現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 向かうところ敵なしのオフローダー ウニモグUHEへ試乗 理解すれば価格も納得 前編

ここから本文です

向かうところ敵なしのオフローダー ウニモグUHEへ試乗 理解すれば価格も納得 前編

掲載 8
向かうところ敵なしのオフローダー ウニモグUHEへ試乗 理解すれば価格も納得 前編

向かうところ敵なしのウニモグ

恐らく通常のオフローダーなら、今頃エンジンは水没している。シャシーの底面はガリガリに削られ、クラッチが焼け焦げていても不思議ではない。肩を落とし、ずぶ濡れになったズボンのまま、家路へついていただろう。

【画像】向かうところ敵なし ウニモグUHE Gクラスとグラディエーター、ラングラーも 全116枚

しかし今日は違う。向かうところ敵なしの、ウニモグを運転しているから。

AUTOCARの読者なら、一度は耳にしたことはおありだろう。ただ、余程のマニアでない限り、大型トラックの1つ程度だとお考えではないかとも思う。実際のところ、非常に奥が深い。限られた数の文字や写真で説明しきることも、本当は難しい。

2023年で創業75周年を迎えたウニモグは、メルセデス・ベンツのトラック部門などを傘下にする、ダイムラー・トラックが抱える1ブランド。現在は2車種を製造し、世界中へ届けている。

1つは、UGE インプレメント・キャリアと呼ばれる多目的トラック。もう一方は、UHEエクストリーム・オフロードと呼ばれる有能なオフローダーとなる。

今回ステアリングホイールを握らせていただいたのは、その後者。ただし、2車種のみの展開だとしても、ラインナップは少し複雑だ。

UGEの場合、ホイールベースは6種類から選べる。エンジンは4気筒と6気筒があり、最高出力は5段階に設定されている。これらを組み合わせると、特装業者が手を加える前のベース車両の状態で、17種類になるという。

それまでの不便を一変させた初代70200

試乗したUHEでは、ホイールベースとエンジンは1択のみ。キャビンの形状は2種類が用意されている。加えて、駆動系が強化されたヘビーデューティー仕様を選べる。シャシーが許容する重量は、10.3tから14.5tとなる。

今回のUHEは、ヘビーデューティー仕様のダブルキャブで、5023クルーキャブという。ボディサイズは全長約6m、全幅約2.5m、全高約2.9mあり、UHEの頂点に君臨する。

つまり、シリアスなオフローダーの頂点に位置するともいえ、最も過酷な状況へ対応できるクルマだと考えても間違いではない。最高速度は88km/hに制限されるが、公道を走れるクルマのなかで、辿り着けない場所が1番少ないともいえるだろう。

最近のウニモグの販売数は、年間2000台以上に登る。1948年に誕生した初代から、その有能ぶりは秀でていた。

戦後間もない頃から、トラクターは農家の必需品の1つといえた。むき出しの大きなリアタイヤの上に乗り心地の悪いシートが据えられ、後輪駆動で走りは遅かった。大きな荷物を運ぶ場合は、トレーラーを繋ぐ必要もあった。

そんな実情を見たドイツ人技術者のアルバート・フリードリッヒ氏は、オリジナルとなるウニモグ70200を発表。それまでの不便を一変させた。

エンジンの上に載せられた、2人が並んで座れるキャビンには、フロントガラスとカンバス製のルーフが付いていた。四輪駆動システムを備え、ギアを介してアクスルよりホイールの位置を下げる、ポータルアクスル構造も採用されていた。

480mmの最低地上高にしなやかなシャシー

左右のタイヤの間隔、トレッドは畑のウネの幅に合わせられ、耕作地への乗り入れも問題なし。キャビンの後方には荷台が備わり、沢山の作物を運べた。

エンジンの最高出力は25psあり、50km/hで走行可能。リアにはトレーラーを追加でき、農機具へ電気を送るソケットも備わった。

その70200が備えていた特徴は、現在へ受け継がれている。最新版でもフロント側へエンジンが載り、四輪駆動システムとポータルアクスルを装備。プロペラシャフトはトルクチューブ内に収まり、堅牢性を高めている。

時代の変化とともに洗練度は増し、サイズも必要に合わせて成長している。トランスミッションには、前後ともに8段のギアが備わる。フロントとセンター、リアの3か所にロックデフが組まれ、走破性も向上している。

ポータルアクスル内でギア比を落とせるため、デフを小さくでき、最低地上高は480mmもある。これは、ジープ・ラングラーの約2倍。油圧システムの配管や電気の配線は、アクスルチューブの上部を縫い、ダメージを受けにくい。

