現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > いまの自動運転のイメージを覆す「人型ロボット」による運転! 既存のクルマが使えてメリットだらけだった

ここから本文です

いまの自動運転のイメージを覆す「人型ロボット」による運転! 既存のクルマが使えてメリットだらけだった

掲載 19
いまの自動運転のイメージを覆す「人型ロボット」による運転! 既存のクルマが使えてメリットだらけだった

 この記事をまとめると

■人手不足が深刻な旅客・運輸業界では「ヒト型ロボット」の導入の議論が本格化している

トラックの自動運転化よりも早く超先進化! いま物流倉庫内がまるで映画のごとくロボットの天下になっていた

■ロボットのみのアップデートで済むので車両を新たに導入するよりもコストが抑えられる

■会話のできるロボット運転士が運転するタクシーが運用されるのも夢ではない

 ヒト型ロボットが運転する自動運転社会が到来する

 ポール・バーホーベン氏が監督し、1987年(日本は1988年)に公開されたのが、映画「ロボコップ」。犯罪者との銃撃戦で瀕死の重傷を負った警察官アレックス・マーフィー巡査が「ロボコップ(ロボット警察官)」として復活し活躍するという映画である。

 大ヒットしたロボコップは「ハリウッドあるある」といっていい形で、その後監督を代え、「ロボコップ2」、「ロボコップ3」が製作され、いずれもヒットしている。

 筆者は初代シリーズのヒットを受けての続編については、ハリウッド的なエンターテインメント色が強くなる一方、初代作品はストーリーに彩りを添えるような、ポール・バーホーベン監督が混とんとした近未来の社会というものを見事に描いているところでより傑作だと思っている。

 1980年代後半、日本はまさにバブル経済に浮かれていた時代。世界的にもいまのような気候変動といった問題もなく、まさに大量消費社会を謳歌しており、そんななかながら未来といえばゼロエミッション車が空を舞うといった明るいものが描かれていた。

 ロボコップはアメリカのミシガン州・デトロイトが舞台となっているのだが、劇中では巨大企業グループが経営する民営警察が組織されていたりして、市より民間企業の影響力の大きさが描かれていたが、そのデトロイト市が2013年に財政破綻したときには、なんとなくロボコップが描いていた近未来がトレースされてきているような思いをもった。

 そのロボコップで印象的なシーンとしては、初代フォード・トーラスをベースとしたパトカーをロボコップが颯爽と運転するシーンであった。

 そしていま、まさにロボコップのような「ヒト型ロボット」が運転する、ある意味自動運転社会の到来が真実味を帯びてきているとは事情通。「もともとシステムとしての自動運転(完全無人運転)というもののほか、ヒト型ロボットが従来車両を運転する『自動運転』というものの研究開発も進んでいましたが、ここのところその動きが活発になってきているようなのです」とのこと。

 ヒト型ロボットによる自動運転のメリット

 個人が所有する「マイカー」での自動運転は一般的に広く認知されている、いまのところはあくまでイメージとなるが、自動運転可能なシステムを搭載した新車の普及がメインとなるだろう。しかもマイカーであるので、「自分で運転を楽しみたい」とのニーズもあるから、自動運転自体がマストということもないだろう(市街地はマストなど規制が入る可能性はあるが……)。

 ヒト型ロボットによる自動運転普及は、バスやタクシー、トラックなどの「働くクルマ」の話と捉えてもらいたい。現状でも働き手不足に悩むのがタクシーやバス、トラック業界。その解決策として自動運転が提唱されているが、それは有人か無人かは別として、自動車がシステムによって自動運転されるものと考えるのが一般的。しかし、これにはシステム搭載車(システムの性格上後付けでの完全対応は難しいのでは?)、それを管理するシステム一式が必要となり、相当な初期投資が必要となる。

 また、導入後はシステムメンテナンスやバージョンアップなど「ランニングコスト」もそれなりの覚悟が必要となる。そこで注目されているのが、既存車をそのまま使った自動運転、つまりヒト型ロボットによる運転である。

