新車試乗レポート [2024.01.29 UP]
新型スペーシア公道試乗「NAも実力高し!」
注目のNEWスーパーハイトは走りの質感や静粛性も大きく進化!
11月にフルモデルチェンジを遂げた新型スペーシア。TVCMなどでも話題になっているが、今回はついにその注目モデルを公道で試乗することができた。後日行った、東京~栃木往復約300kmのロングドライブも含めたリアルなインプレッションをお届けしよう!
●文/川島茂夫 ●写真/奥隅圭之
SUZUKI 新型スペーシア
●登場年月(最新改良):'23年11月(―)
●価格帯:(スペーシア)153万100円~182万4900円、(スペーシア カスタム)180万1800円~219万3400円
●問い合わせ先:0120-402253(スズキお客様相談室)
SUZUKI 新型スペーシア公道試乗リポート
長距離ならターボ車だが
NAの実力も相当に高い
スーパーハイト系ならではの、圧倒的な室内高の広いキャビンや多様で優秀な積載性。気軽な運転感覚で出かけるのが楽しくなる。もっともこの辺りは完成型に近づいており、大きな変化はない。
新型スペーシアで言えば後席のマルチユースフラップが実用の主な上乗せ分だ。後席座面前部の角度を変えたり伸ばしたりできるアイデア機能なのだが、これが意外と使い勝手がいい。今回は3名乗車+取材機材を乗せて長距離移動も行ったが、座面に置いた荷物の転落防止に効果的で、空のリヤシートが荷物置き場として活躍。座面高やドア開口の位置も丁度よく、手荷物の出し入れやバッグの中身の確認もしやすかった。休憩時などにリラックスできるオットマン機能もなかなか効果的だった。
長距離試乗に用いたモデルは標準系ハイブリッドG。NA仕様のため高速長距離向きではない。平坦路100km/h巡航でエンジン回転数は4000回転を超える。ちょっとした登り勾配でもダウンシフトし5000回転前後となる。微妙な速度コントロールも少々手間。やはりターボが欲しくなる。
しかし、意外とストレスがない。120km/h制限区間ではACCを同速度にセット。巡航速度維持で5000回転を超えることもあるが、エンジン音の威圧感が少ないため車内会話もしやすい。
高速道路での車載燃費計における数値は22km/ℓを多少下回るくらい。巡航速が80km/hを超える辺りから加速度的に燃費が悪化するのだが、120km/h区間も含む高速走行でこの数値なら立派。少し前のコンパクトHEVくらいの実用燃費を期待できる。
高速走行のフットワークもまずまず。ランプウェイ等での安心感は良好。操舵精度は多少ルーズだが、ライントレースに苦労することもない。ただ、高速直進での据わりは今ひとつ。ロールで横Gを鈍す感覚だ。乗り心地は良いが、安定感に欠ける。もっとも、実際は操舵支援を備えたLKAが補助してくれるため、中立の据わりが気になって疲れることはない。
省燃費性能を高めたタイヤのせいか路面当たりは強め。大きな入力では弾むような感もあり、乗り心地にもっと洗練された味わいが欲しくなるが、高速区間が大半を占めた300km超の試乗でも予想外にストレスがなかった。
高速長距離用途にターボ車が適しているのは間違いないが、NA仕様でもセーフティプラスパッケージを装着すれば、先進の運転支援機能の恩恵を受けられ、長距離適性が向上。こういった選択肢の自由度の高さも新型の魅力である。
ターボならではの加速フィールの良さと余力感が魅力的だ!
スペーシア カスタム HYBRID XSターボ(FF)
●車両本体価格:207万3500円
●ボディカラー:クールカーキパールメタリック
●主要諸元スペーシア カスタム HYBRID XSターボ(FF) ●全長×全幅×全高(mm):3395×1475×1785 ●ホイールベース(mm):2460 ●車両重量(kg):960 ●パワートレーン:0.658ℓ直列3気筒DOHCターボ(最高出力:64PS/6000rpm、最大トルク:10.0kg・m/3000rpm)+モーター(最高出力:2.3kW/1000rpm、最大トルク:50Nm/100rpm) ●駆動用バッテリー:リチウムイオン電池 ●WLTCモード燃料消費率(km/ℓ):21.9【市街地モード:19.3、郊外モード:23.8、高速道路モード:22.0】 ●サスペンション前/後:マクファーソン式/トーションビーム式 ●ブレーキ前/後:ベンチレーテッドディスク/リーディングトレーリング ●最小回転半径(m):4.6 ●燃料タンク容量:27ℓ)(レギュラー) ●タイヤサイズ:165/55R15
NAの実力が予想以上。燃費にも優れた生活の相棒だ!
スペーシア HYBRID X(FF)
●車両本体価格:170万5000円
●ボディカラー:ミモザイエローパールメタリック×ソフトベージュ2トーンルーフ(有料色:6万500円高)
新型スペーシア《好みで選べる2つの個性!》
スペーシア
肩肘張らないナチュラルさが新型スペーシアの見どころ。外観はもちろん、モダンリビングのようなインテリアも見どころのひとつだ。
スペーシア カスタム
押し出し感の強いフロントフェイスとブラックを基調にした上級感のあるインテリアが特徴。ターボはカスタムにしか設定されていない。
激戦必至!《ライバル比較》
実力派ぞろいのスーパーハイト系を選ぶポイント!
エンジンタイプや装備を揃えると同等となる価格設定が示すようにコスパや基本的な実用性もほぼ同等。スーパーハイト系選びはキャラと小技の違いが主になる。フットワークの良さでN-BOXが長距離用途向け、センタピラーレスドアの採用で乗降性等を高めたタントがタウンユースで、タウンユースとツーリングなど全体をウェルバランスでまとめたルークス/デリカミニが汎用性で有利。この4モデルを相手にしたスペーシアの一番の武器は燃費。ライバルの長所同様に他を圧倒するほどではないが、エコ時代のクルマらしいアピールポイントだ。
HONDA N-BOX
●価格帯:164万8900~236万2800円
NISSAN ルークス
●価格帯:163万7900~239万9100円
MITSUBISHI デリカミニ
●価格帯:180万4000~223万8500円
DAIHATSU タント
●価格帯:138万6000~199万1000円(※標準機能のレス仕様は含まず)
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