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3モーターで761ps マセラティ・グラントゥーリズモ・フォルゴーレ 試作車へ試乗 航続450km

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3モーターで761ps マセラティ・グラントゥーリズモ・フォルゴーレ 試作車へ試乗 航続450km

BEV版も登場した2代目グラントゥーリズモ

「マセラティの復活は、素晴らしいデザインの魅力的なクーペで始まりました」。10年以上前、先代のグラントゥーリズモが発表された時にAUTOCARはこう記した。

【画像】最新EV版グラントゥーリズモ MC20にPHEVの296とアルトゥーラ、EVのエヴァイヤも 全142枚

さらに続く。「しかし、動的能力は少々期待はずれ。信頼性にも疑問符が残ります」。筆者の言葉ではない。

だが2023年の今回は違う。見事な完成度のスーパーカー、MC20で新しい章の始まりを2022年に告げている。今度のマセラティは、本当に復活を遂げることになるだろう。

その勢いを保つべく、美しい2ドアクーペが発表された。筆者が試乗する機会を得た、グラントゥーリズモ・フォルゴーレだ。

見た目は、2007年から2019年に生産されていた先代に近いものの、メカニズムはまったく異なる。パワートレインには3種類が用意される。MC20のV6ツインターボ・エンジンを搭載した2種類と、バッテリーEV(BEV)から選べる。

英国価格は、V6ツインターボ版のグラントゥーリズモで約13万ポンド(約2080万円)から。BEV版のグラントゥーリズモ・フォルゴーレは、約19万ポンド(約3040万円)からが予想されている。

全長は4959mm、全幅が1957mm、全高が1353mmというサイズを持ち、ロングでワイド。リアに大きな荷室を備える4シーターとなる。車重はBEV版で2260kgあり、V6エンジン版より450kgも多い。

ボディは全体の65%がアルミニウム製。残りはスチールとマグネシウムが適材適所で用いられている。サスペンションは、フロントがダブルウイッシュボーン式。リアは5リンクのマルチリンク式で、エアスプリングが支える。

トリプル・モーターで761ps 航続は450km

V6エンジンの場合、従来と同様にフロントエンジン・リアドライブというレイアウト。BEV版のフォルゴーレでは、フロント側にディファレンシャル付きの駆動用モーターが1基、リア側に左右個別に2基が搭載されるトリプル・モーターとなる。

駆動用バッテリーの容量は、83kWh。トランスミッション・トンネル内とリアシートの下部に、T字型に搭載される。電圧800Vのシステムで、急速充電能力は最大270kWに対応するという。航続距離は最長450kmが想定されている。

駆動用モーターの最高出力は1基あたり407psがうたわれ、単純計算ではシステム総合で1221psになる。だが駆動用バッテリーの給電能力が追いついておらず、761psに制限される。といっても、まったく小さな数字ではない。

駆動用モーターを個別に制御することで、リアの2基で761psを発揮させることも可能。フロントの駆動用モーターは、50%まで受け持つことができるそうだ。最大トルクは137.4kg-mに達する。

今回AUTOCARが試乗したのは、グラントゥーリズモ・フォルゴーレのプロトタイプ。試作段階ということで、イタリアンなインテリアをお見せすることは許されていない。

お伝えできる範囲では、ソフトなレザーが丁寧に縫い合わされており、ドライビングポジションは良好。2面のタッチモニターに多くの機能が集約されており、グラフィック自体は美しい。期待通り、高級感には事欠かない。

息を呑むほどの鋭いで旋回していく

ステアリングホイールのスポーク部分には小さなダイヤルが付いており、ドライブモードを切り替えられる。航続距離を最長にするマックスレンジのほか、GT、スポーツ、コルサ(レース)から選べる。

シリアスなモードを選ぶほどサスペンションが引き締まり、ステアリングホイールの重みが増す。スタビリティ・コントロールの出番が控えめになり、高音の響きも多くなる。

量産版では、ドリフト・モードも追加される予定だという。だが今回は、ノートパソコンを介して呼び出す必要があった。

マセラティの技術者によれば、駆動用バッテリーがフロア下に敷き詰められていないため、現在の量産BEVとしては最も着座位置が低いという。また、主にトランスミッション・トンネル部分に集中しているため、慣性モーメントも小さくなると主張する。

回頭性を高めるため、コーナー内側のタイヤの回転速度を抑え、外側を強める、トルクベクタリング機能も働いているような印象だった。息を呑むほどの鋭いで、グラントゥーリズモ・フォルゴーレは旋回していく。

動力性能にも目をみはる。0-100km/h加速を2.7秒でこなし、最高速度は320km/hに達するとのこと。気張りすぎると、みるみる駆動用バッテリーの残量が減るとは思うが。

少なくともテールスライドは容易。穏やかに転じ、制御も難しくなかった。ステアリングホイールの操舵感も滑らかだ。

洗練された上質なグランドツアラーになるか

プロトタイプへの試乗はサーキットへ限定されていたから、乗り心地は確かめられていない。コーナーの縁石へ乗り上げた限りでは、軽くない車重のおかげで、落ち着きを失いにくい様子ではある。

穏やかな気持ちで運転すれば、車内は静か。驚くほどの動力性能を備えた、極めて洗練された上質なグランドツアラーといえそうだ。BEVだから、惚れ惚れするようなエグゾーストノートは、もちろん存在しない。

完成版のマセラティ・グラントゥーリズモ・フォルゴーレへ試乗できる日が待ち遠しい。その時に、改めて詳しくお伝えしよう。

マセラティ・グラントゥーリズモ・フォルゴーレ・プロトタイプのスペック

英国価格:19万ポンド(約3040万円/予想)
全長:4959mm
全幅:1957mm
全高:1353mm
最高速度:320km/h
0-100km/h加速:2.7秒
航続距離:450km
電費:5.4km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2260kg
パワートレイン:トリプル永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:83kWh(実容量)
最高出力:761ps(システム総合)
最大トルク:137.4kg-m(システム総合)
ギアボックス:−
急速充電能力:270kW

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みんなのコメント

1件
  • パソコンで操作するのならアクセルもハンドルもブレーキもいらんのちゃうの?
    今後市販されるモデルもパソコン内蔵でモニターにタッチするだけでしょ。
    想像していた未来のおもろない車に近づいていく。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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