Audi S8
アウディ S8
最新の超高速ショーファーカー
アウディのフラッグシップサルーンA8をベースに高出力エンジンを搭載し、走りの性能を高めたのがS8だ。昨年欧州でデビューした最新型がついに本邦にも上陸したので、その驚愕の性能を高速、市街地、ワインディングで確かめた。
「レベル3自動運転さえ視野に入れた最新鋭の安全装備が備わっている」
ドアを開けると、その瞬間、スイッとボディが持ち上がる。それがアウディの最新フラッグシップセダンの証である。この新型S8にはベース車たるA8にも設定されている「プレディクティブ・アクティブサスペンション」が標準装備されているのだ。レンジローバーなどには乗降性を高めるために車高を低める機能がついているが、S8は逆に車高を40mmほど持ち上げる。しかも瞬時にである(下がる時はスーッとゆっくり)。
公用車の車種選択に悩んでいるVIPの皆さん、特に身をかがめることに問題を抱えている県知事さんなどにはうってつけの装備ではないだろうか。トヨタ センチュリーやアルファードだけでなく、是非ともこのアウディS8をご検討いただきたいと思う。もちろん、急峻な山間部など歯牙にもかけない高性能と、レベル3自動運転さえ視野に入れた最新鋭の安全装備が備わっていることは言うまでもない。
「アウディの真髄はひたむきな技術信仰にある」
アウディの有名なブランド・スローガン「Vorsprung durch Technik」(技術による先進)は、初代アウディ 80が発売される前の1971年から半世紀近く使われているが、それを象徴するのがフラッグシップセダンのS8である。4世代目となる新型S8はA8をベースにした真の旗艦と言うべき高性能ラグジュアリーサルーンである。そのスーパーエリートな雰囲気は、きわめて高度で精密なエンジニアリングに裏付けされている。それはスポーツクワトロS1ラリーカーの轟音を初めて聞いた時代からずっと変わらぬ私の意見だが、どうしても日本では見た目だけが話題になりがちのような気がする。
審美的と言えるほど美しく、精度の高い出来ばえに文句がある人はいないはずだが、あまりにカッコ良さを強調する宣伝広告を見ると、身体にピタリとフィットしたメイド・トゥ・オーダーのスーツを着こなす映画『トランスポーター』のフランクのような人間にしか似合わない、と引いてしまう人が多いのではないかと考えるのである。だがどこかの県知事さんを含めて、そんなオヤジ世代にこそ、アウディの真髄はひたむきな技術信仰にあると伝えたい。
「プレディクティブサスペンションこそ搭載する最新技術の真打ち」
プレディクティブ・アクティブサスペンションの「プレディクティブ」とは予測できるという意味だが、実はこのシステムこそ新型S8が満載する最新技術の真打ちとも言えるものである。もともとベースモデルのA8にも電子制御可変ダンパーに加えてマルチチャンバー式のアダプティブ・エアサスペンションが標準装備されるが、さらにプレディクティブサスペンションになると、4輪のスタビライザーリンクに装備された電動モーターがホイールストロークを個別にコントロールする。
最大1100Nmという強力なモーターはマイルドハイブリッド用の48V電源で駆動される。アクティブサスペンションという名前自体は以前から使われているし、たとえばメルセデス・ベンツ Sクラスの一部車種にもMBC(マジックボディコントロール)と称するシステムが採用されている。ただしSクラスのものはステレオカメラで前方の路面状態を検知するタイプで、サスペンションも油圧作動なので作動条件や反応速度に限界がある。一方S8のシステムは、カメラやミリ波レーダーに加えてフロントグリル下に備わるレーザースキャナーのデータも活用するのが最大の特徴(市販車へのレーザースキャナー装備はアウディが世界初)。電動駆動ゆえの素早く緻密な制御も大きなメリットだ。
「ショーファーモードは低速でも滑らかに路面の不整をやり過ごす」
さらにS8にはこのアクティブサスペンションを利用した安全装備も加えられている。車両全周を監視する各種センサーが側面衝突の可能性を検知した場合には、衝突される恐れのあるボディ側の車高が80mm上昇、サイドシル部分で衝撃を受け止めダメージを軽減するという。
実際の乗り心地は、従来の“アクティブサスペンション”とは次元が違ってまさに魔法のじゅうたんのようだ。普通のA8は、スピードが増せば増すほどしなやかさとフラット感が強調されるタイプでもちろん快適だが、低速では路面の凸凹をコツコツと伝えることもあった。だがこのクルマは特にドライブセレクトに加わった乗り心地最優先の「ショーファーモード」を選ぶと、低速でもこれまでに経験したことがないほど滑らかに路面の不整を、遠くでストトンとかすかに聞こえるぐらいにやり過ごす。
一方ダイナミックモードではコーナリング時にはまるで逆ロールしているかのように(実際に一定条件下では“カーブチルティング”が作動するという)、フラットな姿勢を維持し、ただただ横Gが高まって行く。何しろ、このクルマはトルセンデフの進化型のセルフロッキングセンターデフを使う正統派のクワトロであり(通常時は前後40対60、状況に応じて最大70対30~15対85まで可変制御)、後輪操舵システムもリヤスポーツデフも備わっている。人によってはロールしないことに最初は違和感を覚えるかもしれないが、フラットさのレベルは予め設定することができる。
「S8こそ真の旗艦と言うべき高性能ラグジュアリーサルーンである」
ツインスクロールターボを2基Vバンクの内側に収めた4.0リッター直噴V8ツインターボエンジンは、VWアウディグループ内で広く利用されているものだが、スーパーSUVたるランボルギーニ ウルスには一歩譲るものの、ポルシェ カイエンターボ用ユニットよりもさらに強力な571psと800Nmを発生、これはA8の最強力版60TFSIクワトロ用ユニットよりも111psと140Nm上回る。しかも48V駆動のBAS(ベルト駆動オルタネータスターター)を備え、クルージング時には頻繫にコースティングするし、V8の半分を休止するシリンダーオンデマンドもついている。
もちろんボディはアルミニウムやCFRPなどエキゾチックな素材を多用する最新のASF(アウディスペースフレーム)構造とはいえ、全長ほぼ5.2m、ホイールベース3mという巨大な4WDサルーンだけに車重はおよそ2.3トンにも及ぶが、フルスロットルを与えると野太く迫力満点の音とともにはじかれたように加速する。0-100km/h加速は3.8秒という。だが、本当にすごいのはその高性能と、歩むようなスピードでも徹頭徹尾滑らかに走る上品なマナーを両立させていることだ。それでこそフラッグシップサルーンである。
REPORT/高平高輝(Koki TAKAHIRA)
PHOTO/平野 陽(Akio HIRANO)
【SPECIFICATIONS】
アウディ S8
ボディサイズ:全長5185 全幅1945 全高1475mm
ホイールベース:3000mm
車両重量:2290kg
エンジン:V型8気筒DOHCツインターボ
総排気量:3996cc
圧縮比:10.1
最高出力:420kW(571ps)/6000rpm
最大トルク:800Nm(81.6kgm)/2000-4500rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:AWD
サスペンション形式:前後ダブルウイッシュボーン
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
装着タイヤサイズ:前後265/35R21
環境性能(WLTC)
燃料消費率:7.8km/L
車両本体価格:2010万円
【問い合わせ】
アウディ コミュニケーションセンター
TEL0120-598-106
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ついでに税金泥棒したクソ知事とディーラー共は車裂きの刑にしろ