「ヒト型ロボット導入最大のメリットはシステムのバージョンアップにあります。個々にエンジニアが行うことなく、生身の運転士の点呼のように一カ所にロボットに集まってもらうことで、QRコードスキャンなどその手法は別として一斉に手間なくバージョンアップ作業を完結することも可能とされています」(事情通)。

 つまり、エンジニアがわざわざシステムアップやメンテナンスをする必要はなく、ヒト型ロボット自らはバージョンアップやメンテナンスを行うことで、ランニングコストでシステムとしての自動運転よりコストを抑えられるのではないかというのである。

 運転士のいない無人での自動運転タクシーが実際に営業運行している国もあるが、誰もいないよりはロボットでもいたほうが、当面は利用者の安心感も高いだろう(世代交代が進めば違和感はなくなるかもしれない)。技術が進歩しているので会話させることも可能だから、乗車するときに「会話可能モード」なども選ぶことができるようになるかもしれない。もちろんロボコップのような見た目ではなく、見た目は人間とほとんど変わらないタイプが好ましいといえるだろう。

 気になるのはその導入コスト。ヒト型ロボットだから圧倒的に安いということはないだろう。ただ、自動運転システムはまだ発展途上にあり、すでにタクシーに導入している地域でも新たなトラブルを生んでいるといった報道が相次いでいる。それなら既存車を利用し、生身の運転士と同じようなオペレーションで稼働することができるヒト型ロボットの可能性に、旅客や貨物輸送業界が注目してもおかしくないものと考える。

 とくに旅客輸送では、導入コストにそれほど差がなければ、演出上でもヒト型ロボットが運転席に座って運転するだけではなく、利用者と会話ができたりしたほうがいいのかもしれない。

 昭和生まれの筆者にしてみれば、現代社会は子どものころ夢みた未来社会をある程度具現化しているように見える。この流れを見れば、そう遠くない先に、おしゃべりなロボット運転士の操るタクシーを利用するといったこともまったく夢物語ではないと考えている。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

