F1オーストリアGP決勝は驚きの結末が待っていた。レッドブルのマックス・フェルスタッペンとマクラーレンのランド・ノリスが、10周にわたる激しい攻防の末に接触。2台とも優勝のチャンスを失ったのだ。
ただレッドブルでモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、チームのコミュニケーション次第ではこの接触を回避することができたと考えている。
■ランド・ノリス、フェルスタッペンとの接触に憤慨「今日の彼は”やりすぎな日”だった……必死になりすぎているように見えたよ」
というのも接触を前にノリスには、3度のトラックリミット違反によりペナルティ一歩手前のブラック&ホワイトフラッグが提示されていた。そして2台小競り合いの末にノリスはターン3でコースオフ。これで調査対象となり、タイム加算ペナルティが与えられる可能性が高まっていた。
ただレッドブル陣営はフェルスタッペンに対して、その情報を伝えていなかったのだ。接触後には実際、ノリスに5秒ペナルティが科されており、そうなるのであれば必要以上に激しいディフェンスもいらなかったのでは……マルコはそう示唆した。
「勝利はいくつかの要因によって失われた」
レース後、レッドブルの“Servus TV”に対してそう語った。
「(フェルスタッペンの2回目の)ピットストップが上手くいかず、その結果ランドがDRS圏内に入ってしまった。また暑い天候ではハードタイヤが有利だろうという我々の読みも外れてしまったことも関係している」
「路面温度が低く、ランドは最終スティントで新品(ミディアム)タイヤ、我々はユーズドタイヤを使った。それも要因のひとつだ」
「しかし、どちらも不必要にハードなドライビングをしたと言える。これに関しては我々にも落ち度があるかもしれない。トラックリミットに関する調査がランドに対して行なわれていることを、我々は知っていたからね」
「でも彼にペナルティが与えられるかどうか、どれくらいのペナルティになるのか我々も分からなかった。だから今になってみれば『OK、彼を前に行かせよう』と言えたはずだ」
「でもコンストラクターズチャンピオンシップでもドライバーズチャンピオンシップでも、リードを広げることができたという明るい面を見よう」
またマルコは、フェルスタッペンが2回目のピットストップ後にタイヤをロックアップし、アウトラップでコースアウトしかけたことも「全てを引き起こした」要因のひとつであり、レース序盤はないと思われた勝利のチャンスをノリスに与えたと説明した。
フェルスタッペンはミディアムタイヤでの第1スティントで、ノリスを上回るペースでレースをコントロールできていた。しかし第2スティントでハードタイヤを履くと、マクラーレンが次第に接近した。
そして迎えた最終スティントで、複合的な要因で最終的に接触となった。マルコは「フェアなフィニッシュに集中するのではなく、どちらかがよりプッシュして、誰がより多くのトラックリミット違反を犯すかに発展する」までは「本当に素晴らしいバトルだった」と振り返った。
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