ウニモグの最大の特徴が、柔軟性。トルクチューブを中心にしなやかなシャシーレールが縦方向へ2本並び、ホイールの可動域を大きくしつつ、安定性を高めている。

キャビンや荷台などは、シャシーレールの中央付近で支えられている。そのためタイヤや荷台へ強い負荷が掛かっても、お互いに影響を受けにくい。

ウニモグは、山岳部の消防車として活躍することもある。4000Lの消火用水を運ぶ場面でも、この構造は役に立つそうだ。

この続きは後編にて。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
レスポンス
グリーンがアクセントの爽やかコスが素敵! SUPER GTのGreen Braveは2人の「埼玉GreenBraveサポーターズ」が応援します
グリーンがアクセントの爽やかコスが素敵! SUPER GTのGreen Braveは2人の「埼玉GreenBraveサポーターズ」が応援します
Auto Messe Web
【試乗】新型CR-Vの日本導入は水素燃料電池車のみ! 特殊なクルマかと思ったら実用性十分の「買いやすい」モデルだった
【試乗】新型CR-Vの日本導入は水素燃料電池車のみ! 特殊なクルマかと思ったら実用性十分の「買いやすい」モデルだった
WEB CARTOP
角田裕毅、F1ラスベガスGP初日は10番手「FP1は苦労したけど、改善できました。ポジティブな兆候です!」
角田裕毅、F1ラスベガスGP初日は10番手「FP1は苦労したけど、改善できました。ポジティブな兆候です!」
motorsport.com 日本版
クルマに付けてる「青地に車いす」マークに“法的効力”一切無し!? 「黄色いちょうちょ」と役割違う? 意外と知らない実態とは
クルマに付けてる「青地に車いす」マークに“法的効力”一切無し!? 「黄色いちょうちょ」と役割違う? 意外と知らない実態とは
くるまのニュース
日高前副会長の後任に、ヤマハ渡部克明会長兼社長が就任【日本自動車工業会】
日高前副会長の後任に、ヤマハ渡部克明会長兼社長が就任【日本自動車工業会】
バイクのニュース
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
レスポンス
ヒョンデに続いて韓国のKIAも日本に上陸! どんなクルマが揃っているのかチェックしたらデザインも中身も結構ヤバい!!
ヒョンデに続いて韓国のKIAも日本に上陸! どんなクルマが揃っているのかチェックしたらデザインも中身も結構ヤバい!!
WEB CARTOP
なぜ12気筒エンジンは魂を揺さぶるのか? アストンマーティン新型「ヴァンキッシュ」は快感以外のなにものでもない。【試乗レビュー】
なぜ12気筒エンジンは魂を揺さぶるのか? アストンマーティン新型「ヴァンキッシュ」は快感以外のなにものでもない。【試乗レビュー】
くるくら
ミツオカ、創業55周年記念車『M55』の市販モデルを正式発表。ローンチ仕様を100台限定で発売へ
ミツオカ、創業55周年記念車『M55』の市販モデルを正式発表。ローンチ仕様を100台限定で発売へ
AUTOSPORT web
初代NSXに存在した「やりすぎ」モデル! たった14台しか売れなかった「タイプS Zero」のストイックさに脱帽
初代NSXに存在した「やりすぎ」モデル! たった14台しか売れなかった「タイプS Zero」のストイックさに脱帽
WEB CARTOP
一体何が!? シーズン終盤のF1レースディレクター交代劇にドライバーたちも驚き「ちょっと奇妙だよね……」
一体何が!? シーズン終盤のF1レースディレクター交代劇にドライバーたちも驚き「ちょっと奇妙だよね……」
motorsport.com 日本版
VW、新型SUV「ティグアン」を発売 価格は487万1000~653万2000円
VW、新型SUV「ティグアン」を発売 価格は487万1000~653万2000円
日刊自動車新聞
“300馬力”V6搭載! ニッサン爆速「最上級ミニバン」とは? 超豪華内装×専用装備マシマシな“走り屋仕様”の「エルグランド」に熱視線!
“300馬力”V6搭載! ニッサン爆速「最上級ミニバン」とは? 超豪華内装×専用装備マシマシな“走り屋仕様”の「エルグランド」に熱視線!
くるまのニュース
家族のおでかけマンネリ解消へ、日産が新プロジェクト 全国の「奥名所」を発掘
家族のおでかけマンネリ解消へ、日産が新プロジェクト 全国の「奥名所」を発掘
レスポンス
メルセデスAMGから「CLE53カブリオレ」発売!専用のパワフルなルックスと先進・洗練のインテリア
メルセデスAMGから「CLE53カブリオレ」発売!専用のパワフルなルックスと先進・洗練のインテリア
LE VOLANT CARSMEET WEB
平凡な男が突如、何百万人もの夢の中に現れる!?『ドリーム・シナリオ』
平凡な男が突如、何百万人もの夢の中に現れる!?『ドリーム・シナリオ』
バイクのニュース
「悪くはないが、良くもない」勝田貴元、シェイクダウンは入念に走行。改善のカギと戦略は/ラリージャパン
「悪くはないが、良くもない」勝田貴元、シェイクダウンは入念に走行。改善のカギと戦略は/ラリージャパン
AUTOSPORT web

みんなのコメント

8件
  • 一般人向けは舗装道路向けにハイギヤード化された
    アーバンウニモグ
    な…

    説明のウニモグだと多目的動力装置
    「Universal Motor Gerät」
    の方だ
    こっちは本当の動力装置で何か架装しないと絵に描いた餅になる
  • 排出ガス適合かな?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村