世界の名所を、クルマ好き男子がひとりで訪ね歩く旅。ちょっとマニアな視点で名所を切り取り、いつもの旅にクルマのエッセンスを加えたい人へ向けてレポート。今回は、ロックダウンが解除されたイタリアから、クルマ好きならぜったい参加したい魅力的なツアーの情報が入ってきたので紹介します。
イタリアのモーターバレーとは
イタリアのスーパーカーやスーパースポーツブランドの本社は、不思議とエミリア・ロマーニャ州に集まっている。マラネッロにあるフェラーリ、サンタアガタ・ボロネーゼのランボルギーニ、モデナのマセラティ……。最近ではこれにパガーニというハイパーカーブランドに、スーパースポーツのダラーラも加わった。2輪だとドゥカティもボローニャだ。
かつては、デ・トマソやEB110で復活したブガッティなども存在していた地域であり、現在でも多くのカロッツェリアが点在していて、フェラーリやランボルギーニなどのヒストリックモデルのレストアを行っている。自動車産業が盛んな土地なのである。
こうしたことから、近年エミリア・ロマーニャ州は「モーターバレー」と銘打って、観光客の誘致に力を入れている。モデナを中心として栄えた自動車文化は、芸術や食などと同じく、いまやれっきとした観光資源であるのだ。
ただしこれまでは、一部のクルマ好きがマラネッロにあるムゼオ・フェラーリやサンタアガタ・ボロネーゼのランボルギーニ本社、そしてやはり点在している私設ミュージアムなどを訪れるのみであった。
そこで「Canossa Events」が、モーターバレーの見どころスポットを自ら運転するクルマで巡り、地元の食と文化を堪能する2泊3日のツアー「モーターバレー・ツアー」をプロデュースしたのである。
595アバルトを自ら運転して巡る旅
モーターバレー・ツアーの最大のトピックは、自分でクルマを運転して、スーパーカーの聖地を巡る点にある。団体ツアーとなると、バスなどに揺られて移動するため、聖地を「点」として訪れるに過ぎない。
しかし自分で運転することで、聖地の「点」と「点」を結ぶ道程も旅として楽しめるのである。サンタアガタ・ボロネーゼのランボルギーニ本社周辺の一般道は、むかしから試作車両がテストドライブしていた道であった。そうした道を自分で運転すると、よりいっそうランボルギーニというブランドを身近に感じることが出来るようになるだろう。それは、フェラーリやマセラティなどでも同じ。ひょっとすると、偽装したテスト車両とすれ違う機会にも恵まれるかもしれない。
もちろん、運転するクルマも重要だ。Canossa Eventsが用意するレンタカーは、アバルト595カブリオレである。
アバルトといえば、かつてフェラーリ/マセラティとコラボレーションして、695トリブート・フェラーリや695エディツィオーネ・マセラティを限定販売したこともある。両車とも最高出力180psを誇り、コンパクトなボディながらサウンドは勇ましく、運転していてフェラーリやマセラティの雰囲気を感じさせてくれたものだ。
モーターバレー・ツアーでドライブするアバルト595カブリオレは、最高出力こそ145psではあるが、その気にさせてくれる乾いたエキゾーストサウンドが魅力だ。アバルトのサウンドを楽しみながらスーパーカーの聖地を巡るとは、なんとも粋ではないか。そのためにCanossa Eventsは、10台用意しているアバルト595すべてをカブリオレ仕様としているのだろう。
しかも、これらのアバルト595カブリオレは、ラボ・エルカン率いるガレージ・イタリアがカスタムしたスペシャルなモデルたちばかりだ。10台それぞれ特別にお洒落なボディカラーが採用され、往年のフェラーリのレーシングカーのようなカラーラインが、フロントフェンダーとボンネットフードに真横に1本入れられている。
また、Aピラーの付け根からCピラーまで、サイドウインドウの真下にイタリアのトリコロールラインが入っており、特別仕様のアバルトであることは一目瞭然だ。
インテリアではダッシュボードのパネルなどが外板色と同色にされ、「CANOSSA GRAND TOUR EDITION」と銘打たれたガレージイタリアのコーションプレートが装着されている。さらにヘッドレストにはCanossa Eventsのロゴの刺繍が施されるというこだわりようだ。
モーターバレーを訪れてみようと思う人は、相当のクルマ好きに違いない。そうした人たちは、誰かが運転するクルマで送迎されるのではなく、100%自分で運転したい人たちだ。特別に用意されたアバルト595カブリオレは、そうした人たちに満足な旅を約束してくれるだろう。