「オーナーは運転するべからず」のセンチュリーに大改革! 世の固定観念を覆したSUVタイプとGRMNの存在
「オーナーは運転するべからず」のセンチュリーに大改革! 世の固定観念を覆したSUVタイプとGRMNの存在
WEB CARTOP
全部知ってたら「車神」レベル!? 日本人のとっての「どマイナー」自動車メーカー8選
全部知ってたら「車神」レベル!? 日本人のとっての「どマイナー」自動車メーカー8選
WEB CARTOP
香港のタクシーが「サービス違反点数制度」導入で顧客満足度向上! 日本のタクシー業界も外国人運転士の採用などを考えれば検討の余地あり
香港のタクシーが「サービス違反点数制度」導入で顧客満足度向上! 日本のタクシー業界も外国人運転士の採用などを考えれば検討の余地あり
WEB CARTOP
よくみると種類でキレイさが違う! 冷凍トラックに「ボコボコ」なクルマが多いワケ
よくみると種類でキレイさが違う! 冷凍トラックに「ボコボコ」なクルマが多いワケ
WEB CARTOP
いつもやってるけど……はたまたま運がよかっただけ! 大きな事故に繋がりかねないクルマのちょっとした危険行為
いつもやってるけど……はたまたま運がよかっただけ! 大きな事故に繋がりかねないクルマのちょっとした危険行為
WEB CARTOP
ドアロックが勝手にガチャガチャ! 晴れてるのに足もとが濡れている! ドライバーを恐怖のどん底に突き落とす「クルマの心霊現象」の正体4つ
ドアロックが勝手にガチャガチャ! 晴れてるのに足もとが濡れている! ドライバーを恐怖のどん底に突き落とす「クルマの心霊現象」の正体4つ
WEB CARTOP
BEV普及のための陰謀説まで囁かれる! かつて「水より安い」と言われたアメリカのガソリン価格が高騰気味!!
BEV普及のための陰謀説まで囁かれる! かつて「水より安い」と言われたアメリカのガソリン価格が高騰気味!!
WEB CARTOP
日本で白・黒・シルバーのクルマが人気な理由は「下取り査定額」と「納期」の影響だった!
日本で白・黒・シルバーのクルマが人気な理由は「下取り査定額」と「納期」の影響だった!
WEB CARTOP
「そんな馬鹿な!」な事故が起こりまくってる! 高速道路でパトカーが左にハンドルを切って停める納得の理由
「そんな馬鹿な!」な事故が起こりまくってる! 高速道路でパトカーが左にハンドルを切って停める納得の理由
WEB CARTOP
「クルマもオンライン販売化」なんて言われたけど結局は……令和のいまでも昭和的売り方が最強だった
「クルマもオンライン販売化」なんて言われたけど結局は……令和のいまでも昭和的売り方が最強だった
WEB CARTOP
たった1レースで1200本も用意! サスティナブルなタイヤも開発! スーパーフォーミュラにタイヤを供給するヨコハマの取り組みに圧倒された
たった1レースで1200本も用意! サスティナブルなタイヤも開発! スーパーフォーミュラにタイヤを供給するヨコハマの取り組みに圧倒された
WEB CARTOP
ひとたび事故が起こると被害も甚大なだけに「衝突被害軽減ブレーキ」の義務化は乗用車よりもトラックやバスが先だった! 大型車の最新「安全装備」事情とは
ひとたび事故が起こると被害も甚大なだけに「衝突被害軽減ブレーキ」の義務化は乗用車よりもトラックやバスが先だった! 大型車の最新「安全装備」事情とは
WEB CARTOP
銀ピカボディの中にはキャンパーの夢が詰まっている! 移動秘密基地「エアストリーム」とは
銀ピカボディの中にはキャンパーの夢が詰まっている! 移動秘密基地「エアストリーム」とは
WEB CARTOP
クルマだけど「走らないとき」の価値が高い! シャープの電気自動車が自動車メーカーとはひと味違う中身だった
クルマだけど「走らないとき」の価値が高い! シャープの電気自動車が自動車メーカーとはひと味違う中身だった
WEB CARTOP
バス事故は年間2200件超! 急ブレーキを減らすために「間に合うダイヤ」が絶対必要なワケ
バス事故は年間2200件超! 急ブレーキを減らすために「間に合うダイヤ」が絶対必要なワケ
Merkmal
タイヤはクルマの命綱なだけに見た目で選ぶのはダメ! とりわけ選択肢の多いクロカン4WD車のタイヤ選びの正解とは
タイヤはクルマの命綱なだけに見た目で選ぶのはダメ! とりわけ選択肢の多いクロカン4WD車のタイヤ選びの正解とは
WEB CARTOP
サーキットをトラックが走る! はしご車のバケットにも乗れる! 日本最大級のトラックの祭典「ジャパントラックショー in Fuji Speedway 2024」はトラックマニアではなくても楽しかった
サーキットをトラックが走る! はしご車のバケットにも乗れる! 日本最大級のトラックの祭典「ジャパントラックショー in Fuji Speedway 2024」はトラックマニアではなくても楽しかった
WEB CARTOP
直4・V6・V8……3気筒以外はほぼ偶数! クルマのエンジン気筒数の謎
直4・V6・V8……3気筒以外はほぼ偶数! クルマのエンジン気筒数の謎
WEB CARTOP

みんなのコメント

19件
  • 春霞
    この記事でロボット化の最大のメリットとしているのは「システムのバージョンアップを個々のエンジニアが行うことなく、生身の運転士の点呼のように一カ所にロボットに集まってもらうことで、QRコードなどで一斉に手間なくバージョンアップが可能な点」だそうです。自動運転車のバージョンアップなら無線ネットワークを通じてすれば良いのに、わざわざ運転ロボットに自力でドアを開けて歩いて来るような機能を付けるのでしょうか。
  • やまわらし
    どこまで真面目なのかは疑問ですが、人間並み以上の判断力を持ち故障の心配もないロボットを乗せるより、車自体をロボットにした方が良いと思います。多分コストもその方が安上がりでしょう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村