■人気コンパクトハイブリッドカーの違いはどこにある?
2019年3月における日本の登録車販売台数上位は、そのほとんどをコンパクトカーが占めています。コンパクトカーが人気な理由としては、狭い道でも小回りが効くために運転がし易いこと。そして、比較的エンジンの排気量が少なく税金が安く済むこと。そして、燃費が良いことなどが挙げられます。
日本のコンパクトは「ノート」「アクア」の2強時代? なぜ「フィット」は加われないのか
そんなコンパクトカーのカテゴリにおいて、ランキング2位にトヨタの「アクア」、ランキング7位にホンダの「フィット」が位置しています。アクアはハイブリッド専用車ですが、フィットはガソリン車とハイブリッド車がラインナップに設定されているクルマです。今回はアクアと比較するために、フィットはハイブリッドモデルに焦点を当てて比べていきます。
トヨタのアクア、そしてホンダのフィットハイブリッドは、日本の道路環境にマッチする人気HVコンパクトカーです。現行型のアクアが登場したのは2011年の12月、対する現行型のフィットハイブリッドは2013年にフルモデルチェンジした3代目フィットがベースとなっており、アクアよりも設計が新しくなっています。
まずはアクアのボディサイズを見ていきましょう。全長4050mm×全幅1695mm×全高1455mm(L、S、G)のボディサイズは現在少なくなった5ナンバーサイズとなっており、都心の駐車場等でも扱いやすいサイズです。そしてフィットハイブリッドのボディサイズは全高4005mm×全幅1695mm×全高1525mm(FF車)となっており、比較してみるとアクアより全長が45ミリ短く、全高が70mm高くなっています。
また、アクアのルーフは後方に向かっていくにつれて低くなるデザインのため、水平に近いルーフのフィットハイブリッドに比べて背が低い印象をうけます。アクアはフィットに比べて燃費やデザイン性を重視しているといって良いでしょう。
次はエンジンの比較です。アクアに搭載されているエンジンは、74馬力を発生する1496ccの直列4気筒DOHCに61馬力のモーターを組み合わせたハイブリッドシステムとなっており、システム出力は100馬力、JC08モード燃費は38.0km/Lです(Lグレード)。
フィットハイブリッドに搭載されるエンジンは、110馬力を発生する1496ccの直列4気筒DOHCエンジンに29.5馬力のモーターが組み合わせられており、システム出力は130馬力です。フィットハイブリッドはアクアよりもモーターの出力が低く、モーターだけで力強く走ることはできませんが、JC08モード燃費は37.2km/Lと肉薄しています(HYBRIDグレード)。
そして、トランスミッションは両車で全く違う機構が採用されているのがユニークなポイントです。アクアには電気式無段変速機(CVT)が採用されており、エンジンのダイレクト感は薄いものの、加速のスムーズさはピカイチです。
フィットハイブリッドには7速のデュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)が搭載されているので、回転上昇が鋭くダイレクト感のある走りが楽しめます。その反面、停止と低速走行を繰り返すようなシチュエーションではギクシャクした車の動きを印象を感じるでしょう。
同じコンパクトHVの両車ですが、搭載されているエンジンやミッションにはメーカー独自の思想がそれぞれ盛り込まれていることが分かります。スムーズさと燃費を極限まで突き詰めたアクアに対して、フィットハイブリッドはあくまでもエンジンを主体としたシステムとなっており、走る楽しさと燃費を両立させているハイブリットシステムなのです。
■コンパクトカーでも快適性、使い勝手は大切!優れているのはどっちのクルマ?
インテリアやユーティリティの違いはどうでしょうか。アクアのインパネは水平基調のデザインのもとセンターメーターが採用されており、針が一切ないフルデジタル方式で先進的な印象です。対するフィットハイブリッドはステアリングの奥にアナログメーターとディスプレイが配置されていて、スピードの感覚が掴みやすくなっています。
アクアのシフトゲートはオーソドックスなスタッガード式となっており、初めての人でも扱いやすい作りです。フィットハイブリッドのシフトゲートは小さなノブとボタンで操作する電子式となっているので、慣れるまで少々時間がかかるかもしれません。
両車とも、シフトゲートの前と左右ドアにドリンクホルダーを2つずつ備えていますが、フィットハイブリッドには運転席インパネにもドリンクホルダーが備わり、センターコンソールはアームレスト付きのボックスタイプがタイプ別に設定されています。このことから、ユーティリティはフィットハイブリッドの方が上だといえます。
次に前後のシートを見ていきましょう。アクアのフロントシートは今どきのコンパクトカーとしては低くなっており、降りる時は足に込める力を少々必要とします。リアシートは左右のホールド性を重視したタイプで、センターの部分が盛り上がっています。こちらもシート位置は低めですが、クッション性と身体の包まれ感が良く、短~中距離の移動では問題ないレベルに仕上がっています。
フィットハイブリッドのフロントシートはアクアに比べて着座位置が高く、アイポイントが高いため見晴らしが良いです。また、サイドのショルダーの張り出しがアクアより若干タイトなため、ホールド性が高くコーナリング時でも安心してドライブすることができます。
リアシートはアクアと同じくセンターが盛り上がっているタイプですが、膝前の空間がフィットの3倍近くあるため、ゆったりしたポジションでくつろぐことができます。また、センターにはアームレストを備えるため快適性も高いです。さらに、フィットハイブリッドのリアシートは座面が背もたれ側にチップアップする構造となっているため、リアの足元スペースに背の高い荷物を立てて積むことが可能です。アクアよりも設計が新しいフィットハイブリッドだけに、アクアにはない機能が多く盛り込まれています。
ラゲージスペースの違いはどうでしょうか。アクアのラゲージスペースは奥行き722mm、高さ820mm、開口幅946mmとなっており、容量は305リットルはコンパクトカーとしては一般的なサイズです。リアシートが6:4左右右分割式のため、片側づつ倒して荷室をさらに広くすることが可能ですが、ラゲッジスペースと倒したシートに10cmほどの段差ができてしまうのが少し惜しいポイントです。
フィットハイブリッドのラゲージスペースは、奥行き680mm、高さ890mm、開口幅1015mmとなっており、容量は314リットルです。開口部が広く、フロア高があるため大きな荷物も収納しやすいのがポイントです。また、リアシートを倒した時はラゲージスペースからリアシートまでフルフラットになるため、長い荷物でも平らに置くことができるようになっています。
これまで比較してきた結果を踏まえると、フィットハイブリッドの方が有利な印象をうけます。価格はアクアが178万5240円(L)フィットハイブリッドが169万9920円(HYBRID)となっており、フィットハイブリッドの方が10万円弱安く設定されています。
フィットは2019年4月の時点で登場から約8年が経過していますので、商品力も若干落ちてきていることは否めませんが、それでも2019年3月は1万5874台売れています。しかし、フルモデルチェンジもウワサされていますので、次期モデルが登場するのであればフィットハイブリットのことを研究したクルマになることでしょう。アクアの巻き返しに期待が高まります。 【了】
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