しかし、アバルトの現行モデルではなく、もっとクラシカルなイタリアンカーでモーターバレーを旅してみたいと思う人もいるだろう。そうした人には、アルファ ロメオ・デュエットやフィアット124スパイダー、その他それに類似したクラシックなクルマも用意されているようだ。
クルマと芸術と食を堪能する2泊3日
まず最初に「モーターバレー・ツアー」の「個人ツアー」と「ガイド付きツアー」のふたつのプランから説明しよう。
「個人ツアー」は、予約をすればいつでも利用できるプラン。宿泊と食事はパッケージに含まれていない。一方の「ガイド付きツアー」は、予め決められた特定のウィークエンドのみに催行されており、金曜と土曜日のディナー(ワインのセレクション付き)と土曜日のランチ、モデナの4つ星ホテルでの2泊(ダブルルーム、朝食付き)がパッケージされている。また文字通りガイドが案内してくれる。
両ツアーともにレンタカー(アバルト595カブリオレ)とその燃料・保険料が含まれ、訪れる場所は同じだ。
それではスケジュールを「ガイド付きツアー」でたどってみることにしよう。まず、初日の金曜日にガイドがクルマをモデナのホテルまで届けてくれ、ここですべての資料を受け取ることになる。ホテルのチェックインは午後3時から。午後7時にガイドによるドライバーブリーフィングが行われ、クルマのキーが手渡される。そのあと、モデナの伝統料理による最初のディナーだ。
2日目の土曜日から、ツアーは本格的にスタートする。最初の目的地はサンタアガタ・ボロネーゼのランボルギーニ本社だ。ここでムゼオ・ランボルギーニを見学。モデナからは直線距離で16kmほど。クルマでの移動の際は、ガイドを先頭に隊列を組んでのコンボイ走行となる。
そのあと、サン・チェザーリオ・スル・パーナロにあるパガーニ本社へ向かう。サンタアガタ・ボロネーゼからは直線距離で14kmほどの場所にある。パガーニ・ミュージアムではガイド付きツアーとなるので、詳しくパガーニの歴史や展示されている歴代モデルを知ることができるだろう。また、ここではオラチオ・パガーニ氏の美意識が詰まったガラス張りの本社建物も必見だ。
次に向かうのが、パガーニ本社から直線距離で15km弱のマラネッロだ。フェラーリのF1パイロットも訪れることで有名なリストランテ「モンタナ」でランチ。数多くのF1パイロットの写真と記念品に囲まれながらのひとときとなる。
ランチを堪能してから向かうのは、すぐ近くにあるフェラーリ・ミュージアムだ。ここでは「VIP」専用の入館口から館内へ案内されるという特別待遇。ランボルギーニ、パガーニと2つのミュージアムを見学しているので、少し疲れているかもしれないが、もっとも見ごたえのある場所なので、時が経つのも忘れてしまうだろう。
このあと、直線距離で14km弱のモデナへと戻り、ユネスコ世界遺産のグランデ広場を見学。クルマ以外のイタリアの文化に触れる時間だ。ロマネスク様式の大聖堂、そしてピサの斜塔に近い斜度で傾いているギルランディーナ塔などを見学し、ここで2日目のツアーは終了。地元で有名なバーで食前酒を楽しみながら1日の余韻に浸った後は、「Trattoria la Pomposa al Re Gras」にて最高のトルテッリーニをはじめとするモデナ料理でのディナーとなる。
いよいよ最終日となる3日目の日曜日。この日はモデナ市内だけの移動となる。最初に訪れるのは、ムゼオ・エンツォ・フェラーリだ。ここはエンツォの生家を改装した展示スペースと、建築家ヤン・カプリッキーが設計したカナリア・イエローの屋根とガラスの壁面が特徴的な2つの建築から構成されている。およそ1時間おきに上映されるフェラーリの映像は必見だ。なにしろ19台のプロジェクターを使って、ミュージアムの空間全体に映し出される映像は迫力が違う。
そしてモデナの特産品といえば、バルサミコ酢。伝統的な製法で作られる、アチェート・バルサミコ・ディ・モデナのセラー見学が最後のプログラムとなる。ホテルに午後4時までにクルマで戻ってきて、全スケジュールの終了となる。
参加費は、「個人ツアー」が330ユーロ(1名)、「ガイド付きツアー」が550ユーロ(1名)だ。
コロナ禍でイタリアへ観光に出かけることもままならないが、参考までに「ガイド付きツアー」の今後の日程は、9月/10月の週末の2泊3日を予定しているそうだ(事前に日程などは要問い合わせ)。気兼ねなくイタリアへ渡航出来る日が訪れたなら、ぜひとも参加してみたいツアーだ。
【問い合わせ先】
https://www.canossa.com/motorvalley
文・尾崎春雪 編集・iconic
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