0km/L
故障:なし
出費:なし

こんな記事も読まれています

ホンモノもあれば雰囲気だけの「なんちゃって」もあったなぁ……一時期プチブームになった「和製ユーロ仕様」の国産車5選
ホンモノもあれば雰囲気だけの「なんちゃって」もあったなぁ……一時期プチブームになった「和製ユーロ仕様」の国産車5選
WEB CARTOP
「し」はイメージ悪い? 車のナンバープレートで使われない「ひらがな」がある理由とは
「し」はイメージ悪い? 車のナンバープレートで使われない「ひらがな」がある理由とは
乗りものニュース
まもなく日本上陸! 650馬力のAWD高性能スポーツモデル 新型「アイオニック5 N」ってどんなクルマ?
まもなく日本上陸! 650馬力のAWD高性能スポーツモデル 新型「アイオニック5 N」ってどんなクルマ?
VAGUE
マイアミ勝利で疑い払拭! ノリス「自分が勝つ瞬間が来ることを心配したことはなかった」
マイアミ勝利で疑い払拭! ノリス「自分が勝つ瞬間が来ることを心配したことはなかった」
motorsport.com 日本版
零戦スタイルをまとったスカイライン! 地上の戦闘機には鹿児島育ちのオーナーの平和への願いが込められていた!! 【大阪オートメッセ2024】
零戦スタイルをまとったスカイライン! 地上の戦闘機には鹿児島育ちのオーナーの平和への願いが込められていた!! 【大阪オートメッセ2024】
WEB CARTOP
ノリスが悲願のF1初優勝「『ランド・ノーウイン』と呼んでいた人たちが間違っていたと、ついに証明できた」F1第6戦
ノリスが悲願のF1初優勝「『ランド・ノーウイン』と呼んでいた人たちが間違っていたと、ついに証明できた」F1第6戦
AUTOSPORT web
ボルボXC40が仕様変更。特別限定車として「プラスB3セレクション」も発売
ボルボXC40が仕様変更。特別限定車として「プラスB3セレクション」も発売
カー・アンド・ドライバー
出場停止近づくマグヌッセン、僅か5戦でペナルティポイント10加算「コメントしない方がいいかな」
出場停止近づくマグヌッセン、僅か5戦でペナルティポイント10加算「コメントしない方がいいかな」
motorsport.com 日本版
ついにグリルが光る!BMW『iX』初の大幅改良へ、パワーも飛距離も大刷新
ついにグリルが光る!BMW『iX』初の大幅改良へ、パワーも飛距離も大刷新
レスポンス
【ブレイズ】警察署主催の「電動キックボードの外観を有する車両の実車講習会」に体験車両を提供
【ブレイズ】警察署主催の「電動キックボードの外観を有する車両の実車講習会」に体験車両を提供
バイクブロス
スカイラインの意欲作!! GT-Rじゃないけど超魅力的な[スカイラインRS]誕生の理由が衝撃的だった
スカイラインの意欲作!! GT-Rじゃないけど超魅力的な[スカイラインRS]誕生の理由が衝撃的だった
ベストカーWeb
【読み物】実はこんなにある! 魅力的な日本メーカーの海外仕様SUV&ピックアップ【パート1】
【読み物】実はこんなにある! 魅力的な日本メーカーの海外仕様SUV&ピックアップ【パート1】
Webモーターマガジン
レッドブルのホーナー代表「ペレスがフェルスタッペンと追突しなくてラッキーだった」|F1マイアミGP
レッドブルのホーナー代表「ペレスがフェルスタッペンと追突しなくてラッキーだった」|F1マイアミGP
motorsport.com 日本版
ついにGクラスにも完全電動化モデルが登場! メルセデス・ベンツ「G 580 with EQ テクノロジー」で高級オフローダー界に殴り込み
ついにGクラスにも完全電動化モデルが登場! メルセデス・ベンツ「G 580 with EQ テクノロジー」で高級オフローダー界に殴り込み
THE EV TIMES
3号車Niterra、富士3時間で&圧勝も実はタイヤタイヤマネジメントに苦戦「まず昨年のパフォーマンスに追いつかないと」
3号車Niterra、富士3時間で&圧勝も実はタイヤタイヤマネジメントに苦戦「まず昨年のパフォーマンスに追いつかないと」
motorsport.com 日本版
メーカーと販売店が野球で対決、トヨタ自動車 VS 茨城トヨペット 5月27日
メーカーと販売店が野球で対決、トヨタ自動車 VS 茨城トヨペット 5月27日
レスポンス
ポルシェ、新しい車両機能のキャリブレーション用AIエージェント開発
ポルシェ、新しい車両機能のキャリブレーション用AIエージェント開発
LE VOLANT CARSMEET WEB
高速の陸橋越えたら「え、終わり!?」32年ぶり解消!埼玉の“不思議な道路”なぜいま全線開通? やっぱり不思議な風景
高速の陸橋越えたら「え、終わり!?」32年ぶり解消!埼玉の“不思議な道路”なぜいま全線開通? やっぱり不思議な風景
乗りものニュース

みんなのコメント

3件
  • スープラの良い点は殆どBMWの恩恵にあたる所ばかり
    唯一トヨタ担当のエクステリアデザインではジャガーの方が圧倒してる
  • ジャガーと比べるとスープラは下品だな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

499.5789.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

144.81730.0万円

中古車を検索
スープラの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

499.5789.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

144.81730.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村